横浜市アピタ長津田店、タイムサービス目当ての客が集まり始めた。
スーパーの商品に必ずついているのがバーコード、会社名・生産地・値段がバーコードで示される。
タイムセールに欠かせないのが、値下げ時のラベル。これを値下げ前のバーコードを隠すように貼っていく。
このシステムを導入して、レジでは割引の手打ちが無くなり、誤りも無くなりスピードもアップした。今夜はどんなものにも利用されるバーコードのプリンタなどでシェア4割を誇るサトー。
ツィッターを先取りした経営でも有名な、情報を制する「つぶやき経営」のサトー特別顧問藤田さんがゲスト。
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藤田「成功が引き継がれていかないといけない。」
東京・恵比寿にあるサトーの本社。朝は「社歌」からスタート。
古風だが売上高が伸びている超優良企業。創業者の佐藤陽が竹細工の店からスタートし、「世界初」を作ることを会社の目標にした。
バーコードは1970年にアメリカで開発されたが、世界初のバーコード印刷機を製造。1980年代に入ると、スーパーやコンビニがバーコードを採用。熱転写バーコードプリンタを世界初製造した。
藤田が2代目社長に就任したが、藤田もその前に世界初を製造するプロジェクトを成功させた。チケットにバーコードを載せたプリンターである。
さらに藤田は病院にも商機を見出す。「電子タグ」によって2004年患者取り違い防止システムをこしらえた。このICタグで、患者の点滴の取り違いなどを防止。「ヒヤリ・ハット」がゼロになったという。
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スタジオでバーコード、QRコード、ICタグの説明がされた。
QRコードになると、文字も記録可能になり、ICタグになると書き換えも可能になる。映画のマイノリティ・レポートの映像が流れて近未来の様子を垣間見る。
藤田「人間が人間らしいことをやることに時間を使って欲しいというのが基本。」
小池「パスポートと顔が違うといわれて目視の審査でひっかかった。」と告白。化粧をしていなかったらしい。
龍さん・・・「製品力」と「経営力」が両方強くないとやっていけない時代だ。
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企業の幹部クラスが集まった講演会で講演する藤田「三行で会社が変わる。」と語る。「三行提報」といわれるこの方法とは?
サトーの小沼さん、訪問した先での見聞きしたことからニーズを掘り下げて提案する。これが三行提報で、全社員が必ず毎日、三行提案を出さなければならない。ツィッターが始まる3年前からの手法だ。
秘書室でまとめて、社長がそれに目を通す。現社長の西田さん、「地域が異なるところから同じような提案が上がると指示する。」という。
この127文字から、ヒットしたのが、消費税導入期、総額表示なのか、税抜きなのかで悩んでいたときに、総額でいくべきではないかという提案が多くあり、総額表示のプリンタを量産してライバルに大きく差をつけた。
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藤田「手書きのときは86文字だったが、電子化してから127文字になり、自分がどう思うかも書くようになって、より提案がしやすくなった。」
藤田「これを誰に言ったらいいかわからないときがあると思うが、それがどこかで誰かが見てくれると思うと励みになる。」
藤田「社長はたまったもんじゃないけど、ある意味、謙虚になる。読まないといけないから素直に読むしかない。」
藤田「読むことによって変えてみよう、何かやってみようという救いになる。」「経営者も歯を食いしばって読むしかない。」
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1951年東京生まれ、父は小さな商社を営んでいたが、常に経営が苦しく、社長にはなるまい!と誓って、会社も日本航空を選んだ。間違っても社長にはなれないだろうという算段だったが、妻がサトーの創業者の娘だったことから、乞われて2代目社長になった。
そのときに考えたのが「三行提報」だった。
龍さん「社長のヘッドハンターは’絶対社長になりたくない人’を条件にしているらしいけど」
藤田「社長にはなれたらなってみたほうがいいけど、自分の子供には’社長にはなるなよ’というけどね」
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岡山・山田養蜂場、1948年に創業、通信販売に力を入れて業績を伸ばした。二代目山田英雄社長は「三行提報」を取り入れることをした。導入してまだ1年だが、それをもとにヒットしたのが「しょうがはちみつ漬」、食品営業部の山本さんが書いた三行によって、トップが1.5倍の広告費用をつけ、その結果売り上げは5倍くらいになった。
山田社長は「三行提報」で利益だけでなく’社員の活性化’も手に入れたと語る。
龍さん「三行提報は’利益’のためだけではにのでは?」
藤田「おっしゃるとおりですね。ひとつひとつの現象にあらわれるものから、変化を感じ取ることが大事。」
龍さん「小さな現象から大きな事象の予兆を見ることかなと。」
藤田「予兆を読み取る仕組みかも知れません。」
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サトーでは「お疲れ様」禁止令が出ている。ありがとうが飛び交う。
昼休みフレックス制度や、非喫煙手当て2000円など、提案から生まれた制度も多くある。
藤田「楽しみやワクワク感がある。’とりあえずビール禁止令などユニークなものがある。また一人出張、一人旅のほうがいい報告を書いてくる。」
龍さん「変化しろといわれて変化できたら世話無いけど。」
藤田「大きな変化に対応できる風土になる。会社はうまく行ってるときにこそ変えていくことが重要。」
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編集後記・・・自動認識システムは社会インフラになりつつある。競争力のある製品は会社の文化とともにある。大きなイノベーションは小さなイノベーションの積み重ね(by藤田)