北海道・函館市にある、北里大学獣医学部付属・八雲牧場は日本で唯一の試みが行われていす。それは100%自給自足の牧場というものです。
その内容は280頭の牛を飼い、鎖にはつながず、24時間常に放し飼い。そのエサは、大地に生えそろう牧草のみ。そして、排泄物は堆肥にして牧草地へまくというもの。無駄を一切出さず、全てを循環させて畜産を行っている。その牧場長が萬田富治さん。地球にやさしい、環境重視の牧場を目指す萬田さんが育てる肉牛は運動量が豊富なために霜降り肉ではなく、本来の肉らしい赤身の肉です。脂肪が黄色く、臭味が全くないため人気も上がってきた。ただ、まだ評価が低いため高評価を得る活動をしています。また萬田さんはこの100%自給自足の牧場を全国にも拡げようとする運動も始めています。

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牧草だけで牛を育てる萬田さんの肉は、東京のレストランでも注目されている。赤身が肉の旨みをだし、栄養素も高い。赤身肉はお肉本来の味を取り戻しているが、霜降り肉が最高級というランク付けでは、低位に位置づけられてしまう。

そこで新宿高島屋で、直接消費者にアピールする作戦。

試食は見事に完売。

萬田さんは、積極的にメディアにも登場し、ヘルシー赤身肉をアピール。

牧草のみだと、年間エサ代も少なくてすみ、この「資源循環型」を全国に広めようと先頭に立つ。

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萬田さんのところでこの循環型の究極の事項として妊娠・出産がある。放牧で足腰が強くなっている牛は自力で出産する。羊膜が飛び出し、いよいよ赤ちゃん牛が出てくる。「任せることが大事」と手を貸さずに辛抱強く見守る。そして子牛は自力で踏ん張り立ち上がった。わずか12分で立ち上がり母乳に吸い付く。

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緑豊かな牧草が新たな命を育んだのだ。

萬田さんは農林水産省にも出かけ、完全循環型牧場の推進を依頼。

先月農林水産省は「多様な和牛肉の推進」が盛られた報告書を出した。

萬田さんは若い人たちの育成にも力を入れている。次の世代につながることを信じて。

萬田さんのMY GOALは「2020年までに循環型牧場を全国100ヶ所に」