生きた細胞で病を治す。貼るだけで治療できる魔法の絆創膏
未来の医療のカタチを変える。人の細胞から作る「細胞シート」は医療の世界を変えるといわれる。
未来が見え医療現場で目にしたのは不思議な世界。
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東京女子医科大学食道がんを内視鏡で見て手術する現場、そこで使われている「細胞シート」を発明したのが大和先生。
自分の細胞を培養して作る「細胞シート」は手術したあとの傷口を治療する。
先生は「細胞生物学者」、毎日顕微鏡で細胞を見ている。「元気なもの」「いけてないもの」を見分けるのだという。
「細胞シート」は上皮を取って培養する。養分・温度の条件が揃えば、増殖を繰り返すという。培養液を取り替えて2週間も経過すると「細胞シート」が完成する。
大和先生「全身を研究対象にしている。」
大和先生はMITやハーバード大学でも講義するなど引っ張りだこ。
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さらなる進化を遂げていた。
将来的には臓器を作りたいという。心臓から採取した細胞から「細胞シート」を作るとピクピク動く。
他の細胞を混ぜながら、様々な細胞シートを重ねると、層が重なり臓器が作れるのではないかという発想で研究が進んでいる。
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引っ張りだこの大和教授、ようやく夜に研究室に戻ると、世界から照会の文書やメールが届いていた。それを全て片付けて帰るのは深夜だ。
教授は少年のときから生き物に興味を持っていて、東京大学に入る。
13年前に「細胞シート」の研究に就くことになり転機が訪れた。
しかし当時は1mmのシートを作るのがやっと。培養液の濃度など、いろんな条件をテストしていって、気がつくと5年たっていた。
そんなある日、偶然ひとつの方法を思いつく。2重底の培養皿だ。下からも培養液を付けるもので、ようやく事前の3倍の厚みのある細胞シートが出来た。
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その後、全国の医師たちと連携して、開発した技術をいち早く患者のもとに届けたい!という方針で、角膜疾患により角膜移植を必要とする患者に、角膜移植を細胞シートで行うことにした。
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最初に濁った角膜を取り除き、そこに細胞シートを貼り付けていく。手術を受けた患者は劇的に視力が回復した。
大和教授の目標は「誰でも手術が受けられること。」
まだこの方式が厚生労働省の認可が下りていないため、今は臨床データを集めている段階。
そこにフランスの細胞生物学者から欧州全体の角膜移植ステーションを作ろうという計画が持ち上がった。フランスのリヨンをセンターにして、欧州各国に細胞シートを提供しようというもの。
大和教授はロンドンに向かい、実現に向かい会議。2年後に開始する目標を確認した。
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難病を克服したいという夢はまだ始まったばかりだ。