番外:追想 キンモクセイ | かたくりのつれづれのままに

番外:追想 キンモクセイ

2日ほど前から、庭のキンモクセイが咲き始めて花の香りが漂うようになりました。

大好きな香りですが、今年は切ない・・・・・・

 

6月に筑波のマイホームを購入したいという人が現れて、手放しました。

この庭には新築時にホームセンターで980円で購入したキンモクセイの苗木が育ち、今では二階の屋根にまで届くほど成長しました。そろそろこちらも満開になるころ。

23年ほど前に地元工務店で注文建築で建てました。

終の棲家にするつもりでしたが住んだのはわずか1年数か月。

広い庭に阿字ヶ浦から何度も運んだ蛤の貝殻を敷き詰めて長女だけはビニールプールで遊びましたが、他の娘たちも同じことをさせたかった。

5月連休数日後あたりに暖地さくらんぼが熟します。

今年庭の草刈りに行った時期がわずかに早く来年はきっと収穫するつもりだった。

5月下旬ヤマボウシが満開

ヤマボウシは、家を建てる前に住んでいた住居の大家さんに長女の誕生祝いに苗木をもらったもの。

実生で庭に芽を出したヤマボウシの苗木を今の家で育てています。

 

本当は手放したくない宝でした。

戻ることができず賃貸物件として維持していましたが、賃借人とは無責任なものでこちらの了解を得ず室内で大型犬を飼い、座敷の襖や畳に爪痕をたてられたり、別の賃借人も冬、結露の始末をせずフローリングを台無しにしたり・・・・

自分の住居という意識があれば決してやらないことを平気でやられます。

もともと賃貸用に建てたわけでないので、襖も壁も柱も安価ではありません。壁も壁紙でなく本物の土壁です。

イヌの爪痕が消えません。

他人の財産である住居を大切に扱うという意識も、その結果修理敷金以上の修理費用が発生するという意識がまるでないため手放す決心をしました。

 

23年間心を尽くして維持してきた住居です。主が変わっても賃貸よりまし。

新しい家主は庭の手入れが好きとのこと。

節(とき)来れば 匂いおこせよ 金木犀

   主変われど 秋を言祝(ことほ)