技術大国日本。その象徴といえるのがロボット。現在、世界で最も多くのロボットを製造、そして利用している国が日本なのだ。
その中でも東京大学工学部の石川正俊教授は最先端のロボット研究を30年以上も続けている。これまでも、高速で画像を撮影し、高速で処理をするカメラを利用したバッティングロボやじゃんけんロボなど、人間には不可能な動きを可能にしてきた。

そして今、その技術を応用してブックフィリッピングフォルダというものを開発しています。それは250ページの本を1分間で取り込むことができるというもの、東大の図書館だけでも800万冊に及ぶ蔵書があり、それをデータ化するだけでも現在の通常の技術では30年から40年かかると言われているものをスピード化しようとしている。

1000分の1秒が見えるロボットがそれ。

先生はアイディアがぎっしり詰まったメモを開く

夢は与えられるものではなく、自ら描くもの

13年前からネットの動画サイトに研究成果を発表し、惜しげもなく世界に配信している。

クロノスプロジェクターは触った部分を時間を戻して修復する。これはアートの世界でも高い評価を受けた。

先生「新しいマーケットは世界に発信してこそできてくる。」

大手印刷会社からのオファーもきた。

印刷業界では今、大きな問題を抱えている。それは書籍のデータ化。そのためには膨大な出版物を1ページずつ読み取るしかない。3000万点あれば100年以上かかる。

このデジタル化作業を飛躍的にスピードアップできるのが先生の「動体視力ロボット」だ。

先生にとってもはじめての新しい分野への挑戦だった。

先月8月17日、大日本印刷から技術者がやってきた。

ブックフリッピングスキャニングという技術はページをペラペラめくるだけで、ページ1枚が一瞬で読み取れて、ゆがみも補正できる。

技術者の吉岡さんと、盛田さんも「想像を超えた技術」と感嘆の声。

2年後に実用化を目指す。

日産自動車からも訪問があった。障害物を感知し自働で止める方式は各社が競って開発しているが、先生の技術は安全なクルマ社会を変えるかも知れない可能性がある。

石川先生のMY GOAL「2020年世界が驚く高速の目を持ったロボットを20以上、実用化する」

先生は産学官連携の会議にも出席。産業界とのパイプ役も買って出ている。