浜辺で行く末を思案した龍馬は薩摩藩の世話になることにする。

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伏見の寺田屋に顔を見せた龍馬。女将の登勢に薩摩藩の人が来るかどうかを訊ねる。海軍操練所が閉鎖されたことも登勢は承知していた。お龍は相変わらずつっけんどんな物言いをするが、愛情が深まっていることを互いに承知していた。

連れの沢村や、陸奥と一緒に来ていた龍馬は、薩摩の西郷吉之助を頼っていくことを説明。西郷の様子を話して聞かせるが、沢村らは「お前に騙されてこうなった。」と取り合わない。

饅頭屋長次郎はお徳との間に子供ができていた。家庭の幸せを願う長次郎であるが、「志」についても失いたくないと徳に話す。

その場所に、溝淵が訪ねてくる。弥太郎からの手紙を預かってきたのだった。その手紙には以蔵の様子や、武市が毒饅頭を委託したこと、そして’土佐に戻ってこい’という内容が書かれていた。

龍馬は土佐に帰る決心をして、溝淵に頼むが脱藩者である龍馬が土佐に戻る途は無いのであった。

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土佐では、以蔵が生きているのもやっとなのに更に拷問を受けていた。後藤象二郎の問いにも「武市先生では無い」と決して口を割ろうとはしなかった。

獄につながれたままの武市は髭もぼうぼうになっていた。妻の富は夫が土の上で寝ているのにと、自身も板の間で寝ていた。

土佐の坂本家、武市の話をしているところに、突然、溝淵が現れ、「静かに!」と制する。その背後には龍馬がいた。坂本家では家族一同が歓迎し、翌朝は家族で朝餉を囲んだ。

龍馬は戻った目的を「武市を助けるため。」と告げて「坂本家と縁を切ってください!」と兄の権平に願い出る。

弥太郎は以蔵の拷問に手を貸すことになっていることに自責の念を抱いていたが、母の美和は「それが嫌だったら、後藤象二郎様にお役を辞めさせてください。」と申し入れせよと尻を叩く。

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弥太郎が城に向かう途中、溝淵と龍馬は弥太郎を拉致し、武市や以蔵の様子を詰問する。そしてどのようにして吉田東洋が殺されたのかを探る文書を持ってこいと指示する。

武市は牢内で書をたしなんでいたが、今日は静かだと牢番に語りかける。牢番は「以蔵が死にかけた。」と答える。山内容堂は茶室で茶をもてなしながら、客人と語っていた。

弥太郎は城の文書倉庫に入り、機密文書を盗み出す。龍馬はそれを手に入れて兄の権平に縁を切る書面を藩に提出することを依頼。龍馬は坂本家を離れる。

龍馬は後藤象二郎の登城の途中に声をかけて呼び止める。

龍馬は「吉田東洋を殺したのはワシじゃ。」と話す。その当時の状況を文書にしたがって忠実に話す。それはまさに現場を知っているものだけがわかる内容だった。

後藤は龍馬に斬りかかるが、龍馬は逆にねじ伏せて、その後遁走する。

龍馬がうった大芝居。このために坂本家と縁を切ったのだった。

溝淵と弥太郎に別れを告げて、龍馬は土佐を再び出るのであった。

(つづく)