和歌山県田辺市。その山中で冷蔵庫に欠かせないあるものが製造されている。大きな窯の中で備長炭だ。普通の炭とは叩くと金属のような音がするので違いがわかる。黒炭の4倍する。炭の断面をみればさらに違いがわかる。そう冷蔵庫用脱臭炭に使用されるのだ。
今夜は「快適生活」に欠かせない、ニッチ市場でナンバー1のエステー社長75歳。世界消臭戦争勃発になかで3たび社長に就任した。
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なんと「歌うクジラ」をipadで読破したという。「新しいもの大好き」と語る。
CM製作の現場にカメラが入った。宣伝部長の鹿毛さん。話題のCMを作りヒットさせた。宣伝費をあまり使わないが、除湿剤で市場ナンバー1.38%の占有率だ。
防虫剤でナンバー1.インジケーター付がうけて47%。
脱臭剤でナンバー1.ヤシガラ活性炭が使われていたが、使用期間がわからない。目で確かめられるようにしたことで大ヒットした。
スタジオにエステーの商品が並ぶ。
社長「一晩寝ると’これかな!’というのが出てくる。」
「消臭力」はレスラーの「長州力」からヒントを得たというこぼれ話も。
社長「ネーミングこそ命だと思っている。」
社長が龍さんの本のタイトルを誉めて「後継者になってくれないか」とお世辞?
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東京の本社。社長は5階まで階段で上がる。
午前8時半朝礼開始。消臭芳香剤は小林製薬が42%でトップ。エステーは2番手だが、P&Gなどグローバル企業が追い上げている。
8月はこの分野で勝負を仕掛けると、社員に発破をかける。
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エステーはスーパートップの頭文字。父が始めた会社で、トイレ用の消臭剤を、室内用にした「エアー・シャルダン」が大ヒット。その頃鈴木は日本生命でセールスマンをしていた。年間2兆円も販売したトップセールスマンだった。51歳でエステーに入社、56歳で役員に就任。
現地法人の会長と社長を即刻解雇し、自ら社長になったが、結局は会社を売って日本に帰った。日本はバブル崩壊で、エステーも踊らされた。危機感の無い会社を危ぶんだ鈴木は兄に直談判し「社長」就任。「俺の目に叶わないやつは叩き殺してやる。」という過激発言の就任演説が出る。
鈴木は在庫の山を見て、売れない商品を製造中止にし、新製品は1種類だけに絞った。そのひとつが「消臭ポット」、それまでヒット商品の無い鈴木が大勝負を打って出た。
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1999年、社運をかけた「消臭ポット」、鈴木は社員の前で「枕元に女神が現れてポットが会社を救ってくれる。といった。」と発言。これがヒットして本当になった。
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エステーではユーザのお宅を訪問し、社長も一緒にいく。ユーザにニーズを聞く。
次はスーパーに立ち寄り、何故か食料品売り場に向かう。スーパーにはヒントがたくさんあるという。もちろん自社製品のところにも立ち寄る。物が売れない時代に顧客は何を求めているか?、直接社長が顧客に聞く。
社長「成熟産業だからダメだとかは言い逃れですよ。不況だから売れないというのも言い逃れですよ。」
社長「趣味なのでスーパーには立ち寄ります。精神衛生上良くないので、必ず見かけたら立ち寄る。」
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創業家の4男。社長に3回復活した。女神の件は「理論闘争していたら勝てないので、奇想天外なオジサンのほうがインパクトがあって、浸透する。」
「(売れる)確信は無かった。いつも勝つと思っているが、負けたら、また一からやればいい。ビジネスは命までは取られないから。」
社長「(マスクのときの話)売れ過ぎは危ない。必ず反動がくる。」
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夏は悪臭を感じやすい季節。
下水の臭い、ペットの臭い、衣類の臭い
そんなときに活躍するのが消臭芳香剤。ではどのようにして悪臭を消すのか。
スタジオに研究室の野村さんが「悪臭」を持って登場。小池が靴下の臭いを嗅ぐ。そこに消臭剤をシュッシュする。すると臭いは消えた。悪臭成分が科学的消臭によって閉じ込められてしまうかららしい。
エスポット新横浜店、エステーでは消臭剤のセールスを行っている。顧客はデザインを重視していることがわかった。デザイナーに佐藤オオキさんを起用し、白を基調にしてヒットした。
社内でも、デザインコンクールが行われ、デザインアォードで、表彰する。最優秀賞にはプロレスラーの覆面をデザインしたものが選ばれた。
社長「安いだけじゃ売れませんよ。家庭で楽しくなくちゃ。」
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社長「勉強はカラダに悪い。頭を下げて聞いてこい。でも相当に勉強していないと、質問はできない。自分の頭で考えて、足で動いて、情報を仕入れることが大事。」
龍さん「空気を買う時代がくるんじゃないかと社長がおっしゃっていたが?」
社長「日本の空気を買いたい。学生のときは学生運動をたっていたし、会社に入ったら労働運動やっていたし、いつも革命をやりたいんですよ。空気を変えないと。」
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編集後記・・・あらゆることに万全の準備で臨むすごい人だ。営業のノウハウもすごい。反骨の士で、営業の師である。