Heart Wave


感動です・・・


ストーリーが進むにつれ、複雑に入り混じる


感情と理性・・・結子さん演じる詩織の表情や


しぐさが、どんどん繊細に、微妙なアンジュレーションが


現れている。ある意味迫力のある感情表現・・・



子供が育てた、あさがおを見つめる視線でも、


子供に言葉をかけながら、花全体を上から下へ


みつめる詩織の姿。ものへのいつくしみ、子への愛情、


自身の気を静めるかのようなその視線がもたらす意味・・・



結子さんの場合、ひとつひとつのシーンに意味をもたすだけでなく、


そのセリフ、ふるまいに残心がある。この場面でのセリフをいったら


終わりではなく、その場の言葉や動きがもたらす余勢、流れを


きちんと表現している。だからこの人の演じる人物はいつも人間らしい・・・


結子さんの中で、人物がきちんと生きており、想像力と感情移入で


一番、その人らしい動作や空気感が、セリフや仕草にプラスアルファ


となって表現されている。ほんと見事。



圧巻は、大雅に「好きになってよかった」と言われ、うれしさや


とまどい、これまでがんばってきた自分を受け入れてくれるあたたかさ、


いろんな思いや感情が共鳴し、あふれだす涙をとめられない・・・


カットなしで、心に触れられたひとりの女性の、おさえきれない”涙”


をある意味、情熱的に、はげしく見せつけられた。


これまでの役どころのうちの多くの場合、こういう場面では、


情感があふれ、次第に相好がくずれていき、たえきれなくなって


”ぽろぽろっ”と涙が零れ落ちる・・・本当の熱い涙を見事に流せる、


その気持ちの入れよう、プロの技量に、惚れ惚れしていた。


今回はその要素もいれつつ、詩織という女性が、感極まれば


こう泣いてしまうだろうという、結子さんと詩織がひとうtになった、


ある意味、バリエーションを持たせた、それでいてかつ結子さんらしい


魅せるシーンでした。



見ているものをぐっと惹きつけ、大雅という”人”のもつ魅力を一挙に


感じさせたのは、大雅の言葉をうけて、一人の女性としての素直で、


自然な説得力ある表現をみせた、それこそ結子さんの魅力であると思います。



自分の100%をだしながら、相手のよさもそれ以上に引き立たせる魅力、


女優としての輝き、技量・・・いまをときめく松本潤さんの相手役として、


最高のみせつけるから、誰もが納得し、この人ならと思わせている・・・。



Heart Wave・・・


いい演技をみせてもらえました。


セリフを言った後とか、セリフがない間にも、結子さんの演技は続いている・・・


ふっと我に返ったような表情や、視線がもどっていく過程、ためいきのような呼吸の


仕方ひとつに、演じる役どころのこころの動きが、心に伝わってくる。


大雅がピアノを弾いているときから、立っているままの詩織だったが、みるみる表情が


変化し、人を受け入れていく心の広がりが、すごく見えて、ほんと見事でした。


ファン冥利に尽きる、暑い夏の夜でした。