海軍操練所が閉鎖され居場所を失った龍馬。神戸の浜で途方にくれる龍馬であったが、勝が現れて龍馬の身の振り方を語る。薩摩の西郷に会ってみないかと持ちかける。

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大坂薩摩藩邸、銃の訓練が行われていた。最新式の軍備を背景に幕府内でも大きな力を持っていた藩だった。

その司令官が西郷吉之助だった。龍馬は藩邸に出向き、その西郷にめ通る。

勝の口利きで「一番弟子」ということで紹介されていた。西郷は蛤御門の変で、右足に銃を受けて怪我をしていた。龍馬はいきなり「西郷様は太ったおなごがお好きと聞いております。」と切り出し、西郷は「ぶたのようなおなごが好きだ。」と答え、さらに龍馬はどんなおなごが好きか?と聞く。龍馬は「愛想が悪いけど、なんだか惹かれるおなごがいて、それが蛤御門の変で、家を焼け出された。」と切り出し、「日本の中で戦をしていては他の国につけいれられる。長州征伐をやめてつかわさい。」と単刀直入に申し入れる。

西郷は龍馬に銃を手渡して、「150間先をぶち抜く。長州はこれを何百丁も用意している。今たたいておかんとすぐに盛り返す。」と警戒していることを明かす。西郷は「坂本さんは長州の味方か?」と聞くと、龍馬は「日本人の味方です。」と返す。

西郷は「勝先生の考えは甘すぎる。脱藩したものが薩摩藩に意見する力は無いが、薩摩藩は船乗りを欲している。勝先生からも頼まれたが、坂本さんは薩摩が嫌いなようじゃ。すべては坂本さん次第じゃ。」と言い残して猿。

龍馬は西郷に得体の知れない恐怖を感じた。

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土佐の坂本家では、龍馬のいた海軍操練所が閉鎖されたことを知り、龍馬の行く末を家族が案じていた。

龍馬や長次郎、沢村など海軍操練所の仲間とともに、操練所の後始末をしていた。勝が皆の前で「これから先は、お前さんたちの時代だ。海はどこへでも開けている。どこへでも行ける。お前さんたちでこの日本を変えろ。君たちはわしの希望である。」と諭す。

海軍操練所は幕が落とされた。しかしここからが船出であるという勝の言葉に、一同は深々と頭を下げて礼をする。

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こうして海軍操練所を離れちりじりになる若者たち。国許に戻っていくものがほとんどだった。残ったものたちは脱藩浪士たち。龍馬たちや陸奥陽之助がいた。この残った者達を最後に海軍操練所は人気が無くなった。

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その頃、西郷は幕府に驚くべき政策(長州を武力によらず落とす)を具申していた。幕府とて軍資金が無い。幕府は薩摩藩に踊らされることになるが、これをヨシとせずに幕府は外国に資金援助を申し入れる。フランスがその相手となり、この後、フランスとの関連を深めるのであった。

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土佐では弥太郎に2人目の子供が産まれていた。その弥太郎は武市に頼まれた毒饅頭をどうすべきか悩んでいた。その毒饅頭を父親が食べようとして、弥太郎はあわててそれを止める。疑う家族を前に弥太郎は「武市が以蔵に渡すようにとくれた」と打ち明ける。その重責に弥太郎も悩んでいたのだった。

妻の伊勢は「人殺しはやめてください。」といい、父親は「いや、武市さんや以蔵の気持ちを思ったら以蔵に饅頭を食わせてやるべきだ。」と意見する。

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牢獄の岡田以蔵は度重なる拷問で、生きているのがやっとの状態だった。武市と出会ってからの出来事を思い浮かべ、龍馬などとの思い出を振り返る。’楽しかったのう’と。

その以蔵のもとに弥太郎が訪れて、武市から依頼された毒饅頭を渡そうとする。弥太郎は手が震えて饅頭がブルブルと揺れていた。以蔵はそれをようやく手に取り「ありがとうございます先生」と口に運ぼうとしたときに、弥太郎はその腕を取り、「殺すことはできん」と奪い取り、膝を折りながらその場を逃げ出す。

以蔵には自身で舌を噛み切る力も残されてはいなかった。

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武市は以蔵がいまだ生きていることを聞かされて、嘆く。

武市は「大殿様に会わせてつかわさい。」と願い出るが、それは叶えられることの無い願いだった。山内容堂も追い詰められていたのである。

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龍馬たちは、行く先を迷っていた。土佐に戻るつもりの脱藩者たちであったが、龍馬は「飯を食いにいこう。」と誘うが、薩摩藩に身を寄せるのか、それとも土佐に戻るのか迷っていた。

(つづく)