埼玉県越谷市のマンション、パソコンで情報を集めている奥様方。温泉旅行の計画中だ。老舗旅館で1泊2食6300円という安さの宿に決めた。塔ノ沢一の湯本館。ここには女将や客室係りはいない。でも部屋は広くてきれい。1630年創業の老舗中の老舗ながら、この価格だ。従来は最低でも1万3千円だった。

バブル景気に取り残された老舗は集客に1泊9800円とした。それが功を奏して今は箱根に8つの旅館を構える。受付の人も料理の配膳を手伝う。お客様は大満足。6300円でもお土産や食事のときのお酒などで一人当たり1万円は使うという。

今夜は格安路線に転換した温泉旅館などを追う。

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江口君、東京お台場のスパリゾート「大江戸温泉物語」に出かけた。そこで拡大戦略を見学。まずはシャワーの自動で出る時間、これが16秒と設定してある。低価格で納得できるサービスが今や必須なのだ。

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栃木県塩原温泉郷。ホテルニュー塩原は240室1300人収容可能な一大レジャーホテル。しかし去年の夏、外国人投資家グループに身売りした。そのグループが再建を託したのが大江戸温泉物語の森田さん。

森田さんが温泉やシャワーをチェック。「最悪」と評価。客室のチェックでは枕カバーに穴が、そしてアンケートを見ると料理の悪評がほとんど。森田さん「本来なら支配人がチェックして悪ければ作り直しのところだ。」

従業員がカラダでわかってくれないとダメ。と語る森田さん。

砂川さんらを大江戸温泉物語系列の温泉に研修にいくことにした。大江戸流の流行る旅館つくりを見て回る。

長崎屋などの再建を手がけたプロの橋本浩取締役が大江戸温泉物語として、各地の温泉の再建にあたるトップだ。

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森田さんが厳しい顔で会議に向かった。5000万円といわれていた赤字が3億円にものぼるという。このままでは倒産してしまう。早急に手を打たなければならず、1週間でのプランつくりを指示。ホテルニュー塩原の従業員が頭をひねって考える。それは駅からの直行バス運行だった。スタッフが全てやることになる。今までは旅行代理店まかせだった。

バス会社との折衝から、身内の料理長との相談と、主担当の鴨さんは自宅にも帰らずプランを練る。

いよいよ森田さんに対してプレゼンする日が来た。広告宣伝費が赤字になる!とプランのやり直しを指示。「まだまだです。」と森田さん。

そして見直しプランがようやく完成。7800円で直行バスでの宿泊プランが出来て、予約がどんどん入った。再生に向けての一歩が始まった。

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江口君、格安温泉が進出する地域の老舗旅館の支配人になって、この黒船到来を迎え撃つ方策を練る。

石川県七尾市和倉温泉の加賀屋。日本一とも言われる老舗だ。

宿の顔は女将の小田さん。プロが選ぶ日本一の旅館に30年君臨する。

客室係りが一部屋に必ず一人つき、「できません、わかりません」とは決して言わないのが売り。

しかし和倉温泉も不況で客足が遠のいている。そのなかの一軒金波荘は格安旅館グループの傘下に入った。一方加賀屋も、旅館を買い取り、「虹と海」という格安旅館を経営することにした。

加賀屋の料理担当が、「虹と海」の料理長に抜擢されて、バイキングに挑戦。とはいえ加賀屋ならではの味と品質と指向は部分的に残す。料理の評価会、支配人も満足する。加賀屋からのチェックも合格点だった。

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湯快リゾートのグループに入った金波荘。地元資本以外が入った初めてのケースだ。地元の人たちには決してウェルカムとは言われない。大観荘は金波荘と親戚同士。気持ちは複雑だ。大観荘の女将はまだまだ伝統を守りたいと奮闘する。

和倉温泉の女将たちが視察に出かけた。その先は昼神温泉。ここは乳がんの手術をした女性に話を聞くことができた。

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和倉温泉岡田屋では、子供たちの受け入れを決意。子供たちのユニフォームの洗濯までサービス。こうした新たな客層にまで目を向け始めた。

そして金波荘、虹と海、この2つがGW直前についにオープンした。

両方とも初日から満室。モダンでシックなつくりの「虹と海」は女性や若者にも好評。バイキング料理もあわただしくないと好評だ。温泉の和食とバイキングの結合は受け入れられた。

江口君・・・まだまだ私たちを楽しませてください。