岩手県大船渡港、三陸有数の港だ。最盛期を迎えたサンマ。買い付けにきたのは山岸冷蔵さん。生サンマをダンボールにつめる。壊れないのだという。耐水性の段ボールで曲げることもできる。1日6千個も使用する。回収も可能だし場所もとらない。今夜は段ボールの話だ。

段ボールの強さ→1.2tの重さに耐えられる。

落下テストでも緩衝材として十分。

環境にもいい。

売上げ4600億円の段ボール製造メーカーが「レンゴー」

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段ボールは40%が加工食品に利用される。

大坪「缶ビールは段ボールが無いとこれだけポピュラーにならなかったでしょうね。」

1人あたり年間100個は使っている計算で、2010東京ビックサイトでパッケージの展示会があった、20カ国から500社が参加。

そのなかで最大手がレンゴー28%のシェアで王子製紙を凌ぐ。

レンゴーのブースには多くの会社が訪問していた。六角形のダンボールはすぐに陳列できる。大坪社長お薦めのダンボールは大好評だった。

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製造現場は福島県矢吹町にあり、太陽光発電で電力を賄い、とてつもない広い工場だ。段ボール製造機は全長100m。

軽くてコンパクト、単価も安い。全国25箇所に工場があり、輸送コストをおさえている。

イチゴのパック用段ボールは浮くようになっている。

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段ボール製造機1号は、ボール紙に段々をつけたものだった。やがて表裏に厚紙を貼ったものになり、レンゴーも伸びて、流通に欠かせないものとなった。

「緩衝材の巧」森脇さん、これまでは発砲スチロールが利用されてきたが、年間1000個以上も段ボールになってきたという。頭に100から150種類のダンボール緩衝材構図が入っている。カメラの緩衝材を依頼するが、すぐに出来上がった。落下テストで90cm上から落とす。50万円以上するカメラは無事だった。

創業100年で、従業員は1万1千人。不況下で6年連続増収増益だ。

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スタジオにワイン瓶用の段ボールが持ち込まれて、小池が持ち上げて落とす。底の部分はつぶれるが中の瓶は無事。緩衝材は広げると1枚の段ボール紙になる。「遊びの心が必要。」と大坪社長。’柔らか頭’が必要らしい。

Aフルートは一般的な段ボールだが、Cフルートは薄くて強度も同じ。何故か特許は取っていないという。段ボールという商標も取っていないらしい。

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千葉の八千代、スーパーにある缶ビールの段ボール、各メーカーごとに異なっている。それぞれのメーカーが工夫している。段ボール山積みは「お徳感」があって売れるという。レンゴーはフィルム・パッケージ事業も売り上げ20%を占める。セブンイレブンのおにぎり包装パッケージもレンゴー製品だ。ほかにもサンドイッチなどこの事業の売り上げも伸びている。

都内のデザインを担当する部署。栗山米菓の「ばかうけ」のデザインを依頼された。

栗山の東京本社を訪問。新シリーズとして「大人のばかうけ」という商品コンセプトから提案。メーカー側にとって欠かせないパートナーとなっている。

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大坪「情報発信になるので、包装部門を強化している。」

大坪「デザインなどのアウトソウシングは考えていない。」

大坪「段ボールだけの会社は2000社くらいある。関係会社は100社を超えている。合併・吸収はいままで以上の生活ができることが条件」

派遣切りといわれる時代、レンゴーは派遣社員を正社員にした。その意図は?

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派遣契約打ち切りという時代に1000人を正社員にした。

その一人に会ってみる。製造部の伊藤さん、仕事は変わらないが、責任感も増したという。伊藤さん正社員になり自宅を新築。切られる心配が無くなった。年間5億円ほどの経費増加になるが、その分社員のモチベーションアップでペイするという。

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神戸大学卒業後、住友商事に入社、摂津製紙に派遣されて以来、ずっと紙業界に身を置いてきた。

マレーシア支店長になったとき、現地スタッフのやる気の無さの原因が、日本人スタッフとの差別だと気付き、本社にかけあって同じにした。それが効果を生みマレーシア支店は業績をトップレベルに上げた。

その手腕をかわれてレンゴーに派遣されたが、そこは組合が二つある複雑な労使だったが、それを区別はあっても差別はイカンと改革していった。

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龍さん「日本を覆う閉塞感は給料があがらないことあるのではないか。従業員の給料を上げたほうが景気もよくなるのでは。」

大坪「従業員の給与をセーブしてきて業績をあげてきた企業が多いが、給与をあげて生産性をあげる手法もあるのでは。」

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埼玉川口市のレンゴー東京、白沢さん、出産祝いをもらう。第三子以降の祝い金100万円。

これで当座の心配は消える。白沢さんは4人目、祝い金をもらった社員はのべ108人になる。

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編集後記・・・聨合紙器が前身、動機付けと効率化で生産性をあげた。大坪さんは社員に対する揺ぎ無い信頼がある。