2週間かかった!行方不明になっていた女性の死。薬で逃避しようとしていた、男の記憶の中にひそんでいた魔物。ってところで「薬」や「夢」がちょっとわかりにくくてその部分を読み飛ばしても全く平気だった。筋は生まれ育った寒村で起こる不可解な出来事と次第に明らかになる過去の真実。狭いムラ社会の中の、息苦しさと圧迫感、愛する者のため、誰もが少しずつ思い違いをし、連鎖してゆく哀しい罪。という感じで、方言の部分は、読み辛かったけど、中盤からラストにかけての、伏線の回収は見事で、読み応えたっぷりのミステリーでしたが、犯人は君だ!的なノリは期待しないで、だいたいアイツが絡んでいるんだろうなぁというのはきっと読者誰しもが思うに違いない筋立て。 リアリティにはちょっと欠けるけど「昭和の田舎」が堪能できる。
★★★★☆
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真実は「悪夢」の中に隠されている――。幻惑の極致が待ち受ける道尾ミステリーの頂点! あの女が、私の眼前で死んだ。かつて父親が犯した殺人に関わり、行方不明だった女が、今になってなぜ……真相を求めて信州の寒村を訪ねた私を次々に襲う異様な出来事。はたして、誰が誰を殺したのか? 薬物、写真、昆虫、地下水路など多彩な道具立てを駆使したトリックで驚愕の世界に誘う、待望の書下ろし超本格ミステリー!