薩長の会談が行われた件は、隠密から幕府側にもたらされた。
その後ろで手を引いていたのは坂本龍馬だということも知らされた。
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伏見の寺田屋、弥太郎と龍馬が部屋で話していた。弥太郎が土佐藩からの命令で薩摩藩を偵察するよういわれてきたことは龍馬も承知していた。そして「もう土佐に帰りな。」と促す。しかし弥太郎は応じない。そんな弥太郎に龍馬は「もう幕府の顔色を伺っている場合ではなくなる。」と語る。弥太郎は龍馬が何を企てているか知ろうと追求するが、龍馬がピストルを持っていることにたじろぐ。
龍馬は「新しい日本を作る。幕府はフランスに頼っているばかり、長州を征伐してもその後はフランスにいいようにされてしまう。そうさせないために動いている。」と明かす。そして薩長が手を組んだこと、誰が組ませたかということは関係ない。ただし薩長の契約を他人に話してはならないと釘を刺す。
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弥太郎は裏口から出る。登勢とお龍が見送る。
龍馬は三吉慎蔵と酒を酌み交わす。三吉はこの場をすぐに去ろうと提案するが、龍馬は木戸(桂)の依頼で手形の裏書きをするまでは、この場を離れないと宣言。三吉も龍馬に従い、龍馬を守ることを誓う。
登勢とお龍に長くは寺田屋にいないことを告げて、長崎に戻る予定であることを話す。そしてもう京には戻らない決心であることも。
それを聞いて、お龍は動揺する。お龍は感情を抑え切れなかった。
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大坂城では一橋慶喜が薩摩からの返事が無いことに苛立っていた。
京都守護職の松平容保も龍馬捕縛の号令をかけた。
幕府・薩摩藩・長州藩、世の中はギリギリのせめぎあいが行われていた。
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寺田屋ではお龍が入浴したところに、奉行所が大勢で乗り込んできた。寺田屋はすっかり取り囲まれたことを、お龍は告げにあがる。三吉とともに迎え撃つ準備をし、お龍に薩摩の屋敷に向かってこのことを告げるよう指令する。お龍は薩摩藩邸に急ぐ。
龍馬はピストルを抜き備える。奉行所との戦いが始まった。多勢に無勢であったが、龍馬らは何とか寺田屋から逃亡する。手に深手を負った龍馬。逃げ込んだ材木小屋で三吉に止血してもらうが、意識は薄れていった。
お龍は伏見の薩摩藩邸にたどり着き、龍馬を助けてくれるよう嘆願する。
小屋では追っ手が迫り、三吉は獅子奮迅の活躍で追っ手を食い止めていた。龍馬は屋根に逃げて、夜空を見上げるが、もう星も見えなくなっていた。木戸と西郷の名を口に出し、二人に詫びる。そしてお龍の名も。
西郷は龍馬を救え、龍馬を守れ!と号令。医師と藩士を向ける。
龍馬は屋根の上で、薩摩藩の捜す声を聞いていた。「ごめん兄上、ごめん父上・・・母上」と口にして意識を失う。
しばらくして三吉が坂本を発見。龍馬は覚醒しなかった。
(つづく)