新宿区のビアガーデン。今年の新入社員に対する評価は?

今年は「ゆとり教育」世代が社会人となった最初の年。

東神田の人材育成コンサル会社には、相談する会社が後を絶たない。

依頼は新入社員ではなく、中間管理職を指導して欲しいというものも多い。エキスパートナーズ代表の小野寺さんが講師となり、講義が始まる。中間管理職の上司役と部下役に分かれて、あいづちの打ちかた、や、声をかけるときの注意事項など、事細かに指導する。

今夜は「ゆとり教育世代」に対する教育を追う。

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江口君、有限会社「秋山木工」を訪問。昔ながらの’丁稚奉公’が基本ということで取材。

・全員丸坊主・携帯電話禁止

など、まるでお寺の修行僧のよう。女子も丸坊主に3回もしたという。

東京大学構内にあるバーラウンジは秋山木工の作品。

今年3月下旬、秋山木工に新入社員が並んだ。4年間丁稚というのが条件。6畳二間に先輩達と4人で暮らす。プラーバシーも無い。まず新人は朝ごはんの準備から!20人分の食事を作っていく。午前6時からはランニング。社長がシンガリを走る。ようやく朝食、仕事帰りは道路の掃除も行う。

秋山さんは自身が丁稚奉公で、そのときに教わったことが今も役立っていると丁稚方式を今も続ける。丁稚で4年、職人4年で8年たつと一人前。

この日は新人が初めて工具を扱う日、のこぎりなど握ったこともないものもいる。100点満点で3点だった伊藤奨君18歳は山形荘内出身。社長は実家にも訪問し確認している。

13日目には恒例の坊主頭にするためバリカンを入れられる。

2週間後に覚悟を決めたものは丸刈りにする。坊主頭になると丁稚が認められる。この日からさらに厳しい修行が始まる。

秋山木工は義務としてスケッチブックに教わったことや出来事を書いていく。

早朝3時、朝食作りの前にカンナを研ぐ。先輩達の手伝いなどやることは山ほどある。全てが終わった深夜に新人達の自習時間が始まる。

秋山木工は「技術五輪」で毎年上位に食い込む。今年も7月の神奈川県大会に出場する予定だ。

あの伊藤君も練習するが、初歩的な失敗を犯し、角を欠いてしまう。

6月で9人のうち二人が秋山木工を去っていった。

社長「悩みぬかないとホンモノにはなれない。」

4月、社長はスケッチブックを各人に返す。親元に送って進捗報告をするとともに、コメントを書いてもらっていたのだ。親のメッセージを読み涙ぐむ伊藤君。

これを境にやる気が出てきた伊藤君。課題はまだたくさんあるが、ひとつひとつクリアするしかない。

そして、ついに技能五輪の予選が始まった。

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江口君、会社に出社したが、社員は挨拶を返さない。「指示待ち社員」が多いという新聞記事を読む。母親から会社を休むという連絡があったり、メールで絵文字を使われたり。

丸紅本社の入社式があった。朝田社長は「人材育成」を掲げた。

東京フットウェア課の小田さんは新人の斎藤さんを2週間目で取引先に連れていく。営業先は靴メーカー、新人君は靴の持ち方からダメ出しされる。工場からあがったものの検品にも’違いがわからない’と悩む。

斎藤君は寮に入った。食事も洗濯もやってもらえる。

さて小田さんは、市場分析を斎藤君に依頼したが、ネットの検索資料だけ。自分で調べたり、自分で分析したりが出来ていない。手ごわい’ゆとり世代’だ。

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丸紅海外組にはベトナム出張を命じられた新人伊藤君がいる。海外電力プロジェクトチームの原田さんが指導する。

原田さんは伊藤君にホテルの洗濯から宿題にする。伊藤君は近くのホテル、1時間かかるホテルの2つを見て回る。あっさりと1時間半かかるホテルを決めるが、原田さんに報告すると1時間半は遠いと見直しを指示される。現場から1時間半は遠すぎる!と、伊藤君は翌日、目の色を変えて現場から近いホテルを捜しまわる。片っ端から飛び込んで設備などを聞いて回る。

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その頃、フットウェア課の斎藤さんは店頭の販売体験をしていた。

一足売ることを目標に声をかけるがなかなか売れない。8時間経過後、チャンスがやってきた。自分が履いている商品の色違いを勧めた。販売第1号となった。売るほうも買うほうも喜んだ。

オフィスに戻った斎藤さん、この4ヶ月間で仕事の面白さに気付き始めた。

自分で意欲を持って研究している。

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再び秋山木工。技術五輪に挑戦。不器用な伊藤君も参加。制限時間6時間で課題を製作する。途中の工具の扱いも採点対象となる。

伊藤君、制限時間ギリギリで仕上げるが意外な結果を生む。

8月お盆、山形県荘内市に伊藤君が里帰りしていた。なんと伊藤君3位に入賞したのだった。祖父母の前でカンナをあてる。成長した!と涙ぐむ祖父母。

秋山社長「どんな不器用だって、気持ちさえあれば一流プレーヤーになれる。」

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江口君「確かな道さえ教えれば、誰だって成長できる。」