8歳の時、女の子として育ったドミニカ共和国のフェリシタさん23歳。今は立派な青年だ。

身体の性が変わる!ことが起こっている。他にも男から女、女から男になった人が数百人いるという。

にわかには信じられないこの現象も細胞単位に起きている。

私たちの身体をつくる60兆の細胞は、ある時期に一斉に「変身」する。

それは思春期だ。その変化を経て私たちは「成長する個体」から「生殖できる個体」へと変貌を遂げる。

では、細胞たちはどのようにしてこうした一斉の変化を実現しているのか。

カギを握っているのが、内分泌細胞と呼ばれる細胞が出す“魔法の薬”ともいうべき、ホルモンだ。

内分泌細胞が血液に送り込んだホルモンが全身をめぐり、受容体をもつ細胞を次々と変化させていくのだ。
最新研究からは、そうしたホルモンが脳に作用し、私たちの心を操っている事実も浮かび上がってきた。

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野田・山中「同じ村にこのようなことが起きるのはビックリだ。」

思春期前は男女の体つきに大きな差は無い。

しかし思春期を過ぎると少年少女がオトナの男性と女性に変身を遂げる。

4歳から40歳まで同じ女性のプロポーションを撮影してきた下着メーカーからの資料。ここでも思春期で大きく変わるのが見て取れる。

この変身を司るのが内分泌細胞。それが出すホルモンが身体にめぐると大きく変化する。

脳下垂体の視床下部にあるgnrh細胞がその細胞でホルモン顆粒が膜に包まれている。これが思春期になると放出され、血流に乗って脳を出ていく。

目指す先は卵巣。ここで排卵が始まる。女性ホルモンが卵包細胞がを排出させ、体中のあちこちの細胞を目覚めさせる。

乳腺細胞もこれによって目覚め、スイッチが入り脂肪細胞を増殖させて胸が豊かに膨らむ。

さらに骨盤細胞が動き出し、胎児を維持する大きさに広がる。

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直木賞作家の角田光代さんとタレントの松嶋尚美さんもゲストとして登場。

角田「精神的に鬱々とした時期があった。」

松嶋「おっぱいが小さいとかお尻が小さいとか気になった。」

そもそも性別は染色体によって決まる。遺伝子だ。

サイナス村の場合、細胞が性ホルモンを出すことによって性が変わったようになった。この村は隔絶されて近親婚が多いことから発生率が高いという。

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そもそも思春期があるのは人間の特徴。その理由は「脳」の発育戦略にある。

脳が完成してから、子孫を増やす能力を作り出すようになった。

人間ならではの長いスパンの成長だ。

思春期の後に、もうひとつ変身するのが「出産」だ。

脳の視床下部にあるオキシトシン細胞が、オキシトシンという細胞を全身に向けて出す。オキシトシン細胞の働きは子宮を収縮させること。

これが陣痛となり、赤ちゃんを少しずつこの世に送り出す。

さらにオキシトシンはこの後に本領を発揮する。陣痛1時間後にもオキシトシンを出す。その理由は?

ドイツの研究所で新たな発見があった。オキシトシン細胞の集まりが陣痛を引き起こす方向と、脳の方向に向かっていた。

平原ハタネズミは一夫一婦制度のネズミ。愛着行動が特徴のネズミだ。

脳の受容体があり、他者との親密な関係を作り出す役割をしていることがわかった。ヘントウ体の警戒心を解く役割と、快感物質を出す役割。

これによって「愛情」を深めることになり、母と子の愛情が深くつながる。

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オキシトシンは男性にもあって、ちゃんと出るらしい。

角田「でも心も細胞が作り出すって違和感がある。」

オキシトシン細胞は、母親だけでなく父親も親戚の人も出るようにできている。

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ポール・ザック博士。細胞をコントロールできるのではないかと考えている。

スカイダイビングをしながら、他人に命を預けた時のオキシトシン細胞の出方を研究。このときはインストラクターに命を預けたことによっていつもの200倍も出た。

KISSもオキシトシン細胞を増やす行為だ。女性のほうが普通の200%も出た。

他の人とdanceをすることも平均で20%増加した。

人間は自らなりたい人間になれるという。’努力は裏切らない’のだ。

ザック博士からのメッセージ・・・相手とふれあい、相手と見つめあうだけでも高めることができる。

角田「さっき感じた違和感が無くなってきた。」

松嶋「自分の身体がいとおしく感じた。」

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その特性に注目して自閉症治療に活かそうとする臨床試験もはじまっている。
自閉症の佐藤太郎さん、人と上手く話せず、他人の好意もうまく理解できない。

そんな患者さんにオキシトシンを投与することによって改善されるのではにかという。臨床試験ではオキシトシンスプレーが使用され、脳に変わって刺激を与える。鼻から吸い込む。

太郎さんは3日くらい投与してから、発言するようになり、今は一人暮らしをしようと考えて、未来のことが考えられるようになったという。

山中「私達の意志が細胞に乗り移る。」

オキシトシン細胞は、乳腺細胞にも関与して、お乳の吸い方が弱いとそれなりに対応する。

またホルモンは年齢を重ねると分泌が劣れるが、オキシトシンは衰えないという。

いくつになっても絆を築くことができる。

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↓男の子を出産したワカコさん。

ミクロ②