連載更新しました。よろしくお願いします。
昨日は雪の予報がでてましたが雪降らずによかったです。
でも、今後は寒暖の差がでてくる季節なので、みなさんも体調に注意してくださいね
ひょうまは、酒のピッチを早める。
「星コーチ、まさか、マリッジブルーなんてことないでしょうねえ、これって望んでいたことなんでしょ?」
聞かれてどきっとするひょうま。
「ま、まさか・・・ただ、二度目だからさ、こんな大仰にやらなくてもよかったのにとな・・・」
「チームも日本一になって、マッキーチームが真の全国区になる絶好のチャンスでしょう、さらに、星コーチとベテラン女優の復縁とあれば、世間も思い切りこっちに注目してくれる、来季のファンが増えること間違いなし!」
北島がひょうまのグラスに酒を注ぐ。
「それに、半広報としては、美波さんの破談も星コーチの復縁で煙に巻きたかったんじゃないんですかね」
美波・・・。そういえば、美波の姿が見えない。
投手陣の輪に入っていたように見えたが、いつ姿を消したのか。
「美波はどうした?」
「ああ、用事があるとかで帰りましたよ」
美波からは、直接おめでとうの言葉をもらっていないひょうまは、自身の結婚への気持ちを棚に上げて拍子抜けする。
(でも、自分が破談になった直後に他人の幸せを見るのは辛いのかもしれないな)
思い直し、以後、2時間ほど飲んだところで投手陣との飲み会はお開きに。
当然、ひょうまが支払いをして、皆と別れるも、まだまだ帰るつもりは毛頭ない。
どこかの店に入れば誰かいるだろう。
(首脳陣とは顔を合わせたくないけど・・・)
彼らが行きそうな店は大体わかるので、そこだけははずして、S湖に向かってぶらつく。
と、前方に城戸医師の姿が。
ひょうまはなんだかほっとする。
城戸には、けーこのことなどいろいろ話を聞いてもらってるし、城戸の話も聞いている、もちろん、今の真意なぞ話せないけど、もしかしたら一番一緒に飲みたい相手かもしれない。
親友、半が聞いたら泣くかほえるかされるだろうが、それこそ、今の真意を見抜かれでもしたらぶっ殺されかねない。
(城戸先生なら・・・)
万一、腹の底を勘ぐられてしまったら、もしかしたら、気持ちを打ち明けてしまいたいような・・・。
城戸なら、容認してくれるかもしれない・・・だからといって、万一そうしてくれても、どうにもならないんだけど。
ひょうまは、小走りに駆け寄り、背後から城戸の肩をたたく。
「あ・・・っ星コーチ、一人ですか?」
そう思うだろうな。
「城戸先生も一人?」
「え、ああ、さっきまでスタッフの人たちと飲んでましたけど、途中から鼻形さんや三門さんも一緒に・・・」
スタッフに気を使う鼻形、アリだなと、ひょうまはうなずく。
「じゃあ一緒に飲みましょう、先生」
「・・・ええ、いいですけど・・・星さん、選手たちと飲まなくていいんですか?」
「いいのいいの、さっきまで投手陣で飲んだし・・・城戸先生にも復活プロジェクトでは世話になったしね、当然おごりますから、ねっ」
ところが、2人が入った飲み屋に、先客が。
美波が一人でカウンターで酒を飲んでいる。
入り口で美波の姿を確認したひょうまと城戸は入るのを躊躇。
ひょうまは知らないが、城戸はパレードのとき、有坂咲を目撃していたし。
ひょうまも、城戸と美波が鉢合わせしているなかに入る気にはなれない、復縁サプライズなんてものがなければ、気持ちは別だったかもしれないけど。
2人は黙って店を変えようとしたそのとき、美波がこちらを向いた。
つづく