すごい!これはすごいです。この作家の「罪火」を読んで、次が待ち遠しかったが、さらに進化している。司法の世界を舞台にして、これほどのミステリーが書けるなんて本当に凄いと思う。正木響子があっさりと殺害された時点で怪しいと思ったTが犯人ではなかったのも見事だけど、最後の最後まで1000万円の謎が持ち越されているのも「参りました」と脱帽です。★★★★★、満点です。

広島が舞台でマツダスタジアムなんかも重要な場所になっています。広島地方の方には場所もリアルにイメージできて、さらに面白みが増すかも。

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広島で起きた殺人事件。被告人は判決で無罪となった。だが14年後、末期がんに冒された元被告は告白した。犯人は自分であると…。その直後、事件を担当した裁判長・末永が殺された。嫌疑をかけられたのは被害者の息子・吉岡拓実。拓実は本当に事件を起こしてしまったのか。裁判に関わった二人の判事・正木響子と穂積直行、そして拓実の恋人・高遠乃愛は、二つの事件に隠された驚愕の真相に翻弄されてゆく―。司法格差の闇を鋭く抉った衝撃の問題作、戦慄のラスト。


50代オヤジの独言-確信犯