「青春スポーツ小説の第一人者」らしく、今回は女子ケイリンというジャンルに挑戦。自転車レースを目指す17歳が主人公。自転車競技や自転車の種類などの紹介もあって「へぇー、そんなに違うんだ」と頷きながらもスイスイ自転車が疾走するかのように読めた。★★★☆☆
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主人公の早坂凛は、16歳のとき引き籠もりから立ち直るために、ママチャリでサイクリングを始めた。いつしか「自転車で駆けっこをする楽しさ」に目覚めていく。元“怪物競輪選手”との出会い。親との諍い。高校退学・自立。競輪学校をめざす少年たちやプロ選手との競い合い。…ひたむきに生きるゆえに挫折も多い。しかし、凛はバンクを疾走すればいつでも自由になれた。そして5年後、世界選手権女子ケイリン決勝のトラックに、凛がいた。世界チャンピオンと並走する凛。ラスト1周のベル(ジャン)が鳴った。袖の日の丸が激しく揺れる。大外からバンクを駆け下りてフィニッシュラインに飛び込む凛…勝てたのか。