連載小説更新しました。
今週は昨日まで不在、今日からも在宅時間が短く、不定期連載のままですみません。
巨人は土壇場からメークドラマで日本シリーズの切符を手中におさめました。
第5戦で勝ったときに、これでいけるかなと思いました。
あの第5戦の最後のシーン、巨人ナインはまるで日本一にでもなったかのようなはしゃぎようで水掛けなどをするシーンを背に、中日投手山井が淡々とマウンドを降りて行く。
明暗がくっきりわかれ、勝負の非情さを感じさせられました。
日本シリーズを前にドラフト会議が明日あります。
菅野投手の行く末注目。
今年も恒例の健康診断がやってきた。
マッキーチームでは本当に綿密に行い、選手に異常があった場合は秘密裏に徹底的に可能な限り治療及びケアを行い、翌年のキャンプに臨ませる。
球団事務所敷地内に検診センターが設けられており、城戸は毎年すべての検査及び総合診断を下しているのだ。
今日は首脳陣の健診日。
城戸の気分はすっきりしない。
兼務の市総合病院の仕事が忙しいのもあるけど、おきゅうが不在で有坂咲との関係について話が進まないから。
(美波くんの婚約者として再会しなければ、咲ちゃんのことは一生封印するつもりだったことを思えばいいじゃないか)
自身を納得させるも、おきゅうとのタイミングの悪さになんとなくもやもやしている。
健康診断開始時刻。
ひょうま、鼻形、三門、そして広報半がやってきた。
半以外は一緒に住んでいるのに、バラバラでやってきたのに城戸はちょっと驚く。
ひょうまは、昔の左腕崩壊直前の検査を思い出してしまうからとかで、皆と別行動というのは聞いていたけど、鼻形と三門も別にやってきて、かつ、半以外は城戸同様、浮かない表情。
(星さんにしても、最早、過去の左腕時代の未練は昨年の健康診断直後に僕が断ち切ったはず・・・)
三門も表情さえないところを見ると、ひょうまや三門は、おきゅうがらみで悩んでいるのだろうか。
(鼻形さんは関係なさそうなのに皆とおんなじ顔してるのはなぜ?)
まさか、けーこと浮気ごっこをし始めたら本気になりかかって、なんとか気持ちをおさめようとしているなどとは城戸にとっては想像の外。
健診は予定通り進んでいく。
血液検査は結果までに日数を要するが、胸部レントゲン、胃カメラ、大腸検診はその場で結果が出る。
大腸検診時は、尻だけ見えるように穴あきのパンツをはかせた。
半、三門、鼻形は、下剤によってすぐに腸が綺麗になって検査ができたが、ひょうまだけは、昨年もそうだが、下剤3リットル飲んでも腸が綺麗にならない。
「星さん、もう1リットル飲んでいただいてだめなら浣腸しますよ」
城戸はひょうまに告げると、一旦大腸検診を中断、他の検査に回った。
1時間後、鼻形、三門はすべての検査が終わったが、ひょうまの様子を見ると、まだ1リットルの下剤が半分ほど残っていて、一口飲むごとにげっぷをして苦しそうだ。
「星さん、大丈夫ですか?」
「え・・ああ、これは毎年やってるけどちっとも慣れないですね」
ひょうまは言いながら、便意を催したのかトイレに消えて行く。
看護師がいたので様子を尋ねる城戸。
「もう一息なんですけどねえ。終わったら出た色を確認します」
「よろしくお願いします」
城戸は診察室に向かう。
検査が終わっている鼻形、三門の総合診察をするためだ。
まず三門。三門は城戸から視線をそらしているように見える。
「今回わかる範囲では問題ありませんでしたよ。まあ、体重をもう少し落としたほうがいいとは思いますが」
「・・そうですか・・・」
なんとなく居心地悪そうな三門。
「あの、どうかされました?元気なさそうですけど?」
聞かなきゃいいものを相変わらず人が好い城戸。
三門としては、城戸の顔をまともに見られない、城戸がおきゅうの子供だと知っているのに、牧に口止めされてるからというより、おきゅうを妻としてつなぎとめるための切り札として、誰にも言いたくないとは。
つづく