連載小説更新しました。
よろしくお願いします。
不定期なのですが、次回はちょっとさらに不定期になるかもしれませんが、また続きは書きますので、よろしくお願いします。


 半とさしで酒を飲む・・・。
 考えて見たらいつぶりなのだろうか。
 親友なのに。
 さしで飲むのは、もしかして、遠い昔、まだひょうまが現役のころ以来ではないか。
 改めて考えてみると、半にはさんざん世話になった、一番はやはり、右腕投手として現役復帰するときに生活から特訓からすべて面倒見てもらったことだろう。
 それがなければ、今のひょうまはなかったと言っても過言ではない。
 世話になった半に対して、ひょうまはお返しをするどころか、半を悲しませることばかりしてきた。
 特にけーことのことは・・・。
 今回、2度目の離婚を半は怒りまくっていたが、当然のことだ。
 お互い、一度は、けーこの夫だった身。
(親友じゃなくてきょうだいか)
 そんな知識も今では得ているひょうま(笑)
 まあ、現役最後のほうからは、けーこがからんできたから、2人で純粋に飲もうなんていう状況にはならなかったのだ。
 
 本来、今だって、ひょうまはともかく、よく半はひょうまを誘ってくれたと思う。
 逆の立場なら・・・ひょうまはかぶりを振った。
 今夜は、心底半にけーことの2度目の離婚についてわびをいれなければ。
 こうなってみると、親友だから、真実を伝えてしまいたい衝動にもかられる、おきゅうを愛していて、息子は城戸涼介だと。
 昔とった杵柄の柔道で投げ倒されるかもしれないが、黙っているのも心苦しいかも・・・。
 もしかしたら、半は、昔みたいに、対策を考えてくれて協力してくれるかもしれない・・・。

 ひょうまはいそいそと、出かける準備をし始める。
「ひょうま、どこへ行くの?」
 ソファから立ち上がるひょうまに追いすがるあきこ。
「半に誘われた、飲みに出かけてくる」
「まあ、お正月なのに、半さんも無粋な人ね」
「正月じゃなきゃゆっくり飲めないだろう」
「でも、あなたにあんなに怒ってたじゃないの、半さんは」
「そうかもしれんが、俺たちは親友だから・・・」
 答えになってないかもしれないが。
「どこへ行くの?」
「さあ・・・帰りは遅くなるから、先に寝ててくれ」
 超不本意だけどまるで夫婦みたいな会話に。
 そんなこと言っても、夜中でも朝帰りでも起きて待っているんだろう、あきこは。
 不満たらたらなあきこに背を向け、外に出た途端、
「はーーーーあ!」
 大きく深呼吸を3回も繰り返し、一気に顔がほころぶひょうま。
 解放された気分だ。
 
 時間よりはやく待ち合わせの店についた。
 半はまだ来てないだろうが、先に待たしてもらうかと、声をかけると
「もうお見えになってますよ」
 個室に通される。
「よお、星・・・」
 半は既に酒を飲み始めていた。
 つづく