まりなびゼミナール　第三回

まりなびゼミナール　第三回です。

今回は『平和台事件』を取り上げます。

１９５２年７月１６日に平和台球場で起きた事件です。

この日は、福岡県地方は梅雨末期の雨の影響で試合開始が当初予定されていた夕方15時から1時間55分遅れて夕方16時55分試合開始。当時平和台野球場にはナイター開催用の照明塔がなく、プロ野球の試合展開は比較的早かったこともあるため、途中のトラブルがなければ日没の19時29分までに充分間に合うだろうという憶測から試合を強行開催してしまいました。

その後に２度の中断がありつつ、半ば強引で試合が行われました。

そして西鉄が５－４とリードして迎えた４回裏、毎日の湯浅禎夫総監督は選手にわざと試合を遅らせてノーゲームにしようという作戦に出ｊｄｑ。試合中にもかかわらず個々の選手をダッグアウトに引き上げて水分補給させたり、何でもないフライをわざと取りこぼさせたり、捕手がサインを出さなかったり、投手が投球をしないなどの露骨な遅延策を行ったのでｒ。毎日はこの回に４点を失って、スコアは４－９と５点差に広がってしまう。それにも関わらず５回表、湯浅総監督は審判団に「これ以上ゲームはできない」とノーゲームを提案。審判員との協議によりノーゲームが宣告されました。

これには西鉄ファンが大激怒でグランドになだれ込みました。審判団、さらには毎日の選手に襲いかかった。西鉄の大下弘・野口正明が血だらけになりながら観客を制止しようとしたが収拾がつかず、機動隊３３００人が動員される騒ぎとなってしまいました。

毎日選手は機動隊の護衛で何とか球場から引き揚げるが、西鉄ファンは宿舎にも抗議に押しかけ、騒ぎは球場外にまで広がってしまったのです。結局、柔道の高段者としても著名だった毎日の大館勲夫（のち日本野球連盟会長）が西鉄ファンを説得し、深夜になりようやく事態は収拾しました。

これが原因で毎日の二監督制はこの年限りで終わり、浅総監督を解任、若林忠志監督は二軍監督に降格、別当薫選手を兼任監督にするという人事が発表されました。そしてチームは低迷してしまうのです。

太平洋リーグ連盟は毎日球団に対し制裁金５万円（当時の金額）を科す一方、自身の危険も顧みず観客の説得にあたった大下・野口の両選手へは連盟表彰を与えました。また平和台野球場には１９５４年からナイター設備が設置された。

最近ではウォーレンの中指を突き出し事件がありました。