これは衝撃的だ。おっそろしく暴力的だが魅了されてしまった。
ほんとに加害者に甘い日本社会だとは思うけど、復讐するにはとてつもないエネルギーと時間が必要で、さらに一人では難しい。それを可能にしたのがこの小説。しかも中学生という設定。
櫂と文稀が最後は和解するのかという甘い期待もすかされて、文稀が回復するのかどうか怪しいラストが待っていて、うまいなぁと感心してしまった。
現実にはとても難しい「いじめ」に対する復讐劇。ある意味スカッとするところあり。恐る恐るですが「お薦め」です。
★★★★☆
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中学3年生の緒方櫂は、従兄妹の未来を奪った加害者に復讐を誓った。自分の左目は見た者を石にする“邪眼”だと称する高橋文稀は、15歳の誕生日に自殺する計画を立てた。夜の公園で出逢った二人は、文稀が死ぬまでの間、櫂の復讐に協力する契約を結ぶ。予行演習として、少年法に守られ罰せられない犯罪者たちを一人ずつ襲っていくが、彼らの制裁は次第にエスカレートしていき―。復讐の意味を問いかける衝撃作。
セカイが