渋谷区のエイチ・アイ・エス。円高の夏、欧州旅行に客が殺到している。

べストシーズンでも割安感があるので、欧州デスクは待ち行列ができるほど。

ユーロ安の恩恵にあずかれるため、若い女性もパリへ、プランタン本店で

消費税減免にあずかれて、バーゲン開催中であり、日本の半額ほどで

ブランド品が手に入る。サラさんと萌さんは、旅行者でもあるが、為替取引

で儲けも手にした。

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江口君、ビッグマックを手に登場。2年前600円だったが、今はセットメニューが買える。ユーロ安がその要因だ。16カ国で流通する便利な通貨であるが、そのユーロが危機にある。

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茨城県牛久市の佐藤さん夫婦、年金満額需給を控えて、退職金の運用などを考えている。ユーロ建ての外貨預金を考えている。大手銀行ではユーロ預金が2割増加しているという。

個人投資家のFX取引も急増している。元手を入れれば大きな取引ができる。主婦が8億円儲けたということで、その話を聞こうとしてセミナーに集まった人は主婦も多い。「着物トレーダー」と呼ばれ海外でも一目置かれる存在だ。

主婦の塚越さん、買い物帰りに足を止めて携帯でユーロの足を見る。家にいながらできるFXをパートくらいの利益が出ればいいかなという気持ちで始めた。

為替は刻々と動いているので、料理をしていても気にしながらだ。1年前100万円を元手に始めたが、一時期150万まで増やしたものの、ギリシャ危機で今は50万のマイナスだ。

ギリシャショックは世界に連鎖して、東京市場にも波及し、市場は今、次に危ない国はどこかと戦々恐々としている。

そんな中、100兆円の投資マネーを握る男が次に危ない国を明かした。

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世界最大の債権運用会社PIMCO。桁違いの預かり資産運用額を誇る。

1971年創設、それまではベガスのギャンブラーだったビル・クロスが運用。ビルはギリシャの財政危機を予測し売り抜けた。次に危ない国を聞いてみる。スペイン・イタリア、もちろんギリシャもあるが、その輪の中に日本も入っていた。ポルトガルよりもスペインが危ないという。

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スペインに取材班が飛ぶ。生活に困り、髪の毛を切って売る女性が3割増えているという。

首都のマドリード、7月3日は国をあげてワールドカップを応援していた。しかしその数時間前、ものものしい雰囲気だった。19%もの失業率になり、デモが行われて警戒がしかれていた。

付け髪として売られる女性の髪の毛は、200グラムで130ユーロだという。売れるものは何でも売って生活の足しにする人が増えたという。リーマンショックで不動産バブルがはじけて、建設途中で放置された建物がマドリードの郊外に多く見られる。

失業した建築関係の男性は、食べるために野菜を作って凌いでいる。しかし家賃を滞納しており、大家さんから立ち退きを迫られている。

7月7日は準決勝でドイツを破りサッカーは盛り上がっていたが、燕尾服で借金取立てを行う男が街を歩いていた。取立てに行った先はすでに逃げ出していた。オフィスに戻り上司に報告する。この会社に依頼してくる件数は4割増えたという。

7月12日、ワールドカップは初優勝を遂げた。経済に明るい兆しとなるかどうか。

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ドイツは危機にある欧州の国のために19兆円の支援を決めた。

そのドイツで今、人気なのが「金」だ。ユーロへの不信感から「金」を持つ人が増えている。

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江口君、都内某所に出没。場所は明かせないという。次々と鍵を開けてもらって入った金庫にあったものは「金」そののべ板1kg。360万円だという。三菱マテリアルの斎藤さんが案内。「マネーが’金’にシフトして値上がりしている。」という。

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アラブ首長国連邦のドバイ。その隣国アブダビに超高級ホテルがある。1泊90万円の部屋もある。その一角にあるのが純金自動販売機。人気は延べ板14万5千円。価格は10分おきに連動して変わる。いまや中東一有名な自動販売機だ。

金の高騰をビジネスに結び付けようとする動きも当然ある。

福田一郎さん、日本企業の新規顧客は20分の一に減り、次のビジネスを模索する中で「金」に目を付けた。福田さんは金鉱山に投資しており、売り上げは大きく伸びたという。

その場所へと向かう。カザフスタンまで飛行機でとび、そこからキルギスへは、クルマで向かう。国境では長い時間待たされた。その理由はキルギス紛争。国境を越える入国審査が厳しくなっている理由だ。

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国土の30%が山岳地帯のキルギス。街行く人も東洋人の顔が多い。特徴は「金歯」、金の産出量が多いことによる。福田・ジョエル・一郎さん、金鉱山会長のサダバエルさんに面会。すると採掘を一時的に中止し、鉱山を閉鎖しているという。

翌日はある工場を訪ねた。キルギス国営の精錬工場である。国内産出の金は全てここで精錬される。

およそ1千万円の延べ板がいくつも製造されている。刻印が打たれてから市場に出回る。

福田さんは、工場長と面談し、小さな延べ板を製造できないか打診。日本向けに売りたいらしい。

次に福田さんはドイツ、フランクフルトに向かった。そこには金の自動販売機を製造する会社があった。

福田さんは金のオンライン販売を目指しており、その宣伝としても自動販売機というインパクトのあるものを導入しようと考えていた。

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一方、日本では金と連動する債券が作り出されて売り出された。

しかし「金」といっても値下がりするリスクはあることを肝に銘じておく必要がある。