このお話は、巨○の星の続編を想定して書いたものです。

私のHP内にある「その後のひょうま」→「マッキーS湖ナチュラルズの男たち」(マッキー連載カテゴリー)

 の順序になってます。宜しくお願いします。(^^♪



城戸はマウンド上で崩れ落ちたままの美波の前にしゃがみこんだ。
 美波に目線を合わせる。
「一応・・・美波物産御用達病院も信用あるとこだし・・・そこで駄目って言われたら・・・それに、君と再会して僕は今の幸せが、申し訳なく思えていたんだ。苦労したであろう君の顔がちらついて・・・。昨シーズン成績が悪かったのも、純粋に野球に集中できなかったからかもしれない。そして脚の故障。僕はある意味これでいいのかもしれないと、思ったのだ。今度は人のために尽くそうと」
 城戸の表情が怒りに変わるやいなや、次の瞬間、美波は城戸に思い切り張り倒されていた。
 美波も含め、ひょうま、鼻形、三門もびっくりして目を丸くしている。
 城戸が怒りの感情を表した姿を見たのも初めてだったし、優しすぎるところが欠点じゃないかくらいに思われていた城戸が手をあげるなんて。
「美波君、僕は、確かに悔しかったよ。君が養子に選ばれて僕が選ばれなかったとき、僕はほんとに悔しかった。でも、僕は今は誰からも哀れみを受ける不幸な人間なんかじゃない。僕は目標どおり医者になれたし、充実した日々を送っている。あのとき美波物産の養子になっていたら、勉学は思う存分出来ただろうが、医者になることは許されなかっただろう。そりゃあ、確かに君と再会したとき、僕は多少の屈託はあったさ。複雑な気持ちもあったが・・・・。せっかく君だって、養子になるためにギブスまでして苦労したんだろう。その気持ちを忘れちまったのか!そんなに金持ちボケしてしまったのか!」
「・・・涼介くん・・・」
「君は野球したいんだろう?腹の底では野球したいんだろう?」
 美波は涙目で深く頷いた。
「なら、僕に賭けて見ないか。すぐには治らないかもしれない。だが、復活することは可能かもしれない」
「城戸先生、美波を宜しくお願いします」
 ひょうまがまず頼んだ。
「星コーチ・・・」
「美波、引退はいつかはしなければならない。急ぐことはない」
「そうだよ、美波。そのかわり治ってからメジャー行きたいなどとは言わないでくれよ」
 ちゃっかり注文つける監督鼻形。
「僕は生涯マッキーS湖ナチュラルズで世話になりますよ」
 ようやく美波の顔に笑みが戻ってきた。
「涼介君、悪かった。僕の考え方がいけなかった。治療、宜しくお願いします」
 すぐ、美波は病院に行き、城戸が検査などした結果、手術ということに。
 時間を要すも、無事成功。
 リハビリを続ければ、シーズン半ばまでには復帰可能性もありうるという診断に、首脳陣、美波は大喜びであった。
 つづく