チェリーそっくりさん!(事件編) | ザ・ハングタン+

ザ・ハングタン+

「ザ・ハングタン」とは法で裁けぬ盛岡の鬼を退治する乙女たち。
この物語はそんな乙女たちの戦いのドラマである。
(現在「いわてマル秘指令ザ・新選組」アーカイブも公開中)

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盛岡学園の理事長室で俊彦とさくらは大谷の話を聞くことにした。

「偽者?」
大谷の話は、3が日の盛岡市内で発生したさくらの名を騙る女子高生のことだった。
「実は、元日にさくららしき女子高生に盛岡八幡宮で突き落とされたという話だ」
「えっ?元日ですか」
さくらは元日は東京にいた。だから盛岡八幡宮にいるわけがない。
「元日は東京で初詣を…」
「そうなのか?」
俊彦が説明する。
「東京の明治神宮で一緒でした」
さくらは俊彦と会ったことを思い出した。
$ザ・ハングタン+
俊彦は明治神宮の参集殿近くでさくらたちの姿を見ていた。俊彦が待っていたところは日本酒メーカーの菰樽がたくさん置かれている場所だった。

だからさくらは元日に盛岡にいるはずがない。しかし事件は元日だけじゃなかった。
「実は2日、3日にもハングタンの阿部さくらを名乗る事件が起きたんだ」
「なんだって?」
さくらはおののいた。そもそもハングタンの存在は秘密のはずだ。しかもさくらを名指しだ。
「どうして…」

2日、大通りと映画館通りの交差する十字路でハングタンを名乗る女子がギャル狩りと称して髪を染めたり、ラフな洋装の女子を襲った。
3日には郊外のショッピングセンターで発煙筒をたく大騒ぎを起こしていた。その際に便乗で万引きが相次いだと言うのだ。

「では、ハングタンの仕業と言うことで?おかしいなぁ」
「知っての通りハングタンは存在を知られてはいけないのだ。もしも正体が暴かれた場合…」
大谷は俊彦とさくらに最後通告を出そうとしたが、そこへ横田夏子がやってきたのだ。
「理事長、お茶です」
「お、横田君。君にも聞いてほしいんだ」
「えっ?」
俊彦は夏子の顔を避けるようにしてつぶやいた。
「…俺たち、クビになるかもしれない」
それを聞いた夏子は驚いた。
「ええっ?」
「さくらたちが無実の罪で退学させられるかもしれない」
夏子はそれを聞いて大谷を問い詰めようとした。
「ゴッド…本当ですか?」
大谷は3が日の事件の記事を夏子に見せた。
「まさか、誰かがハングタンの名前を騙りやったとしか…」
「君もそう思うか。じゃあ早速だが真犯人を挙げてほしい」
さくらは喜んだ。しかし大谷は1日だけと言う条件をこのミッションに課した。
「たった1日?」
「いくら何でも短すぎませんか?」
しかし大谷はこう返答した。
「時間がない。始業式はあさってなんだ」
「…」
俊彦も夏子も反論できない。こうなったらと俊彦は国分繁治、吉村浩一に話をするため、理事長室を出ることになった。
「あとはお・ね・が・い・・・ねっ!」
「もうっ」
夏子はお株を奪われたような感じで不愉快だったが、さくらと自分の危機をほっとけない。
「どうだね、やってくれるか」
「もちろんです」
こうしてハングタンの1日だけのミッションが幕を開けた。