皆さま、こんばんは照れ

 

今週も、冬になると観たくなる韓ドラ『ごめん、愛してる(以下、ミサ)』を振り返るシリーズをお送りしてまいります。

 

本日お届けするのは、第4話。

実はこの回、全16話ある『ミサ』の中でも、私が7話の次に「お気に入りの回」だったりしますキラキラ

 

ウンチェに向けるムヒョクの目線が柔らかく変化していき、自分でも知らない内に彼女に惹かれていく姿が、本格的に2人のロマンスが始まることを予感させてくれます。

 

そんなウンチェとは対照的に、”企み”をもって近づいたユンに向けるムヒョクの目線は凍り付くように冷たいもの。

オ・ドゥリとの関係性も、近づけば近づくほど残酷にムヒョクの心を傷つけていく”哀しさ”がより鮮明になっていきます。

 

受け入れられないムヒョクの想いは、どこへと向かっていくのか?

見逃せない第4話、じっくりとご堪能下さい照れ

 

 

それでは、Let’s廃人ドラマの世界へ!!

 

ビーグルしっぽビーグルからだビーグルからだビーグルあたま

 

 

제4화 「彷徨う心」

 

 

ユンが退院した翌朝、洗面台に直接顔をつけてここ数日の気がかりを振り払おうとするウンチェ。

 

 

ムヒョクが自分に夢中だと思い込んだままのウンチェは、ユンを助けてくれたあの時も、ムヒョクが自分に会いに来て、自分が湖に飛び込もうとしたから代わりに助けてくれたに違いないと勘違いします。

そこまで尽くされて気持ちを返せない自分の申し訳ない胸の内を、家族中で誰よりもしっかりしているミンチェに相談することに。

 

「私、どうしたらいいかな? ミンチェ」
「お姉ちゃんも便秘なの?」
「私を探して、オーストラリアから来たアジョシがいるの」
「ん?」
「前にユニのCF撮影の時に会った人なんだけど、彼に凄く助けてもらったの」
「お姉ちゃん、男が出来たの?」
「私じゃなくて、アッチだけ……」
「お姉ちゃんはそうじゃなくて、相手だけ?」
「うん。私に完全に惚れちゃったみたいなんだけど……。あぁ、申し訳なくて。どうしたらいい?」
「お姉ちゃんに惚れて、オーストラリアからココまでやって来たってこと?」
「そうだってば!」
「……”寝た”の? その人と」

「ん?」
「”寝た”のか、って。ふたり」
「……うん」
「!」

「寒くて死にそうだったからしっかり抱き合って寝たんだけど、私が思うに、たぶんそれで私に惚れたみたい」

 

ミンチェの質問に正直に答えただけのウンチェでしたが、その意味を別な方向へ解釈した姉妹は驚愕。

 

何時までもトイレから出ない3姉妹を呼びに来た母にも間違って話が伝わり、朝から大騒ぎになってしまいます。

 

*・・・⁂・・・*

 

「嫁入り前の身分で!」と烈火のごとく怒って猛追する母をかわして、ウンチェは独り言。

 

「どうやったらそんな風に見えるの……。男の人とキス1度だったしたことないのに、母さんの娘は」

まだまだ”恋に恋する少女”でしかないウンチェ。
そんな彼女がこの夜に経験する未来を思うと、何でもない朝の風景が微笑ましく感じられますね。

 

*・・・⁂・・・*

 

母が遠くへ行ってしまったのを確認してから、トボトボと家に戻ってくるウンチェ。
ふと坂を見上げると、いつかのように家の塀に凭れるムヒョクの姿を見ます。

 

 

その姿に息を飲み、寂しそうな横顔にくぎ付けになりながら駆け寄ると、それが幻であると気が付くウンチェ。

「とうとう幻まで見えた? 申し訳なくて死にそう」

先ほどのミンチェへの相談もそうですが、目の前にいないのに相手の事を話したり考えてしまうのは、その存在が自分の中で大きくなっている証拠です。

ウンチェは、無意識の内にムヒョクを想う時間が増え始めていきます。

 

*・・・⁂・・・*

 

「兄貴に会いに」

そう言って出掛けようとするユンと、退院後初めて顔を合わせたウンチェ。

更にユンは、オ・ドゥリが自分の為に買い与えた高麗人参を「母さんが俺にそうしてくれるように、俺はお前にそうしたい」と差し出します。
それが身内としての情であり、決して男としての愛情ではないことを分かっているからこそ、甘い気持ちになる自分が哀しくなるウンチェ。

そんなウンチェに追い打ちをかけるように、オ・ドゥリが先日のムヒョクの件をユンの前で持ち出します。

「どうなったの? あの男の人」
「男って?」

「そうなの。ウンチェに”恋人”が出来たのよ、ユナ」

 

誤解を招くような言い方をするオ・ドゥリに、動揺するウンチェ。

 

そんなウンチェをよそに、2人の会話は続いていきます。

 

「”こいびと”が出来た? ウンチェに? どんなヤツなんだ? 何してるヤツだ?!」
「純粋に見えたわ。ウンチェがとても好きで泣いてしまうほど。ウンチェ、あなた良くやりなさいよ。人を泣かせたら、後で必ず自分が”血の涙”を流すものなのよ」


ムヒョクが流した涙の理由を知っている視聴者にとっては、かなり皮肉な響きを持ったセリフです。
何も知らないユンは、オ・ドゥリの言葉を素直に解釈して尊大に振舞います。

「上手くやれよな、ソン・ウンチェ。祝ってやるよ」

ユンに誤解をされたことに、ウンチェはションボリ。

 

*・・・⁂・・・*

 

一方でユンは、ムヒョクに会いに行く車の中で”ウンチェの恋人”に対して面白くない気持ちを抱く自分が整理できない様子をみせます。

 

「どんなヤツだ、一体。ウンチェは男を見る目が本当に無いのに」

自分だけの所有物だったウンチェ。
それが揺らいでしまう事への焦燥と苛立ちが彼女への独占欲から来るものだと気が付くのは、もっとずっと後になってからです。

 

*・・・⁂・・・*

 

その頃、ムヒョクは「泳ぎを教えてやる」と約束したユンをプールで待っていました。

 

 

待ち合わせ場所のプールに到着したユンは、その見事な泳ぎに見惚れます。

 

【ジソブ・メモ】
元水泳選手のジソブ。専門は平泳ぎでしたが、作品で泳ぎを披露する際は、より華やかで絵映えのする泳法のバタフライを魅せる事が多いですね。
因みに、この時に着用している水着はジソブの自前だそうです。

 

*・・・⁂・・・*

 

最初は付き添ってユンに教えてやっていたムヒョク。

 

次第にビート板だけで前に進める様になったユンを一人で泳がせ、ムヒョクは水から上がりプールサイドに腰掛けて様子をみる事に。

 

すると急に水しぶきが激しく上がり、ユンが溺れ出します。どうやら足がつったようで、必死にムヒョクへ助けを求めて叫ぶユン。

 

「兄貴!」

水に沈んでいくユンの様子を冷やかな表情で見つめるムヒョク。まるで心と体が遠く離れてしまったかのように、微動だにしません。

 

自分や姉に与えられ無かった母の愛を独占して、慈しまれてきた弟。

”愛する息子”と呼ばれ、数えきれないほどのキスや抱擁を受けてきた弟。
「助けて」と言う前に手を差し伸べてもらえて、誰よりも大切にされてきた弟。

 

 

―――誰の助けも受けずに生き抜いてきた俺が、そんな弟を助けるのか?

無表情のムヒョクが一瞬みせる、心の惑いを物語るような微かな顔の歪み。

 

やがてユンの身体が水の中に消えてゆき、水面が静寂に包まれるのを確認したムヒョク。

 

おもむろに立ち上がると、悠然とした様子でプールに飛び込みユンを救い出します。

 

簡単な胸部圧迫で直ぐに水を吐いて意識を回復するユン。

「水の味、美味かったろ?」

 

「やりすぎだよ。死ぬかと思った」

 

「”あいつ”に、お前が恐れてる事を気付かれたらダメだ。打ち勝って踏みこえなきゃな。それでこそ、”あいつ”と仲良くなれる」

水泳が上手くなるコツと恋愛指南をかけて説くムヒョクに微笑みを返すユンは、自分がしばらく放置されたなどとは微塵も疑っていません。

【廃人ポイント】
この場面でムヒョクを支配する、背筋が凍るような冷酷さ。
ジソブの演技、水面が静かになって音が途切れる演出、使用されているOST効果、その全てが噛み合って完成された強烈な印象を残す名場面です((;゚Д゚)

 

『真実/진실』
ムヒョクが策略を巡らせたり、運命が悪い方向に転がり出す場面で象徴的に使用されたOSTで、個人的に「ムヒョクのダークサイド・テーマ曲♪」と呼んでいる楽曲です。

 

*・・・⁂・・・*

 

プールから上がった2人。
シャワーを浴びながらもユンは、無邪気にムヒョクに話しかけます。
 


「兄貴、いつから水泳習ってるの?」
「習ったことないぞ」
「習ってないの? ……俺だって習ってないのに。それなら、兄貴みたいに泳ぐにはどうしたらいい?」
「熱心にやってみろ」
「熱心にやるなら、毎日来なくちゃね!」


じゃれるユンに、笑顔で答えるムヒョク。

 

ユンが自分に向けてくる無邪気な信頼は、そのまま弟が母親の愛に包まれてぬくぬくと育って来た証のように感じられて気が遠くなるムヒョク。

ユンに背を向けたり、ユンが背を向けた時にみせるムヒョクの顔には、羨望・嫉妬・恨めしさ……様々な感情が浮かんでは消えていきます。

 

 

*・・・⁂・・・*

 

「チェ・ユン カン・ミンジュに弄ばれる」
「カン・ミンジュ、漢江騒動を語る」
「私にとって”恋”はゲームと同じ」

 

 

衝撃的な見出しが並ぶミンジュのインタビューが掲載されたスポーツ紙を目にしたユン。
そんなユンの様子を、ムヒョクはじっくりと観察します。
 

 

*・・・⁂・・・*

 

瞳に怒りの炎を揺らめかせて、ムヒョクの運転でミンジュの家へと急ぐユン。

 

「そうしてれば頭が割れるな。金槌でもやろうか?」
「今日、俺も死んで、あいつも殺してやる!」


こんな程度で生き死にを語るほど熱くなるユンの”めでたさ”に呆れながら、ムヒョクはアクセルを踏み込みます。

 

*・・・⁂・・・*

 

同じ頃、記事を目にしたウンチェもミンジュの元に。

駆け付けたウンチェの様子も気にせずゲームを止めない態度に腹を立てて、彼女の前に新聞を投げつけます。

 

「これ誤報よね? ユニに早く弁解してよ!」
「インタビューの通りに内容が出てるみたいだけど?」
「あんた死にたいの? ぶたれたいの、あんた! ユニがあんたをどれほど愛してるか! あんたが遊んできた奴らとは違うのよ、ユニは!
(※原語では「私のユニ/ウリユニ」とウンチェは言っています)
「ごめん。でも私はこういう女なんだもの、どうしろっての? 気が多くて軽い女なのに、どうしろって言うのよ?」
「何でこんな風に生きるの? どうしてなのよ! あんたにどんな問題があるっていうの! こんな風に生きたいの? あんた、何でこんな風に投げやりに生きるの? 芸能人生を終わらせたいの? 考え無しなの! 全部終わらせたいの? 非常識よ! バカよ! 能なしよ!」
「……全部、吐き出した? 力に訴えるしかないの? 殴るなら、あばらの1本でも折ればいいのに」


頭に血が上っているウンチェは、ミンジュの笑顔がいつになく弱弱しい事に気が付きません。
ウンチェの怒りを全て受け止めたミンジュは、根負けしたように彼女に正直な自分の感情を話し出します。

「……ユンが、好きになりそうで。段々、ユンが好きになり始めて、だから……本当に彼へ真剣になりそうだったからそうしたの」
「何?」

「あなた、ユニが好きでしょ?」
「ちょっと!」
「私は恋愛博士よ。知らないとでも思った、私が。昔から全部知ってたわ。男女間に”友達”なんてありえない」
「何の話をしてるのよ、あんた! ホントに、今日は倒れるまで叩かれてみる?」
「それでも、知らないふりして私が手に入れようとしたんだけど、しきりにあなたが浮かぶの。どうぞ、あなたがそのまま持って行きなよ」

ミンジュの言い草に腹が立つウンチェ。

―――ユンは物じゃない。それに、ユンが好きなのはミンジュなのに。
何よりも、必死に隠していたはずの自分の気持ちを恋敵に見透かされていたことが恥ずかしくて惨めになったウンチェは、先ほどとは違う怒りで更にミンジュを責め立て掴みかかろうとします。

「止めないか、ソン・ウンチェ!」

 

やって来たユンの叱責に、ウンチェは水に打たれたように身動きが出来なくなります。
そんなウンチェを更に怒鳴るユン。

 

「何の真似だ、これは? お前、殴ってたのか? どうして、誰を殴ってたんだ今。ミンジュに指一本触れるなと言っただろう、俺が! 今後俺のことで、"俺たち"のことに干渉するな、ソン・ウンチェ。大騒ぎするな。分かったな? 出てけ。聞こえないのか? この家から今すぐ出ていけ!」

黙ってユンの言葉を受け止めていたウンチェの瞳に涙が浮かびます。

恋愛は当事者意外は部外者。言い方はキツくても、ここではユンが正論です。
”無関係”なのに身内気分で首を突っ込む行為がどれほどおこがましいモノなのか思い知らされたウンチェは、力なく立ち上がってミンジュの部屋を後にします。

 

*・・・⁂・・・*

 

ユンに叱られた動揺を引きずりながらミンジュの部屋から出てくるウンチェ。

 

階段でユンを待っていたムヒョクが、そんな彼女の涙を見つめていました。

 

部屋の前に置かれたゴミを手に、寂しそうに階段を下りるウンチェの後を思わず追うムヒョク。

 

少しだけ、ミンジュの部屋に入っていったユンを気にして振り返りますが、小さな背中を震わせながら帰るウンチェに惹かれる気持ちを優先させます。
 

 

*・・・⁂・・・*

 

ムヒョクに送られた車中では「刺し違える」と息巻いていたユンでしたが、実際にはミンジュの頬を叩くことで自分の真剣さを改めて彼女に示しました。

 

「二度と殴らせるな。俺にもウンチェにも、二度と殴らせるな」

泣きながらに自分と向き合うユンの真心に、ミンジュも心の武装を解いて涙をみせます。

 

ミンジュにとって、ユンは穏やかな愛情を教えてくれた相手。
そんな彼女も、後に嵐のような愛に巻き込まれていくことになるのですが……。

 

*・・・⁂・・・*


泣きながら歩くウンチェを、不思議そうに眺めて反対側の歩道を歩くムヒョク。

 

 

しばらく歩道を行くと、迷子の女の子とすれ違ったウンチェ。
周囲は誰も声をかけないその少女に、ウンチェは近づき声を掛けます。

 

「どうしたの? ママがいないの? 泣かないで、泣かないのよ。お姉さんがママ探してあげるからね。いい子は泣かないのよ、ね? 泣いてる子にはサンタさんがプレゼントくれないのよ。泣かないの」

自分も泣いているのに迷子の涙を拭いて慰めてやるウンチェの姿に、温かい何かが心に流れ込んだように微笑みを浮かべるムヒョク。

 

*・・・⁂・・・*

 

迷子の腕にあった連絡先に電話して、母親に少女の居場所を伝えるウンチェ。

 

迷子を母親に手渡し、一人ぼっちで横断歩道の前にうつむきながら立つ彼女の横に、ムヒョクは黙って並びます。

 

青になってもその場を動かないウンチェと、そんな彼女にじっと寄り添うように立つムヒョク。

 

やがて赤になり、それに気が付かずに歩き出そうとしたウンチェの細い腕をムヒョクが掴んで引き止めます。

 

いつの間にか隣にいたムヒョクに驚いたウンチェはしばらくその顔を見上げていましたが、唐突に問いかけてみる事に。

「オーストラリアの首都はどこですか?」

黙ってウンチェを見るムヒョク。

「自分が暮らした国の首都も知らないんですか?」

「キャンベラ!」
「……シドニーじゃないの?」
「キャンベラ!」

「いつ変わったの? ……この国の首都はどこですか?」
「ソウル!」

「おかしな人じゃないのね」

脈絡のない問いかけをして、挙句の言い草にさすがにムッとするムヒョク💦

「いいですよ。私たち、付き合いましょう」

 

 

ウンチェの言葉に返事もできず、ムヒョクは持っていたみかんを口いっぱいに頬張りただ彼女を見下ろします。

 

 

*・・・⁂・・・*

 

ムヒョクを誘って屋台にきたウンチェは、焼酎をストロー飲み。

 

そんな彼女を不思議そうに見つめるムヒョク。

 

笑ったり泣いたり怒ったり、あどけない姿を見せたかと思えば豪快に酒を飲む。
ウンチェの全てが新鮮で、妙に興味が惹かれるムヒョク。

韓国に来てからずっと荒れ狂う嵐の中にいたみたいな自分に訪れた、久しぶりの穏やかな時間。

 

 

その穏やかさに身を委ねようとした時激しい頭痛が襲い、咄嗟にウンチェから顔を逸らすムヒョク。

 

既に焼酎を何本も開けて酔っていたウンチェは、苦しむムヒョクに勘違いをして話しかけます。

「恥ずかしいんですか? 私の顔を見るのが恥ずかしくて、そうしてるんですか? 内気なのね、アジョシ。無鉄砲だと思ってたのに、内気なのね」

食べ物を箸で取ったウンチェは、ムヒョクの口に運んであげようとします。

「あ~ん。照れないでくださいよ! ”付き合う”って、こうするものなんですよ。こうして距離を縮めなきゃ。あ~ん」

あまりの痛みで机に頭を伏せてしまうムヒョク。

「うふふ、恥ずかしがっちゃって。すごく可愛いのね、アジョシ」

まるで鈍器で殴られ続けているような激痛で脂汗がにじんできたムヒョクは、苦しい息の中でなんとかウンチェに頼みます。

「静かにしてくれ、ちょっと」
「……え?」
「5分だけ寝るから、静かにしてくれ」
「……はい」

 

ムヒョクが耐え難い痛みを堪えて時が去るのをじっと待っていると、そんな彼の隣でウンチェは鼻歌を口ずさみ始めました。

 

薄れていく意識の中でムヒョクの耳に響く歌声は、遠くから聞こえる懐かしい歌に重なっていきます。

 

~*・・~*・・~

 

オーストラリアの眩しい日差しが降り注ぐ芝の上で、ジヨンの膝に横たわりながら聴いたあの子守歌。

 

 

幸せで、何もかも満ち足りていたあの頃の記憶……。

 

~*・・~*・・~

 

 

痛みが和らぎ歌うウンチェの顔を見たムヒョク。
その顔がジヨンの面影に重なっていきます。

 

 

自分を見て微笑むジヨン。

 

浮かんでは消えるその面影に、ムヒョクは哀しみと愛しさがこみ上げて一筋の涙を流します。

 

思わずウンチェの頬を両手で引き寄せて、彼女の熱い唇に口づけるムヒョク。

 

突然のことに抵抗しかけたウンチェと抱き合ったままま、その場に倒れ込む2人。

 

倒れてもなお口づけを止めたくなかったムヒョクは、ウンチェに顔を寄せながら気を失ってしまいます。

 

ムヒョクとウンチェの「初めてのキス」。
ユンの言葉に傷ついたウンチェと、幸せだった頃の記憶がみせた幻に縋るようなムヒョク。
ジソブ自身も、「ウンチェにキスをしたのかジヨンにキスをしたのか曖昧だ」と語る靄がかかったようなキスシーンですよね。
ムヒョクにとって唯一の愛だったジヨンにウンチェの中にあるものが重なる神秘的な雰囲気は、当時の若い視聴者に”新鮮さ”を感じてもらえるように狙って演出されているそうです。

【「ミサ」豆知識①】
台本には”キスをしたまま倒れる”と書かれていて、現場で「少し変だ」と言う意見も出たそうですが、結局はそのまま演じることになりました。
ジソブもスジョンちゃんも、より自然に見せるために空気椅子状態でキスをしながら倒れていて、倒れた後も顔を寄せていくのは現場で追加された動きなんだそうです。


【「ミサ」豆知識②】
ストローで焼酎を飲むというのは、脚本家の経験から。とても早く酔える飲み方で、この時のウンチェの気持ちを表現する為に浮かんだアイデアだったとか。

【「ミサ」豆知識③】
ムヒョクがジヨンの膝で眠る風景の撮影は、オーストラリアではなく韓国で撮影。標識に外国語がある公園を探して、違和感なく過去の情景として見せています。

 

 

 

あしあとビーグルしっぽ後編へ続きます…ビーグルあたま