諦めずに「終章」まで読んで意外に感動した。

こういうのホラー小説っていうのかな。スプラッターな部分もかなりあって、死者が蘇って、さらにその蘇った人が次の生贄を探す。町の偉人と殺人鬼が実はこの「蘇り」の人だったという奇想天外な話ではあるが、その原因を郷土史家の書籍から徐々に解き明かしていく風采のあがらない主人公。霊が見える妹。喪失感を共有する高校からの女友達、町おこしのコンサルタントとしてやってきた同じく高校の卒業生など、登場人物はそう多くなく読みやすかった。

いかにもあり得ない話なので逆に安心して読めたがちょっとシンドイところもあり。でもラストがハッピーでそれまでのドンヨリ・モヤモヤが一気に晴れ上がる。

★★★☆☆

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動く屍体、加速する殺戮、そして涙……。
これが、青春ホラーミステリの王道
閉塞感に満ちた田舎町で、大学進学の夢を諦め、父の葬儀社を継いだ遼一。
ある日彼は、遺体が棺から起き上がり、他の遺体をむさぼり喰らうのを目にする。
「死者がよみがえる葬儀社」の噂のせいで客足は激減し、遼一は調査に乗りだすことに。
一方、遼一の妹で高校生の佐紀には、ある秘密があった。それは、霊が見えるということ。
遼一に理解してもらえず、学校でも孤立している佐紀だが、ふと町の変化に気づく。
佐紀は偶然出会った、同じく霊が見える颯太と共に、理由を探り始めるが・・・・・・。