大震災・橋本大阪市長・巨人軍お家騒動などがあった2011年。

未曾有の被害をもたらした東日本大震災と福島原発事故。ここで問われたのが政治のリーダーシップと組織のありかた。非常時の際に力を発揮できなかった日本のリーダー。
そして、リーダーシップの欠如は政治だけにはとどまらない。ビジネスの世界でも大王製紙、オリンパスなど名だたる一流企業のトップが手を染める不祥事が明るみになった。
危機の時代のリーダーとはいかにあるべきか?

カリスマリーダーの出井さん、と経済産業省の古賀さんが登場。

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①経営トップの品格

・創業家三代目の大王製紙社長のギャンブルへの使い込み165億円

・オリンパスの損失隠し、調査報告書によると経営トップが行ったと厳しく指摘

出井「2つは違う。大王製紙は御曹司がアホ。オリンパスは’お家のため’という経営者の根性」

龍さん「アングロサクソンのことをわかっていないのどかな人たちだなと」

・巨人軍お家騒動(ナベツネVS.清武、法廷闘争へ)

出井「読売からみれば3段も5段も下の話。」

龍さん「こういうのを喜びのが日本人に多い。」

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②愛と幻想の“モノづくり〟 モノづくり国家ニッポンは幻想に過ぎない

アップルの創業者スティーブ・ジョブズ氏が今年10月死去した。ジョブズ氏は常に新しい価値観を世の中に出してきた。モノづくりの新しいあり方を示したジョブズ氏に対し、モノづくり国家を標榜してきた日本は今なすべきことも分からず立ちすくんでいる。そもそも日本がモノづくりに強いというのは幻想だったのではないか・・。

・スティーブ・ジョブスの功績

龍さん「ある機能とある機能の組み合わせだと思う。」

出井さんは1994年にソニー社長に就任した、ヒット商品も生んだが、ソニーショックも経験した10年だった。

出井「正直悔しいですよ。ソニーとアップルは何回か話し合ったが連携に踏み込むことができなかった。でも今でも遅くないと思っている。」

龍さん「成功体験があると脱却が難しい。」

日本のモノづくりは一時、大きな存在感を持っていたが、今は自動車では現代自動車が5位に躍進、テレビなどではサムスンやLGというこれも韓国メーカーが1位と2位だ。

日本のモノづくりに未来はあるのか?

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モノづくりという単語検索は2010年に急激に増えた。

龍さん「それが危機感の表れではないか。」

出井「今まで主要だった産業が、みんなピンチになる。ベンツのように5倍高くても売れるようなモノを作るようにしないと、日本は要らないものを作る国になっているのではないか。」

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③リーダーの条件・・・リーダーがいない国

東日本大震災、当時の菅総理はリーダー失格の烙印を押された。

8月30日に内閣総辞職に追い込まれた。

野田総理になっても、官僚むきの汗をかいている。

小池「有能なリーダーはどこにいるんですか?」

古賀「小泉さんですかね。」

古賀「責任をとる覚悟があるかどうかですね。野田さんは何をやりたいのか覚悟が見えてこない。」

龍さん「ガバナンスはもともとギリシャ語で’舵を取る’という意味。震災時の菅さんはどうだったんですか、どれだけ悲劇だったんですかね。」

古賀「原発に行くとか、もしもそこで何かあったらどうなるのか」

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④「独裁者」橋本氏、人気のワケ

大阪市長に鞍替えした橋本氏、人々は強いリーダーシップを求めている。

国政のリーダーが橋本詣でをしている。

出井「対象が明確で、自分の言葉で話している。」

古賀「記者会見を何時間でもやる。」「今のリーダーに求められるのは説得力だと思う。」

龍さん「日本人は新しモン好きだから。日本人全体が変化を求めている。よほどのバカじゃない限り日本は衰退しているのがわかっているから、何か新しいもの、何かやってくれそうなものに期待している。でもそれが曖昧な期待であるけど。政治家にはあいまいな期待をするべきではないと思う。そろそろ期日とかハッキリさせるべき。」

出井「自民も民主も日本も任せるだけのビジョンが無い。」

古賀「今あるプールの水をじゃぶじゃぶ汲み上げているだけで、資源は無くなっていっている。」

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⑤官僚は本当に「悪」なのか

古賀「官僚だからということはなく、普通にいろんなヒトがいる。もちろん試験を通ったヒトなので、水も漏らさぬ理論を作ってきたりするけど、今はそういう人材が必要ではない。役所のために働くと評価される。国民のために働くという風ではない。そのように育てられてしまう。」

古賀「ひとつひとつの課が、天下り先までセットになっている。」

龍さん「課ごとに法律がついているんだよと言われたことがある。」

古賀「課長の仕事は誰がどこの天下り先に行くかを振り分けること。」

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⑥バブル崩壊後、たそがれる日本

生活保護受給者は205万人と過去最多。日本はどうなる。

龍さん「高度成長以後、失われたものは、’一体感’ではないか。今求められるのは個々の努力だと思う。」

出井「災害があっても、名古屋なんかは何もしないわけだから、何かしないといけない。第2の東京を作るとかしないとね。」

古賀「医療についても’内’に対して開いていく。内部開国をしないと。」

若い世代に希望は?

龍さん「おじさんの意見を聞かないこと。」

古賀「破綻するか大きな変化をつけて生き延びるか。大きな変化がある。」

古賀「大阪は60%という投票率を実現したのが若い人たち。いろんな形で参加できる。」

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現場は優秀、トップは無能、戦時から変わっていない。

政治家には期待でなく監視。