2004年 「天国の本屋~恋火~」のワンシーン。
天国から現世へ戻る健太(玉山鉄二)を見送る場面で、
「あなたに会えてよかった…元気で」と伝える翔子の、何かを吹っ切った、すがすがしさと
名残惜しく寂しさをどこかに抱きながら、やさしいほほえみで最後は、結子さんから手を差し伸べて握手
するこのシーンが僕は大好きです。
結子さんらしい、寂しいけれど、相手のことを思って、背中をそっと押す包容力と複雑な気持ちを
笑顔としぐさの中に醸し出して、観ているものを和ませ、元気を与えてくれる、見事な演技…
僕は、しんどいとき、素直になれないとき、心がかわいて癒しが欲しいとき…いつもこの映画の結子さんの
演技をみて、優しい気持ちになり、人のことを考えられる余裕をもらっていました。
この映画では、結子さんは二役を演じ、現世の快活で行動力家族や友人思いの香夏子と、香夏子の叔母にあたる、元ピアニストで、若くして病に倒れ、いま天国にいる翔子を演じていて、性格や個性の異なる二人の役を、言葉以上にその人の感情を、繊細な表情やしぐさで表し、どちらもとても魅力的な人物に表現されていました。個人的に、この映画の翔子が、僕の中の「これが竹内結子」なのですが、実際は香夏子と翔子の魅力を併せ持つのが本当の結子さんなのかな、と思うくらいの、はまり役だった、と感じています。
齢を重ねられて、ますます演技の幅や、演じる人の人生をしょい込むからこその喜怒哀楽や、手足の動き、ムードつくりなどに、結子さんならではの思いが封じ込められた「人間」を演じられる姿をみることを
楽しみに待っていた・・・のですが、もうそれは永遠にみることはできなくなりました・・・
演じる人の人間らしく、その場その場にふさわしい喜怒哀楽、笑顔と涙をながせる結子さんの…
自分の言葉の前に、相手の言葉で、動き気持ちを一瞬の動作や表情表す、繊細な演技の結子さんの…
泣くシーンでは、一粒ポロっと、まさに感情あふれて零れ落ちる涙をだせる結子さんの…
映画の舞台挨拶では、映画の魅力を何も語れず、さつえ表現力のかけらもない応対の多い役者が多い中、いつも共演者の良い部分に触れて、かくれた一面を引き出し、機転の利いたコメントで、場を盛り上げようとする結子さんの… 主役でも脇をかためても、原作者・監督・観客の期待にこたえて、役柄に結子さんらしい付加価値をあたえ、期待以上の結果をだせる結子さんの・・・初舞台を観に行った際、ほかの人がメインで語っているときの、注目されていない場面において、一言一言に反応してる動作がとても自然で、わかりやすく感情をみているものに丁寧に伝えようとしている結子さんの・・・そんな、そんな結子さんの・・・
僕は…大ファンでした。素晴らしい才能でした。いま失って気づく、自分の中での"女優竹内結子さん”の存在の大きさ・・・
アドラー心理学の言葉を借りれば、人生は「いま、ここ」での選択の連続で、それは自分のためになるように行っていることなのだとか…
あの結子さんが、自らの命を絶つことが、もっとも自分のためになることだと、選択してしまうほどの苦しみ
こと悩んでいたことが、ファンとしてはとても気の毒で、つらいです。テレビ報道で姿をみるたび、つらくなり涙がでてきます。これからう興味本位で報道は垂れ流されるのが嫌だし、また類まれなその才能の一片もしらないコメンテーターの軽い言葉で、女優竹内結子さんを語られるのは、ファンとしては見るに堪えないのでその手の報道はみたくありません。
"Heart Wave"
ドラマで、スクリーンで、そして舞台で、そして世界で、きらきら輝いていたあなたと
同じ時代をすごせた僕は、確実に人生を豊かにすることができ、本当に本当に幸せだったと思えます。
ドラマ「白い影」の最終回のラストシーンの「春のような笑顔」の形容が、ぴったりあてはまる"笑顔"は、
そして「ランチの女王」のときの夏美のくったくない"笑顔”は、自分の中で結子さんの魅力を象徴するもの・・・結子さんの笑顔で自分自身も元気がもらえ、人にも笑顔で、優しくなれたのです。
結子さん…たくさんの感動と、生きる力をいただき、本当に本当に、"ありがとうございました”
そして、心の底から、ご冥福をお祈りいたします。
さようなら・・・










