ひたすら頭からボールに飛び込む子供たち。

このダイビングヘッドをひたすら練習していた少年が岡崎。

長友は鍛えたカラダで当たり負けしない。ゴールへの執念を燃やす本田。

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3年前岡田監督は得点力アップを目指し、コンタクトを避けてゴールを目指す!を目標にした。相手選手との接触を避けながらパスの連携で突破していく。日本人の特性を生かした攻め方だ。

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FWの岡崎は出身の地元小学校での卒業式に招かれた。

目標を3ゴールにしていることを話す。岡崎の武器は鋭い出足とダイレクトシュート。日本の戦術には欠かせないFWだ。清水エスパルスに入団して5年目。はじめはなかなかゴールをあげることが出来ずにいた。FWの責任を果たせないということでMFへのコンバートも考えられた。

岡崎は走り出しの速さを徹底して鍛えた。その成果が2年目に出始めた。入団3年目で初ゴールを決めて、それからは順調に決めていって今回の選出となった。日本のW杯出場を決めたゴールも岡崎だった。

鍛え上げられた飛び出しを武器につかんだ代表だった。

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長友は左サイドバック。1m70cmは日本代表でイチバン小さい。

大きな選手とぶつかっても当たり負けしない。長友「強い相手のほうがやりがいがある。」

長友の武器はサイドを一気に駆け上がっての攻撃参加。豊富な運動量を生かした駆け上がりは代表に欠かせない。

長友は大学時代は目立たない選手だった。体幹を徹底的に鍛えることで体脂肪率3%という脅威の肉体を作った。スタミナもあり、走る距離は代表でもナンバー1だ。平均10kmといわれる試合中に走る距離だが、長友は15km走っている。

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腕試しの親善試合がオランダと行われた。前半は押し気味に試合を進め、岡崎はその出足でチャンスを作った。長友は左から駆け上がりセンタリングを上げた。

中盤は遠藤がコントロール。前回のドイツ大会ではピッチに立つことも出来ずに終わった。やるべきことはやりたいと話す。

後半は違和感が生まれた。替わって入った本田が、自分自身で突破を図るがうまくいかない。連携にほころびが生じた日本は結局オランダにゴールを決められて敗戦。本田はシュートすら打てなかった。

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本田が1対1に拘るのは、オランダ1部リーグでの経験だった。

本田は力を見せられないまま、チームは2部に降格。本田は考えた結果「目立たないといけない。」と決心した。日本にいたころはラストパスに美学を求めていた。

その本田が1対1で自ら仕掛けてゴールを目指す姿勢を強くした。

本田「ゴールに向かっていくことがすべて」

代表では、なかなかこのスタイルがフィットせずに、控えに甘んじることが多くなっていった。それでも本田は1対1にこだわり続けた。

ロシアのチームへの移籍を決めてロシアに向かった。本田「僕自身の生き方がリスクなんで」

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韓国との親善試合。日本は国内リーグの選手ばかり召集した。

積極的にシュートを打ってくる相手に3失点。攻撃の糸口は掴めなかった。

ドイツ北部のヴォルブツブルグ。ここに長谷部誠がいる。ドイツ1部リーグでプレーしている。食事のときも「昨日はイマイチだったね。」なんて声をかけられる。

長谷部が驚いたのは練習中からの激しい競争意識。勝ち残ったものだけがピッチに立てるという厳しさを肌で感じた。長谷部はリスクを冒してでも攻めあがるボランチという役割をここで学んだ。

日本代表のVTRも繰り返しチェック。修正する場所はたくさんあるけど、リスクを負って攻めにあがる姿勢が足りないと感じていた。

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本田はロシアでも1対1の突破とゴールを追い求めた。そのスタイルをどう日本代表に生かしていけるのかを示威分の特徴を生かすことで難しいことは考えていないと語る。

3月、本田・長谷部が代表に呼ばれ、3月3日のバーレーン戦に臨む。

本田は積極的にゴールに向かう姿勢を見せてドリブル突破を図り、DFを惹きつけて、その隙に味方にパスする。

こうして岡崎のシュートが生まれ、後半ロスタイムは本田がダイビングヘッヂで追加点を奪った。

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日本代表はその後も模索を継続し、韓国戦は0-2で敗れたが、しかし果敢にシュートを打つ本田、何度も裏に抜けて飛び出し岡崎、左サイドを駆け上がる長友、中盤から声をかけ隙あらば攻撃参加する長谷部がいきいきと動いていた。

代表はスイスの高地で合宿開始。

1戦目はエトゥを擁するカメルーン、2戦目は世界3位のオランダ、3戦目は190cm以上の長身選手が居並ぶデンマークだ。

本田「課題はいっぱいあるけど、自分が一歩でも強くなれば戦える。」

岡崎「茨の見えない道を進んでいるけど、それをかけぬけた者がW杯で笑うことができる。」