このお話は、巨○の星の続編を想定して書いたものです。

私のHP内にある「その後のひょうま」→「マッキーS湖ナチュラルズの男たち」(マッキー連載カテゴリー)

 の順序になってます。宜しくお願いします。(^^♪



いよいよ自主トレが始まった。
 とはいえ、マッキーS湖ナチュラルズの選手には本当に自主トレをやらせている。冷暖房完備のS湖スタジアムは自主トレ開始日からキャンプインまで、24時間解放し、好きな時間に選手がやってくればいいようにしてある。
 牧、鼻形の方針が「育つ環境を作ってやる」というYクルトの監督と同じ方針。Yクルトはともかく、マッキー球団では牧の財力で、選手、裏方の意見をほぼ100パーセント取り入れ、環境面を整えてやっている。選手の査定は厳しいが、今まで契約保留にした選手はいない。
 他球団からは嫉妬や羨望のまなざしで見られている。
 
 自主トレの間は、一軍、二軍も同じ場所で練習できるようにしてある。
 鼻形、ひょうま、三門は、いよいよ職業人の目を帯び、様子を見守る。
「今年もまあまあオフに鍛えて来ているな」
 満足げな3人。
「あれ?」
 三門が声をあげる。
「美波くんの様子が変ですたい」  
 美波理(みなみおさむ)。昨年は5勝10敗と成績が振るわなかった投手。
「え!?」
 ひょうまの眼が釘付けになる。
「彼は今季は活躍してもらわんといかんから、下半身強化のトレーニングメニューを渡しておいたんだ。下半身が安定しないとコントロールもつかん」
 美波投手はランニングもよろよろしてるし、筋トレもおぼつかない様子。
「熱でもあるんじゃないか」
「やめさせったほうがよかじゃなかか」
「指示出すか」
 ひょうまがマイクを手に取る。
「美波、どうした?」
 マイクの声は球場内に届き、美波が気付く。
「・・・いえ、何でもありません・・・」
 だが、ペースは全然上がらない。
 すると、美波はぴたっとランニングをやめ、もたもたしながらこちらへやってくる。
「や・・・やはり、今日は帰らせてもらいます」
「大丈夫か」
「はい。少し休養すればいいですから」
 美波の歩き方にひょうまのサングラスがきらりと光る。
「それにしても星君、なぜ君はサングラスかけるとですか?」
「は?」
 ひょうまがかけているサングラスは、実は大昔けーこからプレゼントされたもの。
(願掛けみたいなもんだ)
 けーことの復活愛が成就するまで。
 というのは半分うそで、このサングラスは老眼鏡も兼ねているわけ。(笑)
 なぜか普通のメガネってどんなのをかけても似合わず、家で必要なときは普通のをかけるけど、外ではサングラスがしっくりくる。(勝手に思っている)
 それはともかく、ひょうまは美波の様子に懐かしさとやばさを感じ取っていた。
(まさか・・・)
 そのとき。
「ひょうまくん、ちょっと!」
 鋭い声で鼻形に呼ばれた。
 つづく