これも1週間の通勤時間で読了。暑い夏にはホラーだよねというわけで読んだが“衝撃的な結末”があるのだけれど、なんとなくうっすら感じていたようなことだった。「現代への警鐘」とは何を指すのか。過去の人の死の真相は。塔の男は誰なのか。実験、とはいったい何なのか?などなど考えるのは楽しいしが答えは無く、もやもや感満載。新次郎が父親かよ!

★★☆☆☆

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“新潟市一家溶解事件”そして謎めいた“手記”―。大学を卒業して十三年後、交流が途絶えていた友人・茅原恭仁からの招待を受けた「私」は、山間の別荘地にある彼の自宅を訪ねる。恭仁はその洋館で夜な夜な何かの研究に没頭しており、彼とともに暮らしている妹の睦美は、別人のようにかつての快活さを失っていた。恭仁の研究とは何なのか。招待の目的は何か。「私」はこの奇妙な兄妹の謎にからめとられてゆく。織田作之助賞受賞で初戴冠の著者による、奇妙極まる怪異譚にして恋愛譚。