横浜市、昼下がりのコンビニに遅いお昼を買い求めに来たサラリーマンがついで買いするチロルチョコ。今やコンビニの定番になり、240種類もが製造されてきた。包装紙を収集するチロリストは日本全国に300人もいるという。

1962年、当時高級品のチョコを10円で販売した。コンビニやスーパーに置かれるチロルチョコ1個20円をこよなく愛するチロルチョコマニアたちがいる。毎年、年間20種類以上の新商品が発売され、「きなこもち」「黒糖プリン」種類の豊富さがチロルチョコの魅力。しかし80年代、主な販路だった駄菓子屋が廃れたとき、大きな転機を迎えた。コンビニへの移行を推進したのが佐藤常務。8年前に大ヒットしたきなこもち以来のヒットは出ず、新たな戦略品は「ラーメンチョコ」、全国営業会議で試食会が開催された。塩辛さが売りだというが厳しい意見が多かった。唯一援護したのが佐藤常務。責任者の川口さんは、失敗にメゲズに再びチャレンジする。

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江口君、昭和の町の出かける。いろんな懐かしい商品が並んでいる。メンソレータムなどはパッケージが時代と共に変わっていくがブランドとして定着している。

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7月中旬、田町の森永乳業。営業常務の石井さんはコーヒーにクリープを入れる。

2011年、発売50周年を迎えるロングセラーの牛乳パウダー・「クリープ」。黄色と赤の目立つパッケージは誰もが思い浮かべられるが、今やスーパーの棚にひっそりと並んでいるだけ。「クリープ」といえば昭和40年代に俳優・芦田紳介が出演したCMの「クリープを入れないコーヒーなんて・・・」という流行語になったキャッチコピーが有名になり1961年から20年間森永を支えてきた。

しかし現在では、ブライト・マリームの後塵を拝して3位のシェア。5年間も広告をうっていない。

石井さんは小山田さんに、イノベーション的なものという要望をする。小山田さんは電通のCMプランナーだ。「クリープ」をどう革新的なものにしていくのか。まずは市場調査。観察を続けた店では1本も売れなかった。

現状では、ミルク入りのカフェラテなどが流行し、クリープは完全無風状態!だった。

小山田さんは’かわいい’イメージをクリープの’プ’に発見。バッハのメヌエットを鼻歌で歌って、海岸でイメージを固める。メモ替わりの携帯に思いついた言葉を入れていく。集中したいときは街をぶらつく。1時間後、15秒のコピーが出来上がった。早速発表する小山田さん。

石井常務にCM演出コンテを説明。自信満々の小山田さんに石井さんは任せることにした。女優の菅野美穂さんを起用し撮影が始まった。ちょっと寒い日の温まるコーヒーというイメージ。撮影にかかった時間は6時間。「完璧!」と小山田さんが評した。

撮影から2週間後、完成したCMを石井常務に見てもらう。「コーヒーがおいしそうに見えるからいいかなと。ラテアートが出来るとお客さんにわかってももらえるから。」と合格点。

CM放送まで10日と迫った日、販売促進が計画の半分に満たない状況に石井常務も「何のために広告を打つんだ、無駄になるよ。」と檄を飛ばす。

東京青山ではクリープを使った料理を提案。CMをうった後のCM認知度は75%。50%を超えれば成功という中、認知度は高かった。これからが営業の本番だ。

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江口君、ベビースターラーメンの商品数を並べる。さらにヤクルトミルミルは一度撤退したが復活した。ターゲットを変更したのが成功した。シーブリーズも同様に男性用を女性用に変更して売り上げを飛躍的にアップさせた。と説明。そしてバスクリン。

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オレンジ色の粉を入れれば、たちまちお湯がグリーンに!入浴剤といえば誰もが思い浮かべる「バスクリン」。昭和5年に漢方薬大手の津村順天堂が発売して以来、80年の歴史を誇るロングセラーブランドだ。昭和の時代、家族の団らんの場としてのお風呂を影で支え続けたバスクリンだが、一時はブランド存続の危機があった。背景には、若い世代のお風呂離れという問題が。忙しい日常や、ユニットバスという住環境により、湯船に入らずシャワーで済ます若者が増えているのだ。入浴剤の需要が減り、ツムラは漢方薬事業にシフト。このままではバスクリンブランドが立ち行かないと、バスクリンに投資したいというファンドの支援もあって古賀社長など経営陣による自社買収で独立し、ブランドは守られたのだ。
ツムラから独立したツムラライフサイエンスは、今年9月、社名をズバリ、バスクリンに変更した。

競合商品も一気に増えて、花王に首位を奪われたままだ。

この日は戦略会議。独立後も売り上げが伸びてはおらずに、営業の高木さんは、銭湯に通いつめて、お風呂に来る人が銭湯にくる理由などを聞く。まさに裸一貫からの出直しだ。

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シェア1位奪還のための旗艦商品は「日本の名湯」シリーズのテコ入れだ。

温泉地との共同企画商品だ。長野県の野沢温泉村に出かけた高木さん。

この野沢菜発祥の地で、製剤担当の村松司さん、調香担当の庄司さんとともに温泉の調査。帰ってからはつくば市の研究所で試作品を作る。分析結果をもとに配分を変えて、試作する。香り担当の庄司さんも早速試作開始。

協力して出来上がった製品を社長がそのバスタブに入る。古賀社長は「色をつける手は無い?」と質問。乳白色だけではインパクトが薄いという。

再び野沢温泉村に出かけた高木さん。試作品を野沢組という代々の温泉を守る組織の長に認可を求めるが、色もイオウの香りもNG。再度作り直しになる。色は野沢菜からイメージしたグリーンにすることは決まったが、質などは一からやり直す。

1月6日、バスクリンの高木崇さんは再び野沢温泉村に向かい、野沢組代表に色と香りを再び問う。今度はOKが出た。

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江口君・・・定番商品に安心感を求めるが、ブランドは努力あってこそ。