売り生徒に買い言葉③ | ザ・ハングタン+

ザ・ハングタン+

「ザ・ハングタン」とは法で裁けぬ盛岡の鬼を退治する乙女たち。
この物語はそんな乙女たちの戦いのドラマである。
(現在「いわてマル秘指令ザ・新選組」アーカイブも公開中)

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さくらとめぐみは石桜学園の生徒たちに引き続き聞き込み。
「井上君の事件、大変でしょ」
「そうだけど。でも光太郎がいないのは気になるな」
さくらは驚いた。昨日話をした真野光太郎が行方不明だというのだから、何かあったのではないか。
「光太郎君はいつも誰かと一緒だったということは」
「僕はもちろん一緒にいます」
ここでめぐみが話を聞く。
「僕は秋元慎介、ここの2年B組です。光太郎と同じクラスで」
「それで?他には」
「ああ、それだ。僕と、あと酒井久嗣ってC組の悪ガキがいるんですがね」
「C組の酒井?」
「あっ、酒井ってまさか」

盛岡学園に戻り、ハングタンたちは中間報告。
「酒井久嗣について調べたんだけど、彼の親父は県教育委員会の関係者らしいの」
留美が酒井の父親について説明する。
「酒井裕久って、まさかと思ったんだけど」
「どういうこと?」
「前の知事の時代に教育委員になってるの。元は仙台の人なの」
「ふぅん」
「あと、その当時酒井裕久とつながってた人を見つけたわ。増田、よろしく」
みうが酒井とつながりのあった人物の写真を見せた。それは石黒だった。
「元県職員の石黒元之さん。暴力団との賄賂で首になってるのよ」
「暴力団?じゃあ」
「中田たちは暴力団に」
「そして、それを誰かがちくろうとした。だから井上俊也は見せしめのために中田たちに消された…」
「そうとしか考えられないわ。中田と酒井は間違いなく仲間よ」
それを聞いたみうはあることを思い出した。
「じゃあ、酒井久嗣に会ってみるわ。あたしこう見えても先輩だし」
みうは一人で酒井久嗣に会うことにした。

みうは大通りの裏道で久嗣が現れるのを待つ。
「ここで待っていれば、きっと来るはずよ」
案の定、酒井久嗣ら4人がどこかのビルに入るのをみうは見届けた。
「よしっ」
みうは久嗣たちの後を追いかけた。
久嗣は何と空き部屋に入った。
「親父」
そこには酒井裕久がいた。さらに若いチンピラ風の男が酒井の隣に座っていた。
「息子さんですか」
「ええ、ちょっと厳しくしすぎたせいでこんなになってますが」
久嗣が若い男に声をかける。
「はじめまして。いつも親父が世話になってるようで」
「あ、どうぞ」
「紹介しよう。仙台の神仙会幹部の今岡義彰さんだ」
今岡が久嗣たちに挨拶した。
「さっきの息子さんだね?」
「はい」
「田中さんにはお頭へ話をつけると言ってたんだ。まぁひとつ」
今岡は久嗣と握手した。
「神仙会?それに田中さんって」
みうはその模様を見ていた。

突然店の中で物音がした。
「何だ?」
久嗣は子分たちに付近の捜索を命じた。
「誰かいるぞ」
そして久嗣がみうを見てしまう。
「…増田」
そして久嗣は子分たちを止めた。
「おい、あの娘だ」
「久嗣」
今岡がみうに近づいた。
「お前、何を聞いていた」
「…全部聞きましたよ」
それを聞いた久嗣は驚いた。
「増田、お前何知ってるんだよ」
「井上俊也君の事件に関与してるんじゃないかって、心配したのよ」
それを聞いた久嗣は今岡にお願いする。
「田中さんのアジトへ案内できませんか?」
「よぉし、行きますか。上物も手に入りましたし」
今岡はサングラスをかけ、ビルを出てワゴンに乗った。

今岡の運転するワゴンは、滝沢村の柳沢に向かった。
「こんなところまで行くのかよ」
「ああ、田中さんは普段は隠れていますからね」
今岡が久嗣たちとみうを連れ込んだのは、何とサイロだった。
みうが目を覚ますと、みうは縛られていた。
「何するのよ!」
みうは泣き叫ぶ。それを今岡たちが攻める。
「いや、いやっ」
「さぁ、誰だ。誰に頼まれた」
そうしているうちに、田中時雄がやってきた。
「どうした。騒々しいぞ」
今岡が田中に説教された。
「岩手じゃ仙台の流儀は通用しない。よく見てろ」
そう言って田中はみうを痛めつけた。
「やめてぇ」
「おい、酒井さんのボンボンよ」
久嗣たちは田中を見た。
「親父さんが連れ込んだ裏切り者はどうしてる」
「それは…」
久嗣が説明できないので、今岡が代弁する。
「真野とか言う石桜学園の生徒は、大通りのビルに幽閉させてます」
それを聞いた田中は、久嗣たちに命令。
「じゃあ酒井のお坊ちゃん、大通りへお帰りください」
「…」
久嗣たちは盛岡へ引き返す。

田中はみうに声をかけた。
「さぁ、そこの女子校生ちゃん」
みうは必死に抵抗する。
「高校生を物のように扱って、何よ」
それを聞いた田中は笑った。
「物のように扱って何が悪い。そう、君たちは物だ」
それを聞いたみうは怒りの表情。
「物ってどういうことよ」
「われら盛岡裏四天王に逆らうとどうなるか…」
田中はのこぎりを右手に持ち、みうに迫る。みうは汗を流していた。