連載更新しました。

今日は雨で涼しいです。

昨日は巨人大負けしてしまいました・・・。

でも、今季の巨人、投手陣が若返り活躍しているのは実に頼もしいですね!!


 銀座フレンチレストランパキシムの予約はそう簡単にはとれないことはいくらおいもちゃん三門とて知っていること。
 でも、銀座パキシムのオーナーは、マッキーS湖ナチュラルズの大ファンということをどこかで聴いたことがあった。
 監督鼻形自ら電話させて、オーナーが望むチームグッズなり、サインなり、来季の試合招待でも与えてやれば個室確保も大丈夫ではないかと。
(これでおそらく鼻形くんも、妙な疑惑から解き放たれて、あきこさんのもとへ戻ってくれるでしょう・・・)
 鼻形が「浮気ごっこ」に戻れば、純粋にけーことひょうまをとりなすことを純粋に考えて「ごっこ」をしてくれるに違いない。
(わしが直接動くとろくなことがなか・・・)
 だから、鼻形たちに動いてもらい、目論見どおり、ひょうまのほうからけーこの異変に気づいて、自身の気持ちをけーこに向けてもらえれば・・・。
(星くんから気づかなければだめたい・・・)
 そう、人から言われる、やらされるのでは、やらせた人に責任転嫁する、あるいは、今回の場合は先述しているが、ひょうまが開き直ってしまうという、やぶへびになる可能性もある。
 ひょうまから気づけば・・・けーこの「ごっこ」相手はひょうまの姉の夫。
 少なくとも姉、あきこを悲しませないように考えるのではなかろうか。


 
 同時刻。
 けーこ宅では、鼻形とけーこが昼食をとっている。
 三門が帰ってからも、結局2人は気持ちがそがれ、鼻形はソファで休み、別々の部屋で朝を迎えた。
 鼻形は、けーこを好きになってしまった気持ちは変わらないけど、やはりあきこを失いたくないと思っている。
 ならば、関係はいつまでも続けられないだろうと・・・。
(けーこさんも同じはず・・・)
 夕べ、つい、鼻形はあきこと城戸への不信感をしゃべってしまったとき、けーこはほっとした表情をしたのを覚えている。
 互いに本当に「愛情」があるなら、けーこはほっとしてはいけない、あきこにやきもちを焼かねばならないのだ。
 しかも、けーこのほうから、あきこは浮気なんかする人間ではない、家庭を壊す気もないと明言した。
(あきこのことをひょうまくんの姉だから、浮気なんかしないと信じている)
 そんな物言いもしたっけ。
(言葉の端々にひょうまくんへの愛を感じてしまったわけだ・・・僕は・・・)
 そう思うと、ちょっと悔しいのだが。
「けーこさん・・・」
 近くの自由が丘ブレッドという高級パン屋に届けさせるというクロワッサンを手でちぎりながら、鼻形は問う。
「・・・ひょうまくんが気づいたら、この関係は終わりということ・・・なんですよね?」
 あきこを失いたくないけど、本心はどうしてもけーこを失うのももったいないという気持ちが頭をもたげてくるのは否めない。
 だけど、けーこから同じ台詞は切り出されたくはなかった。
 昨夜、けーこのほうから、“鼻形の家庭を壊す気はない”と明言されてしまったので、そのお返しの意味も少しあるし、二度も言葉を先回りされるのはいやだった。
 鼻形のほうから決定していきたいのだ。
「・・・鼻形さんもそれをお望みでしょう?昨日のお話でわかりましたわ・・・」
 予想通りの返答。
 これでいいのだ。なのに・・・。
「僕は、あなたを忘れることはできない!」
 途端、けーこの目が潤んできた。
「・・・私だって、最初にひょうまさんのことを相談したときとは、もう違ってしまってますわ・・・」
 聴いてはいけない言葉なのに、聞きだすことに成功したような喜びも持ち合わせてしまう鼻形。  
 つづく