連載小説更新しました。

 

あけましておめでとうございます

今年もよろしくお願いします。

今年も不定期ではありますが連載を更新してまいりますので、よろしくお願いします。

今日明日は寒波ですね。

みなさん体調に気を付けてお過ごしください。


本当に返す返すも、野球で生きているうちは実にシンプルだったと思う。
悩みも喜びも悲しみも全部野球。
今は、いろんなものがひょうまにまつわりついている。
もちろん、ひょうまが招いたことであるが。

けーことの日々をすっかりおろそかにしてしまうところだった。
けーこが、ちゃんと鼻形と幸せになってもらわねば・・・。
そして・・・横のベッドで眠るあきこをそっと盗み見る。
(姉ちゃんにも幸せになってもらわねば・・・俺といるのがすべてなんていうことではなく)
いわばひょうまのせいで被害を受けた面々の幸せを見届けなければ、ひょうまは先に進めないのではないかと。

(いくらなんでも寝ないと明日一日身体が持たない)
時刻は午前2時を過ぎている、ひょうまは再び目を閉じて寝るように努める。
「ひょうま、時間よ」
あきこに起こされ、ひょうまは、眠れたんだと少しほっとしながら眼を覚ました。
カーテン越しに日差しが漏れている。
時間的には明らかに寝不足なはずだが、ひょうまは素早くベッドから降りてカーテンを開けた。
(あ・・・!)
朝日の強烈なまぶしさを感じた瞬間、ひょうまは はっとして、閉じかけた眼を見開く。
(幸せは・・・自分で見つけるものなのだ)
沖縄がゆえに真冬でもあたかも夏のごとく照り付ける太陽の光を見て、ひょうまはこの光のように気持ちが強くなっていくのを感じた。
(俺の幸せだってみんなの幸せの後でなくてもいいのではないか)
ひょうまのせいでみんな不幸になった・・・とは限らない。
もしかしたらこれがあるべき姿かもしれないではないか。
(ねえちゃんにしても・・・)
あきこだって、今はひょうまにかまけているが、や鼻形と別れたということは鼻形とはそれまでの関係だったのかもしれない、一生は添い遂げられない関係。
ひょうまが第一といっているが、あきこ自身の真の求める人物が現れていないだけかもしれない。
(俺がすべてをちゃんとすれば・・・)
そうなのかもしれない。
ひょうまがすべきことをする。
何をすべきかは、もうわかりきっているではないか。
ひょうまだって、真実への道を歩めばいい。

(三門さんを不幸にしても?)

最大の難関はそこにある。
ひょうまがすべてを失うのは仕方ないかもしれない。
が、城戸涼介に真実、親であることを告げると同時に、おきゅうとの愛が発覚する。
三門は真実を知ったらどうなるのか。
城戸涼介がおきゅうの子供であることを三門は知っているのか。
(まさか・・・)
三門がなぜ子供がいることを知ったのか・・・。
(牧・・・)
牧は、ひょうまが左腕投手だったころ、速球投手として致命的な欠陥、球質が軽いということを指し示す自らがつけていたスコアを三門に無邪気にしゃべってしまい、結果ひょうまは三門にホームランを打たれ、とどめを刺されてしまったっけ。
牧は、おきゅうの子供が城戸涼介であることをつきとめた人物でもある。 つづく