ああ、スティング勘違いされる・・・⑦ | ザ・ハングタン+

ザ・ハングタン+

「ザ・ハングタン」とは法で裁けぬ盛岡の鬼を退治する乙女たち。
この物語はそんな乙女たちの戦いのドラマである。
(現在「いわてマル秘指令ザ・新選組」アーカイブも公開中)

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田村正明と中村昭一郎は沼宮内の食堂で会食中だった。そこへベクトルグループの盛岡北スーパーセンターの総括責任者である藤田浩二がやってきた。
「これは藤田さん、おかげですべてかたがつきましたよ」
田村は藤田に25万円の袋帯を手渡す。これが中村正幸転落死の報酬なのか、向こう側で焼きうどんを待つ俊彦と弥生はそう思った。
「25万…」
俊彦は携帯電話のカメラ機能を使い、その様子を撮影して夏子に送信した。
「よし、あとはハングタンにまかせる」

中村昭一郎は自分の兄を手にかけたというのに、涼しい顔をしていた。そこで俊彦は取材をしようとするが、運悪くここで焼きうどんが到着してしまった。
「しかし証拠はあがったな」
「うん。そして中村正明殺害を俊彦さんのせいにした黒幕も…」
「ああ」

食堂を出た車を運転していたのは上野英孝だった。上野は藤田と図って中村昭一郎をそそのかしたのだった。そして澤村に何かいい話を吹聴したのだろう。
運よく中村正幸がIGRの車内で遠藤理恵と口論になり、澤村が割って入ることができた。そしてここで中村昭一郎が澤村に俊彦を知らずに利用させたのかもしれない。

車はあいたい橋から町役場へ向かっていた。と、そこに夏子の軽自動車が待ち伏せていた。
「来たわよ」
そして夏子は車を止めた。
「…だ、誰だ。わたしは」
田村が車を降りてこういった。しかし夏子は何もいわず田村の腕を羽交い絞めにした。
そしてさくらが昭一郎、藤田、上野に墨汁入りのボールをぶつけた。このボール、防犯用に郵便局などに置かれているボールを想像していただくと理解できるだろう。
「何をするんだ」
ここで夏子は名乗りをあげた。
「闇の死刑執行堕天使、ハングタン」
エリカといずみが書類と25万円の袋帯を持ってこういった。
「助役さんが犯罪に関与なんて、やりすぎですよ」
「そして新規コンビニの出店の便宜を図るため、反対したお兄さんを殺害。そこでフリーライターの原俊彦さんを犯人にしようと…」
しかし藤田も上野も白を切るばかり。
「いいかしら?澤村健さんも、それに中村さん、あなたの姪子さんもすべてしゃべってますよ」
夏子に指摘された悪党たちは怖くて逃げようとするが、そこをホッケーのスティックを持ったさりが妨害。
「火遊びはいけないんだけど、特別大サービスよ!」
そういってホッケーのパックを悪党たちめがけて転がす。ここにさくらの着火剤入りボールが飛んできて、悪党たちは火だるまになるのを恐れてついに観念した。

翌日、悪人たちは岩手町役場と沼宮内高校の入り口で「悪行を悔いる四天王」として飾られた。
「わたしは、ただ中村君とベクトルクループのチェーン店進出の話し合いにのってしまっただけだ。責任はわたしにある、民部田町長や他の議員には罪はないんだ」
「ごめんなさい、兄をホームから突き落としたのはすべて藤田さんと上野さんの指示でした。それで兄が死ねばどんな店にもできるといって…」
「そうですよ。それで澤村君に狙いをつけて罠をはってみたんです」
「その澤村君の口を封じよと命令したのはわたしです。彼がわれわれの車を見てしまったから…」
「あの若者を葬り去ればよかったのに、原俊彦をもはめようとして」
「あいつもお灸を据えるべきだったんだ、ベクトルグループにいいたいこというあいつは」
町民は怒り、田村たちはうなだれた。そのなかに友美も理恵もいた。
「叔父さん、やっぱりおじさんが」
友美は泣いていた。それを理恵がなぐさめた。その様子に思わず夏子ももらい泣きしそうだった。

(完)