ババ抜きの終盤! | アナリスト杢兵衛のブログ ~ 気になった事をつらつら……

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そういえば築50年のマンションはありますね。土地柄により一定以上値が下がらないところもありますが、物件によると残りカードの少なくなったババ抜きのようですね。

恐ろしい…日本のコンクリートマンションが腐り続けているワケ

 
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本記事は、2017年12月18日刊行の書籍『改訂版 マンション管理組合理事になったら読む本』(幻冬舎MC)から抜粋したものです。税制改正等、最新の情報には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

マンションは「石灰石」と「粘土」で構成されている!?

(※写真はイメージです/PIXTA)

マンションの主要建材がコンクリートであることは多くの方がご存じかと思いますが、ではそのコンクリートとはどんなものかと聞かれると、答えに詰まってしまうのではないでしょうか。

ごく簡単に説明しますと、コンクリートとはポルトランドセメントに砂と小石を入れて水を加え攪拌したものです。主要成分であるポルトランドセメントの原料となっているのは石灰石など5種類ほどの物質ですが、そのすべてが均等に使われているわけではありません。これらの成分のなかで、石灰石と粘土が大部分を占めています。

そうすると実はマンションは石灰石と粘土で構成されている建物だとさえいえるのです。これらの材料が水により結合されて硬いコンクリートになっているのですが、その基本があまり知られていません。このことを覚えておくと、修繕工事などの機会にさまざまなポイントを理解する助けになるはずです。

コンクリートそのものは古代エジプト時代から存在していたという記録があります。その後の歴史のなかで、現在利用されているポルトランドセメントが開発されたのですが、それからでも200年以上の歴史がある非常に利便性の高い材料です[図表1]。このコンクリートの内部に鉄筋を入れて強度を高めたものが、大部分のマンション建築に用いられている鉄筋コンクリート構造なのです。

コンクリートは多くの地域や歴史のなかで実証実験を繰り返し、少し大げさにいえば人類に共通した一種の〝財産〟として定着し、現在に至っています。その利用は広範囲に及び、鉄筋コンクリートが都市をつくっているといっても過言ではないのです。

逆のいい方をすると、世の中の技術進歩は目覚ましく、たとえば各種機械、コンピュータや電子機器、化学、食品、医療などの人類の生活に関係する多くは根本から変化し続けているにもかかわらず、建物の基本となるコンクリートの材料は何百年にもわたってほとんど変わっていません。

恐ろしい…鉄筋コンクリートの「明らかな弱点」

コンクリートとは非常に古臭い、代わり映えのしない基本材料です。しかしそれは、鉄筋コンクリートが人間の生活にとってすばらしい材料であり、工法であることの証です。簡単にいってしまえば、ほかに代替えのきくものがないほど、人間と相性が良い材料なのです。

とはいえ残念なことに、ほとんどの方は学校などでコンクリートについて教わった記憶はないでしょう。都市の大部分を形成し、その内部で私たちが生活しているのにもかかわらず、どのような物質でどのような性質を持っているかを知る機会は与えられていません。

■コンクリートという素材は「経年劣化」が避けられない

マンション建築を簡単に説明すると、その外側をつくるにあたっては合板でコンクリートの型を一層ごとにつくり(仮枠といいます)、そのなかにコンクリートを流し込むことから始めます。ただし、コンクリートだけでは引っ張られる力に対して弱くなってしまうので、強度を確保するために設計段階での定めに従って、鉄の細い棒(鉄筋)を事前に仮枠のなかに入れておきます。このように鉄筋が内部に入って固められたものが鉄筋コンクリートです。現在、ほとんどのマンションはこの工法でつくられています。

こうして鉄筋コンクリートで主要構造部分ができあがったあとに、美観を整えるために塗装やタイル貼りを施し、機能的には窓や配管を取り付け、なじみのあるマンションが完成するわけです。

つまり、マンションのベースは鉄筋コンクリートということ。その点がわかれば、建物を守るためには、コンクリートを守るというのが前提となることが理解できるはずです。

マンションは鉄筋コンクリートであり、その強度は非常に優れています。地震に強く、燃えません。多くのマンションが鉄筋コンクリート製であるのはまさにそれが理由です。

しかしながら、そんな鉄筋コンクリートにも弱点があります。それは「経年劣化」、時間とともに品質・性能が低下することです。それはコンクリートの素材の性質上、避けることができません。

鉄筋が錆びて膨張し、周辺のコンクリを破壊する…

先に触れたように、コンクリートの主成分は石灰石です。その特性のひとつにアルカリ性の強さがあります。つまり鉄筋コンクリートとは、アルカリ性が非常に強いコンクリートのなかに鉄筋が入っているものです。内部の鉄筋はアルカリ性に守られて錆びません。実はそれにより建物を支える強度が維持されているというのが、鉄筋コンクリートの強さの基本なのです。

コンクリートの寿命を測る尺度はいくつかあります。ただし、鉄筋コンクリート自体のアルカリ性が失われることが強度に及ぼす影響は非常に大きく、直接的にマンションの寿命にかかわる条件となっています。なぜでしょう。

それは、コンクリートの素材である石灰石のアルカリ性度は時間の経過とともに低下していくからです。その結果、コンクリートは中性化していきます。そこで発生するのが、内部の鉄筋の腐食です。鉄筋が錆びて膨張することで、ついには周辺のコンクリートを破壊してしまうのです。

これが一番顕著なコンクリートの弱点であり、建物崩壊のメカニズムと考えられています。つまり、コンクリートをいつまでもアルカリ性に保てれば、この崩壊のメカニズムは防げるのです。

■コンクリートは「アルカリ性」が失われると劣化する

コンクリート中性化の防止が、マンションの強度維持の鍵になることはおわかりいただけたと思います。それを防ぐためには、まず、なぜアルカリ性が失われていくのかを理解することが必要です。その原因もまたひとつだけではありません。なかでも、はっきりとわかっている要因は空気と水です。

雨が降ると、マンションのコンクリートを雨水が濡らし染み込みます。大気中を落ちてくる過程で、この雨水には空気に含まれる二酸化炭素が溶け込んでいます。ソーダ水をイメージすれば近いでしょう。つまり、酸性の雨水がコンクリートに染み込むのです[図表2]。

コンクリートの中性化は、この雨水の酸とコンクリートのアルカリが反応することで起こります。さらに雨水の酸だけではなく、湿潤したコンクリートには空気中の二酸化炭素そのものも溶け込みますから、それによっても酸化作用は一層進み中性化が促進されることになります。では、それを防ぐにはどのような手段が有効なのでしょうか。

このままだと大変なことに…有効な手段は何か?

極論をいえば、マンションのコンクリートを空気や水と遮断してしまえばいいのです。可能な限りコンクリートを直接外気や雨水に触れさせないようにすることが、中性化を防ぐのに有効な手段なのです。

ですから、マンションの維持保全の基本として、大規模修繕工事において第一に考えるべきことはこの点になります。

大規模修繕工事はマンションのコンクリートを中性化から守るために定期的に実施すべき作業です。さらに、現在は中性化防止にとどまらず、維持管理のためにさまざまな課題を解決するための修繕内容となってきています。

とはいえ、修繕工事の主体は外壁の補修や塗装です。また、屋上や屋根の防水も重要になります。常時、雨や紫外線にさらされている屋上や屋根は劣化が一番進行しやすい部分です。雨漏りやコンクリートの劣化等も進行しやすいため定期的な補修が必要になります。

貴船 美彦