薬学博士が語るおくすり最前線
Amebaでブログを始めよう!

アスベスト問題(2)

みなさまこんにちは。薬学博士のGAMAです。

すみません。ご無沙汰してしまいました。ちょっと忙しい日々が続いていまして、こちらまで手が回りませんでした。

さてさて今回は、アスベストによる健康被害について考えて見ましょう。アスベストの使用ピークは1970年代、80年代、90年代初期であり、現在ではほとんど使われていません。それがなぜ、今になって大きな問題になっているのでしょうか?それは、アスベストが蓄積されてから、病気が発症するまでの潜伏期間が長いからです。例えば、中皮腫は平均35年前後という長い潜伏期間の後発病することが多いとされています。したがって、アスベストを大量に使用していた時期に仕事を通して石綿を扱っている方、あるいは扱っていた方が、今になって発症し始めたのです。現在、発症している患者様は、アスベストを大量に使用し始めた70年代~80年代の方々と推測されます。したがって、90年代初期にピークであったことを考慮すると、これからますます、アスベストによる健康被害を訴える患者様は、増加していくと予想されます。

ではでは。

 

人気ブログランキングに参加しています。

を押していただけると光栄です。

人気ブログランキング

ありがとうございました。

アスベスト問題(1)

みなさまこんにちは。薬学博士のGAMAです。

クボタの工場で働いていた人が中皮腫という謎の病気にかかったことから、一気に話題になっていますアスベストについて考えてみたいと思います。

そもそもアスベストとは何でしょうか? アスベスト(石綿)は地中にて生成される岩石の仲間です。綿のように軽いので、石綿(いしわた・せきめん)とも呼ばれています。アスベストは、不燃性、耐久性、耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性などの特性に非常に優れ安価であるため、日本では「奇跡の鉱物」などと珍重され、建設資材、電気製品、自動車、家庭用品等、様々な用途に広く使用されていました。身近なものとして、みなさんも理科の実験で石綿金網を使いませんでしたか?あの真ん中の白い部分、あれがまさにアスベストですよ。もちろん、現在は使用禁止になっていますので、セラミックに変わっています。このような特徴から、1970年代、80年代、90年代初期に建てられた建築物、船舶、鉄道車両などに大量に使用されていました。しかし、使用量の増加とともに人体や環境への有害性が問題になってきました。

 このアスベストによる健康被害について、次回から考えて見ましょう。

ではでは。

人気ブログランキングに参加しています。

を押していただけると光栄です。

人気ブログランキング

ありがとうございました。



アガリクスはやっぱりうそだった

みなさまこんにちは。薬学博士のGAMAです。

先日、アガリクスの健康食品を『末期がんに効く』と書籍で宣伝、販売したとして薬事法違反で出版社役員、健康食品販売会社ミサワ化学社長などが逮捕されました。ミサワ化学は、販売始めた01年10月から今年3月までに即効性アガリクスSだけで約20億円を売り上げたといいます。アガリクス出てきた当初から『末期がんに効く』と宣伝していましたから、明らかに薬事法違反なのに、なぜもっと早く取締りをしなかったのかと思います。その後の調査で、抗がん効果が認められたというケースレポートはまったくのうそだったようです。

そもそも薬事法違反とはどのような違反なのでしょうか?

薬事法第8章 医薬品等の広告 第68条(承認前の医薬品等の広告の禁止) では、以下のとおりに定められている。

「何人も・・・(中略)・・・認証を受けていないものについて、その名称、製造方法、効能、効果又は性能に関する広告をしてはならない。」

すなわち、健康食品は医薬品として認証されていないので、効能・効果を広告で記載すると、薬事法違反になってしまうということです。

以下のブログを参考に、健康食品について今一度考えてみてください。

健康食品と薬の違い

http://ameblo.jp/cm118204961/entry-10004182363.html

健康食品の選び方について パート1

http://ameblo.jp/cm118204961/entry-10004265671.html

健康食品の選び方について パート2

http://ameblo.jp/cm118204961/entry-10004316969.html

 

 

人気ブログランキングに参加しています。

を押していただけると光栄です。

人気ブログランキング

ありがとうございました。


妊婦とくすり(妊婦専門外来)

みなさまこんにちは。薬学博士のGAMAです。

読者の方から、妊婦専門外来についてみなさんに紹介してほしいとの要望がありましたのでご紹介いたします。

私が知っている限りでは、以下の3つになります。他にも知っている読者がいらっしゃいましたら、教えていただけるとありがたいです。


『国立成育医療センター』周産期診療部(妊娠と薬外来)

「妊婦のためのクスリ情報センター」

月曜日・水曜日 13:0016:00

厚生労働省主体で開設。相談するには主治医の紹介が必要。

http://www.ncchd.go.jp/kusuri/index.html


『虎ノ門病院』産婦人科「妊娠と薬」相談外来 

水曜日の午後230

http://www.toranomon.gr.jp/


『聖路加国際病院』女性総合診療部(妊娠と薬相談)

水曜日の午後

http://www.luke.or.jp/


こういう専門外来が近くになくても、もともと薬の相談ですから、医師ではなくかかりつけの薬局薬剤師に相談すれば、きちんと答えていただけますよ。薬剤師は薬のプロですからね。

ではでは。


人気ブログランキングに参加しています。

を押していただけると光栄です。

人気ブログランキング

ありがとうございました。

妊婦とくすり(ビタミンA)

みなさまこんにちは。薬学博士のGAMAです。

今回はビタミンAがなぜ妊婦に悪いのかお伝えしましょう。

まずは、ビタミンAの働きを説明しましょう。ビタミンAの主な作用は、視覚作用と全身作用に分けられます。ビタミンAは、視覚調整に関与しているため、不足すると夜盲症になります。夜盲症とは鳥目とも呼ばれていますが、暗さに目が慣れるのがおそくなり、暗いところで見えにくくなります。また、細胞の分化や発生,生物の正常な成長促進作用や皮膚粘膜形成などにも関与しているため、皮膚の乾きや丘疹ができたり、粘膜の抵抗性が低下して感染症にかかりやすくなります。したがって、体にとっては必要不可欠なのですが、なぜビタミンAが妊婦に悪いのでしょうか?

ビタミンAのもう1つの働きとして、骨格の配置や形を決める遺伝子や骨格のパターン形成を制御する遺伝子の制御に関与していると言われています。したがって、骨格形成に関わる胎児期に、ビタミンAが過剰に存在すると、遺伝子の制御が乱れてしまい、骨奇形を生じてしまいます。これがビタミンAによる催奇形性のメカニズムです。それでは、どれだけ摂るとまずいのでしょうか?

ビタミンAの奇形発症率は、1日あたりの摂取量が1.5mg5,000IU IUは国際単位で1IU0.3μg)以上で1.3%、4.5mg15,000IU)以上で3.0%という報告があります。この量は、普通の食生活では、通常摂り得ない量なので特に心配する必要はありません。サプリメントなどにより、必要以上に摂らなければ大丈夫です。ちなみに、ビタミンAの所要量は成人において男性0.6mg2,000IU)女性0.54mg (1,800IU)となっています。

妊娠初期(3ヶ月まで)の妊婦や妊娠の可能性のある女性は、ビタミンAの過剰摂取により、胎児に奇形が発症することがありますのでサプリメントなどは控えること。また、治療によりビタミンAを服用中の方は、妊娠する前に必ず医師・薬剤師に相談すること。

先ほども書きましたように、催奇形性ができるほどのビタミンA過剰量は、普通の食生活では、通常摂り得ない量です。したがって、妊娠されたからといって、特に心配する必要はありません。サプリメントなどでの摂取を控えることで回避できます。

ではでは。

人気ブログランキングに参加しています。

を押していただけると光栄です。

人気ブログランキング

ありがとうございました。

妊婦とくすり(妊婦に禁忌のお薬)

みなさまこんにちは。薬学博士のGAMAです。

前回の続きで、FDAの危険度ランクわけについてお伝えします。

危険度X:どんなことがあっても避けるべき薬です。

[ビタミンA]チョコラA錠・注(エーザイ)

[経口避妊薬]:オーソM21(ヤンセン協和)トライディオール21(ワイス)
[
卵胞ホルモン剤]

エストラダームTTS(ノバルティス)
オバホルモン水懸注(帝国臓器)
オバホルモンデポー注(帝国臓器)
プロギノンデポー注(シエーリング)
プロセキソール錠(帝国臓器)
デボシン錠(塩野義)
エストリール錠・水懸注(持田)

エストリールデポー注(持田)
ホーリンデポー注(帝国臓器)
プレマリン錠・注(旭化成)

ホンバン錠・注(杏林)

[皮膚治療剤]:チガソンカプセル(中外)
[
排卵誘発剤]:クロミッド錠(塩野義)

[甲状腺用薬]: ヨウ化ナトリウム(I131

[ワクチン類]: 風疹ワクチン、ハシカワクチン、オタフクカゼワクチンン、天然痘ワクチン、

[診断用薬]:放射性ヨード剤

ほとんどがホルモン剤なので、服用するとホルモンバランスが崩れるので、なんとなく胎児に悪いということが想像できます。また、病院にいかないと手に入らないものばかりですので、医師・薬剤師に妊娠の可能性があることを伝えることで、誤って服用することを防ぐことは可能です。

あれ、ちょっと待ってください。この中にビタミンAがあるのに気づきましたか?コンビニでもドラッグストアでも簡単に手に入りますよね。これは、注意しなければいけません。詳細については、次回お伝えしましょう。

ではでは。

人気ブログランキングに参加しています。

を押していただけると光栄です。

人気ブログランキング

ありがとうございました。


妊婦とくすり(妊婦に禁忌のお薬)

みなさまこんにちは。薬学博士のGAMAです。

今回から、妊婦さんが飲まないほうが良い薬について考えたいと思います。前回のブログでは、今出回っているくすりは比較的安全ですとお伝えしましたが、中にはやはり妊婦さんが服用してはいけない薬というのも正直存在します。うっかり飲んでしまうと悪影響が出る可能性がありますので、覚えておくといいでしょう。

まず、妊婦さんが服用してはいけない薬(禁忌)というのは、胎児や母体への影響の度合いによっていくつかにランクわけされています。アメリカのFDAでは5段階にランクわけされています。

A:対照ヒト試験によって胎児リスクのないことが証明されている。すなわち、問題のない薬。

B:動物試験によって,胎児に対するリスクのないことが認められているほか,対照ヒト試験は行われていないか,胎児に対するリスクは動物試験によって認められているが対照ヒト試験では認められていない。すなわち、100%とはいえないけど比較的安全な薬。

C:適切な動物試験またはヒト試験は行われていないか,胎児に対する有害作用は動物試験において認められているが,ヒトのデータは入手されていない。すなわち、どっちともつかない薬。

D:ヒト胎児リスクの証拠が存在するものの,ある種の状況(例,生命を脅かす状態またはより安全な薬剤を用いることができないか無効である重篤な疾患)では利益がリスクを上回ることがある薬。すなわち、リスクはあるものの、この状況では使わざるを得ない薬。

X:証明された胎児リスクは利益の可能性を上回る。すなわち絶対ダメな薬。

日本においては、虎ノ門病院が1992年に公表して以来、目立ったランクわけはされていませんでした。しかし7月26日の読売新聞に、徳島大学大学院の山内あい子助教授らが、催奇形性の危険性のある薬についてネットで公開すると発表しました。私としても早く発表していただきたいと願っております。

それでは、次回は、FDAのランクわけに該当する薬について考えてみたいと思います。

ではでは。


人気ブログランキングに参加しています。

を押していただけると光栄です。

人気ブログランキング

ありがとうございました。

妊婦とくすり(安全性)

みなさまこんにちは。薬学博士のGAMAです。

今回から、妊婦に対する安全性について考えてみたいと思います。

前回お伝えしたサリドマイド事件により、妊婦さんが不用意に薬を飲むことは要注意ということがわかったと思います。では、今のくすりは大丈夫なのでしょうか?

サリドマイド事件を教訓に、現在は各開発メーカーとも厳しい試験をするようになっています。妊娠させた動物を用いて、いろいろな影響がないかを何度も何度も実験して安全性を確認しています。したがって、今薬店で売られているくすり、薬局でもらうくすりとも、比較的安全な薬が多いと思います。しかし、残念ながら、ヒトの妊婦さんでの十分なデータが得られていないため、100%安全とは言い切れません。それはなぜでしょうか?

マウスのような動物と人間では、同じ哺乳類でも体の構造等がまったく一緒というわけではありません。したがって、妊娠動物で100%安全性が確かめられたからといって、ヒトでも100%安全とは言い切れないということです。それでは、なぜヒトの妊婦さんで十分な安全性試験をしないのでしょうか?答えは簡単です。協力してくれるボランティアの妊婦さんがいないということです。「万が一、胎児に影響があるかもしれませんが、今後の薬の安全性のデータを取りたいので参加する妊婦さん募集します」といって果たして集まりますか?いくらお金をつまれても参加しませんよね。ですから、妊婦さんでの安全性を厳密に確かめることがなかなかできません。

今は医薬分業が進み、薬剤師と話す機会が増えたと思います。妊娠中または妊娠の可能性があるご婦人は、薬剤師にぜひ相談してください。不必要に薬を飲まないほうが良いですが、決して、自己判断で普段飲んでいる薬を減らしたり、やめてしまったりしないこと。薬の副作用よりも母体の病状が悪化するほうが胎児への影響が大きい場合も多々あります。

次回は、実際に妊婦さんに影響がある薬について具体的な話をしていきましょう。

ではでは。

人気ブログランキングに参加しています。

を押していただけると光栄です。

人気ブログランキング

ありがとうございました。


妊婦とくすり(サリドマイド事件)

みなさまこんにちは。薬学博士のGAMAです。

前回お伝えしたとおり、今回は世界を震撼させた、サリドマイド事件についてお伝えしようと思います。胎児への影響の中の1番目に当たる催奇形性の衝撃的事件となりました。

1958年に大日本製薬は、サリドマイドを主成分とする睡眠薬(イソミン)を開発し販売しました。このイソミンは、妊婦さんのつわりを楽にし、安眠を約束するということで妊娠初期の妊婦さんに愛用されていました。しかし、妊娠初期に服用した妊婦の胎児に、四肢の全部あるいは一部が短いなどの独特の奇形をもつ新生児が多数生じるという奇妙な現象が起こりました。西ドイツ(いまのドイツ)のW.レンツ博士は、サリドマイドがこの催奇形性の原因と警告しました。しかし、日本においては、厚生省と販売メーカーの怠慢により、諸外国が回収した後も、危険性を伏せたまま販売が続けられ、この約半年の遅れの間に被害児の半分が出生したと推定されています。その結果、サリドマイドの副作用によって奇形児が生まれたのは、日本では約900人にものぼってしまいました。この事件をきっかけに、妊娠中に薬が必要な場合は、安全性が考慮され慎重に使用されるようになったとともに、開発の段階でも胎児への影響に対して多くの動物実験をするようになりました。

それでは、いま医者からもらうくすりは大丈夫なのでしょうか?売っているくすりは大丈夫なのでしょうか?次回から順を追って考えてみたいと思います。

ではでは。

人気ブログランキングに参加しています。

を押していただけると光栄です。

人気ブログランキング

ありがとうございました。



妊婦とくすり(胎児への影響)

みなさまこんにちは。薬学博士のGAMAです。

今回からは、妊婦とくすりについて考えていきたいと思います。

まず、妊娠しているときに薬を飲むと、胎児に悪影響が出てしまうと思っている人がほとんどではないでしょうか?確かに怖いですし心配です。そもそもこの胎児に危険と全世界が考えるようになったのは、1960年代に震撼させたサリドマイド事件ではないでしょうか?妊婦さんがサリドマイドを飲んだために、奇形児が生まれてしまったという事件です。この事件の詳細は次回お伝えすることにします。

さて、もともと奇形児が生まれてくる割合は、全体の3~4%といわれています。その原因の多くは、遺伝的要因,環境的要因,ウイルス感染、その他に原因不明として起こるが多く、薬物が引き起こす奇形は,すべての胎児の先天異常のわずか23%にすぎないと言われています。 したがって、割合としては少ないものの0ではないと言うことですので、気をつける必要はあると思います。では、どういう風に危険なのでしょうか?

まず、薬が胎児におよぼす要素は3つあります。1つめは催奇形性です。これは妊娠初期に服用した場合に起こりやすい影響です。手足に異常が見られたり、口が避けたりなどの外見的異常から、心臓奇形などの内部の異常が起こることです。2つめは、胎児毒性です。これはどちらかと言うと妊娠後期に服用した場合に起こりやすい影響です。胎児の器官や組織は正常に形成されているが、機能と成長を変化させることがあります。3つめは、母体への影響です。胎児そのものに影響は無いものの、胎盤や子宮に影響を与えてしまうことで、流産や死産などをしてしまい結果的に胎児に影響をあたえてしまうことです。

これらをふまえて次回から、詳しく見ていきましょう。

ではでは。