連載小説再度更新しました。

これで読めるかな?失礼いたしました。

今野球やっています。巨人勝ってるよー!!


 おきゅうと一生男女関係なく過ごすことなんて無理だ、おきゅうを抱きしめながらひょうまは改めて実感する。
 世間から不倫と見られようとも、おきゅうなしでは生きていけない。
 不倫だからではなく、城戸涼介のために、秘密にしていればいいのではないか。
 確かに、城戸涼介には親として、辛い人生を歩ませてきたかもしれない、有坂咲のことも、普通の親がいる生活だったなら、なんら問題はなく、今頃結婚していたのかもしれない。
(だが・・・)
 生い立ちを話してくれた城戸は最後にきっぱり言っているではないか。
「両親がいなかったからこそ、今の僕がある」
 逆境にいたからこそ、将来をしっかり見据え、医者になろうと努力した城戸、そんな城戸に咲は惚れたはず、ならば、城戸の地位は、ひょうまやおきゅうがいなかったから成し得たもの。
 もし、一生の中で、城戸に真実を告げることがあるとしたならば、勿論、親としてわびなければならないけど、知られないなかでおきゅうと真実の愛を確認することは、許されてもいいと思う。
 
 やがて、ひょうまはおきゅうを抱いたまま、ベッドへ移動、キスを交わしながら互いの服を脱がせていく。
 もう何も考えまい。
 電気を消すと、柑橘系のおきゅうの香りをいっそう感じるひょうま。
 程なく2人は思いを遂げたが、ひょうまはまだまだという気持ちだし、おきゅうもひょうまにしっかりと抱きついている。
 うとうとしては関係をもち、また、うとうとしては関係をもちと、気がついたら白々と夜が明けようとしていた。 
「・・・少し寝ないと・・・」
 ひょうまが気遣うも、おきゅうは首を横にふる。
「寝ちゃったらもったいないわ」
 もうさすがに関係はもてないが、ひょうまは今一度、おきゅうをしっかり抱きしめた。
「多分・・・なかなかこうして逢うことは叶わないだろうが・・・」
 天井のプロペラのような扇風機を眺めながらひょうまがつぶやく。
「だが、機会さえ作れれば俺はいつでも君を抱きたいと思っていることを、忘れないでいてほしい」
「私も、同じ言葉を返すわ」
 2人は見つめあい、昨夜から何度目かわからないくらいのキスを交わした。
 チェックアウトまでの間、結局、できないと思っていた関係がまた持てた。
 己の肉体に驚くひょうま。
「こんなに体力持てば、現役復帰もできるかもな、ハハハ!」
 冗談かましたつもりだが、おきゅうの顔が若干曇る。
 まったく、皆ひょうまが「現役復帰」の言葉を発すると敏感になり、本気にとらえるからいやになる。
「勘弁してくれよ、あのさ、もう俺、現役復帰なんて考えてないから」
「わかんないわよー、また五年間失踪して現役復帰目指す・・・なんてね」
 ひょうまの笑顔におきゅうも安心したようだ。
「五年間の失踪の話はマジやめてくれ、子供のことを知ってたら、俺・・・」
 今度はひょうまの表情が暗くなりそうに。
「ごめんなさい、そんなつもりじゃあなくって・・・もう、あなたが現役復帰なんていうんだもん!」
 おきゅうに肩をはたかれた。
 
 ホテルは別々にチェックアウトしたし、飛行機もずらして石垣島に戻ることにした。
 空港で誰かに会うことは考えにくかったけど、念のため。
 2人とも既婚者という立場を、これからも守っていかなければならない。
 おそらく、おきゅうは三門と関係していくだろう、ひょうまは我慢しなければならないのだ。
(ただし、もうけーこへ気配りをする必要もない)
 むしろ、おきゅうのほうが辛いのかもしれないと、ひょうまは思えるようになった。
 ま、けーこへ唯一の気配りといえば、部屋へ戻る時間を合わせてあげること、多分昨夜は鼻形と共に過ごしたはず、夕方くらいに部屋へ戻ってやれば鉢合わせもせずにすむだろう。   つづく