特集記事: 2009年7月31日 [ Q&Aでわかる「いい歯医者」 2009年7月31日 掲載 ]
【取材協力】 医療法人 仁樹会 秩父臨床デンタルクリニック 理事長 栗原 仁 (くりはら ひとし) |
秩父臨床デンタルクリニックの栗原仁理事長は、海外の学会でインプラント治療を学び、長期的な視点に立って多くの患者を治療してきた。また、日本の歯科治療を少しでも良くしようという仲間が集まってできた講習会で先端の歯科治療の講師を行うなど、歯科医師の育成にも熱心だ。栗原院長に治療にかける思いを聞いた。
不十分な歯科治療で歯を失うことも
現在、歯科治療を受けている方や以前に受けたことがある方、これから受けようとしている方などの中で、歯科治療に不安を抱いたことのある方がよく見られます。歯科治療には、まだ不十分な点があります。例えば、歯の神経を抜いた後に、銀色の土台を入れたことのある方は多いでしょう。中には、土台を強くするからといわれて銀色の土台を入れた結果、歯ぐきの周りが黒くなった方も見られます。
銀色の土台は、シルバーといわれる素材でできています。シルバーの主体の材質である銀は、アレルギーが起こりやすく、金属の成分が溶け出して歯や歯ぐきを変色させる可能性もあることが知られています。現在の歯科医療では、この土台が使用されることも多く、それが原因で歯が折れたり、歯を失ったりすることがあります。歯の神経を抜いたら、しばらくしてから根っこの病気になったという方もいることでしょう。痛みを取るためにわざわざ神経を抜いたのに、その数年後に歯を抜くことになってしまう場合があるのです。
歯科医療がまだ不十分な理由として、歯科に対する要求が少ないことや予防に対する考え方が進んでいないこと、歯を大切と思う気持ちが少ないことなどが挙げられます。現在では、治療後の予防や治療前の予防が確立され、年をとっても歯を失いにくくなっています。
しかし、日本人の中には、40代から歯周病が悪化し、それでも仕事の忙しさにかられて、治療せずに50代まで放置してしまう方もいます。60代になると、ほとんどの方が入れ歯を使ったり、口臭や歯の揺れがあっても、そのまま放置してしまったりします。せっかく歯科技術が進歩しても、それを受け入れることがむずかしいのです。
長期的に歯を失わないため設計図を描いた治療を行う
例えば、家を建てるときに設計図なしに建てますか? それは、「No」だと思います。歯科治療も一緒です。口の中は、すべての歯が重要で、1本でも失うと体調すら崩してしまいます。インプラント治療や再生療法で歯を守ることも重要ですが、全体を見据えての歯科治療が特に求められています。
当院の歯科治療は、失った時期と失った原因を追及し、現在さえよければいいという治療ではなく、10年経っても20年経っても歯を失わないように設計図を描きます。歯科疾患は、全身に悪影響を及ぼし、すべての病気の根源になりかねない疾患です。歯科治療により、今まで取れなかった頭痛や肩こり、不定愁訴が取り除かれることもあります。
歯科治療は一つ一つの治療の積み重ねです。時間はかかりますが、再発の繰り返しがない治療を行っていくことが大切です。一緒に設計図を描いて歯科治療を楽しみましょう。
【構成/鈴木 健太】
栗原 仁(くりはら ひとし)
医療法人 仁樹会 秩父臨床デンタルクリニック 理事長
1999年朝日大学歯学部卒業
2009年明海大学研究生在学中
【所属学会】
AO(アメリカインプラント学会)正会員
AAP(アメリカ歯周病学会)正会員
【所属スタディーグループ】
銀座中村組
HOIPS
JIADS STUDY CLUB東京
全国インプラント専門医の会さきがけ