夜8時頃、我が家に向かって車を走らせておりますと、
前方に数台の車が止まっていて、何人かのおじさん方が話をしている。


これは・・・「ハブ」捕りだぁ


この「ハブ」捕り、まあ奄美大島では(徳之島でもらしいです)一種の名物になっています。

まあ、簡単に言うと、「ハブを捕まえて、役場に持っていって、お金をいただく」という、おじさん方のお小遣い稼ぎです。

「ハブ」一匹、¥4000円(昔はもっと高かったらしいです)


安いのか高いのか、素人の私にはわかりません。

でも、山に入ってわざわざ探す人もいるくらいだから、それなりの稼ぎになるのかもしれません。高校生がアルバイト代わりに探していたという話も・・・


かまれると当然死にますから、命がけと言えば命がけです。


で、「ハブ」も餌を求めて移動しますので、時々道路を横切る「ハブ」もいるわけです。
その「ハブ」を通りがかった人たちで捕まえる「ハブ捕り」です。


結構みんな、「ハブ」を捕まえる棒と「ハブ」を入れておく袋をちゃんと車のトランクに積んでいる。
ちゃんと積んでいる人は、「捕まえる気」があるということです。


奄美大島に着たばかりの時言われました。
「捕まえる自信があれば、捕まえるのもいい」
「でも、捕まえる自信がなければ、無理をするな。その時は車で轢け」と


で、今回おじさん方のなかに知り合いを発見、現場を少し過ぎて車から降りて近づいてみます。

すると、おじさん方が怒っている。

なんでも道を渡っている「ハブ」を見つけて、挟み撃ちにして、道の真ん中に釘付けにして、「さあ、これから」というときに若い女性の車が「ハブ」を轢いていったんだそうな。

「今の若いモンは礼儀を知らん」と、一番年齢のいってそうな見知らぬおじさんが怒っています。


たしかに、今までに3回ほど現場を見かけましたが、みんな車を止めて成り行きを見ていたと思う。私もそれにならえで見てました。
(ある時は、バスの運転手さんまで降りてきて指示してた。当然バスにお客さんも乗っていた)


で、「ハブは?」とみると、道の真ん中に結構太い「ハブ」がピクピクしている。


死んだ「ハブ」は買い取ってくれないのでみんな手を出しません。
「久しぶりに大きかったのになぁ」「1mはあるなあ」とは、私の知り合いのおじさんの言葉


すると、「このサイズもいなくなった」とか「卵を産む場所も山の中に入った」とか「山の中に入って10匹ぐらい捕ったこともある」とか「雨上がりに多い」とか
「ハブ捕り」に関するいろいろな思い出話を聞くことに・・・


一番おもしろかったのは、見知らぬおじさんが若い(中学生頃だと思う)頃の話

山で遊んでいたらハブの卵を見つけた若い頃のおじさん、卵をズボンのポケットに入れて持って帰ろうとしたとか、

すると途中でポケットがゴソゴソする。どうも卵からかえったらしい。あわててポケットに手を入れて「赤ちゃんはハブ」を引っ張り出したらしい。
その時、牙が右手をかすったらしくて、右腕が一週間腫れ上がったそうな


「ハブ」は赤ちゃんでも、同じぐらいの毒を持っているそうです。(卵のなかにいても、毒を持っているのだとか)


そのあとは、おじさん方の自慢話大会と情報交換会、あそこが多いとか、あそこはどうだろうか、とか
話が長くなりそうだったので途中で逃げました。


久しぶりに出会った「ハブ捕り」

私はこれで4回目、4年回で4回目、これでも結構出会っている方です。
出会わない人は本当に出会いません。うちのおくさんはまだ一度も野生の「ハブ」を見たことがないはず。


奄美大島にお越しの際は、ガードレールに立てかけられた棒に注目
ガードレールに棒が立てかけられているところは、「結構出るよ」というところです。


運が良ければ? 運が悪ければ?
「ハブ」を見ることが出来るかもしれませんね。