15歳でデビューし13年目。蜷川幸雄にその才能を見出されて、今、「宮本武蔵」に挑んでいる。端正な容姿、演技の幅の広さも魅力だ。
13本の映画に出演、ウチ10本は主役だ。「デスノート」は大ヒットを記録。「カイジ」では10kgも痩せて臨んだ。
3月7日、「インシテミル」、豪華キャストが話題で、撮影が始まった。
嘘のようなアルバイトの情報から始まり、綾瀬はるかが演じる女性とからんでいく。二人は初共演。綾瀬は「自分にも厳しい方だと思うし集中力が凄い方だと感じた。」と出会いの印象を語る。
藤原に撮影で心がけることを質問。藤原「監督の思うようないいカットが出来ることかな。」と語る。
この日の山場は殺人事件が起きて、急展開していくシーン。このシーンをどう解釈して演じるか?藤原はリハーサルから集中。取材は拒否した。’扉をゆさぶる’とト書きに書かれたシーンを藤原は渾身の演技で答える。監督も「藤原君でよかった。」と感想を述べる。
北王路欣也さんも「若いときからやってるから凄いね」と賛辞を惜しまない。
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1982年埼玉県生まれ、3人兄弟の末っ子だ。「身毒丸」のオーディションにうかり、蜷川の演技指導を受ける。
共演した白石加代子も「時代を担ってくれる一番の人と思っている。」と語る。
藤原「他の人が絶対経験することの無いことをやらせてもらっている。大変だけど、こんな凄いことはない。」
舞台は「エレファント・マン」や「ロミオとジュリエット」があるが、蜷川演出のロミオは軽妙な姿を見せてくれた。
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その蜷川がロンドンとニューヨークで舞台をやるが、それが再演を要望された「ムサシ」だ。脚本は故人となった井上ひさし。
その次の舞台は同じ井上ひさし脚本の「木の上の舞台」だ。そのスチール撮影が行われた。しかしこの舞台は井上さんの訃報で幻となってしまった。
藤原が「日本の宝を失ったようだ。」と感想を求められて語った。
「ムサシ」は今回の再演で勝地涼も加わる。「藤原に憧れていた。」とその共演を喜ぶ。
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ロンドン公演。バービカン・センターにあるバービカン劇場で行われる。イギリス屈指の舞台だ。井上ひさしの遺影が見守る中で幕が開く。
13年前、藤原はここバービカン劇場の舞台を踏んだのだ。帰って来たという表現がピッタリだ。
ムサシは佐々木小次郎との決闘場面からスタート。
佐々木小次郎はなんとムサシに助けられて一命を取りとめ、復讐に来るという筋立て。井上は「復讐の連鎖を断ち切る」をテーマにしている。もちろんコミカルな味付けは井上流だ。
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そしてついにその日がやってきた。集中力を高め、蜷川さんから激励を受けて、ロンドンの舞台に立つ。1000人を越える目の肥えた客を相手に、演技はいよいよ最後の亡霊を斬って、復讐の連鎖を断ち切るというクライマックスへ。
観客の評判も上々。楽屋に戻る役者たちもすがすがしい、ほっとした表情を見せる。翌日の各新聞紙上の評価も上々で、蜷川も力をもらう。
2日目は井上ひさしの娘、井上麻央こまつ座代表も訪れた。最終日は観客席もステンディングオベーションでたたえた。
藤原「ここまで恐怖を感じて舞台に立ったことは今まで無かった。背負っているものが大きくて。」
5月9日、ひとりロンドンに残って雑誌の撮影。カメラにリラックスした表情を見せる。
夜は日本から公演を観に来てくれたファンとの食事会で交流をはかる。
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久しぶりに日本に戻った藤原。宝物は「ギター」、長渕剛からもらったものだ。
六本木でビールを飲む。事務所の先輩でもある船越との会話は、ほんとにリラックスして、事務所のほかの先輩のことをサカナに、やんちゃな素顔を覗かせる。得意のダーツで対決する「たっちゃん」と「えいちゃん」、結果は「えいちゃん」のリードが続いたが、最終ラウンドの追い上げで3点差まで迫るものの「えいちゃん」の勝利だった。
藤原「映画と舞台は真逆だと思います。」
そろそろ結婚は?というフリに対しては「正直、今のところは意識していない。まだ今は俳優としてやりたいことがたくさんあるから。」
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藤原が楽しみにしていた場所にやってきた。そこは「スタジオジブリ」なんと最新作に声の出演を依頼されたのだ。プロジューサーの鈴木が案内し、アカデミー賞のオスカー像を見せてもらうい感動。藤原は「スピラー」という少年の声を担当。鈴木も「期待通りの存在感があった。」と好印象だった。
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5月15日、埼玉芸術劇場で、「ムサシ」日本凱旋公演のリハーサル開始。
そのさなかに、藤原の28歳の誕生日を迎えた藤原に共演者らがケーキをプレゼントし、みんなで祝う。
凱旋公演も最終回を迎え、井上ひさしさんの遺影もアンコールで登場。蜷川さんも登場して万来の拍手を受ける。
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6月12日、次の舞台の「黙阿弥オペラ」に取り組んでいる。
俳優藤原竜也の挑戦の日々は続く。
今はどんな時かと聞かれて、「いろんな人と出会って勉強を詰んでいくときだと思います。」と答えた。