いやぁ、面白かった!とにかく息をつかせぬ展開で、最後のちょっとしたどんでん返しまで一気に読んでしまった。ちょっと「永遠の仔」や「白夜行」に似た感じはあるけど、スピード感がすごい。新興宗教の怖い部分なども描いて、アフリカの惨状や経済の裏側も垣間見せる。なかなかにサービス精神満点だ。

メモとして残すのは340ページ「この善良で働き者の母親はいったい幾つの哀しみとか絶望を抱えてきたのだろう。」と406ページ「ひとりの人間が妄想にとりつかれると、それは精神異常と呼ばれる。しかし、多くの人間が妄想にとりつかれると、それは宗教とよばれる。」★★★★☆

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海辺の町に暮らす二人の少年。それぞれに、決して幸せとは言えない家庭の事情があった。その二人を救ってくれた男がいた。両親とともに入所した「理想郷」のはずが、父母とは離され地獄を彷徨う幼い兄妹。兄は命がけで妹を守った。「神」を見た二人の少年。地獄を見た幼い兄妹。17年後、彼らは真実を知る。


50代オヤジの独言-罪と罰の果てに