数年前から叫ばれている地球温暖化に伴い、化石燃料を使わないクリーンエネルギーが注目されている。大規模な新エネルギー対策が進む中、家庭でも出来るクリーンエネルギーは浸透してきてるが、その代表格に太陽光発電がある。
しかし、太陽光発電は日中でしか充電補給ができないという弱点があった。
そこで、24時間充電補給が可能なクリーンエネルギーとして風力に目を向けたのが、ゼファー株式会社で社長伊藤瞭介さん。伊藤さんが開発に力を注いでいるのは超小型で発電力の大きいハイテク風車。しかも、これまでの家庭用風力発電に比べて、音が静かという特徴もある。
ただ、風力発電にはどうしても越えられない大きな壁があった。それは、風力発電にもかかわらず、強風になると耐久性の問題で停止しなければならないという点だ。
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1938年東京生まれ。東京山水電気に入社し、社長にまで登りつめる。
しかし1989年に外資系に身売りし、1990年に社長の座を降りる。
そして1997年59歳で風力発電のベンチャー企業を立ち上げた。
すぐに技術力で完成させるが、騒音に悩まされる。その騒音を低く抑えるヒントは「ふくろう」の羽からもらった。ふくろうの羽の先のギザギザは音を弱める効果があることがわかり、これをうまく取り入れる。
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そして新たな取り組みとして、襟裳岬で実験している。強風で有名な場所だ。ここに設置した風力発電は動いていない。それは強風だと回りすぎてオーバーヒートしてしまうため、羽を自動的に止めてしまう機能が付いているからだ。
そこで伊藤さんは激しく回転してもオーバーヒートしない風力発電を考えた。
ブレーキングシステムを採用して、どんな強い風でも止めないで発電するものだ。つくばの研究所で実験開始。クルマに乗せた発電機で、その状況を見る。ブレード材質の発電機は雨の中、少しずつスピードを上げていくクルマの上で、風速12mでも羽根は回り続けた。従来のものは止まってしまう風速だ。
風速25mになり、やがて風速35m、台風並みの風速まで観測した。さてオーバーヒートはしていないかどうか?見事、温度も上がらずに発電できた。
「次のステップいけるね。」
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小型発電機が私たちの暮らしを変えようとしている。
5月6日、ゼファーに開発資金10億円が政府から提供されることになった。
国の産業育成として認められたからだ。
伊藤さんのMY GOALは「2020年、目標は100万台誰でも手軽に風力発電ができるそんな世界に!」