沖縄県本部町、人気観光スポットとなった美ら海水族館。ジンベエザメの飼育やマンタの繁殖は世界初。

人気イベントのジンベザメのエサやりは、来館者に大人気。年間300万人が訪問する。しかし飽きられない工夫も必要で、「世界初」の試みも必要。取材班はジンベザメの繁殖の様子を追った。

オスを別の水槽に入れて、メスは別の生簀から捕獲し、水槽へ。

日本の水族館の歴史は明治25年までさかのぼる。上野の動物園で、淡水魚を見せたのが始まりで、今や日本に100館を数える。

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江口君、大きな水族館に子供たちと来館。子供の質問に答えられない。水族館もどんどん進化しているからだ。

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山形県鶴岡市に世界一といわれる水族館がある。加茂水族館だが、古くて小さな水族館。で、何が世界一かというと、くらげの数。31種類のくらげがいるのは世界一。くらげに着目したのは館長さん。さんごで挽回を図ったが思うようにならず、くらげを入れたら反応が良かったという。副館長の奥泉さんは普通の水槽を改良して八角形の水槽にした。くらげによって水族館来場者がV字回復した。

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箱根園水族館。ここは海水魚と淡水魚が一緒に泳ぐ。秘密は水道水に秘密の白い粉を入れるだけ。この白い粉を開発したのが山梨の准教授。「好適環境水」というこの淡水にも海水にも使える技術は今特許申請中だ。

美ら海水族館の飼育員が、海に出て生き物を集める。船で1時間半のポイントに出て、さばの切り身をエサに1本釣り。欲しいものは深海魚だ。

さっそくエドアブラザメが釣れて生簀に。次はシロカグラ。深海ザメだ。しかし深海魚は釣り上げると弱ってしまう。すぐに酸素ボンベで酸素を入れて、受け入れ態勢を急ぎ、特許をとっている加圧水槽で、深海の状態に戻していく。早速捕ってきたサメを入れて、圧力を上げていく。するとサメは元気を取り戻してきた。

単純に深い水槽を作ればよいのだが、この加圧水槽では、大きな水槽は不要だ。CT検査室で、加圧水槽に入れる前と後の様子を見ると、後のほうが空気も抜けていた。

美ら海ではこういった技術で現在35種類の深海魚を展示している。

深海魚は200m以上深いところ。知られていない部分も多く、これだけの展示は世界一だ。

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4月中旬、美ら海水族館深海魚コーナーに異変が起きていた。4月21日、緊急事態を受けて海に出てナカダチカマスの捕獲に乗り出していた。港を出て7時間経過した午後4時にようやく釣り上げた。すぐに注射して、次にもう一匹と、夜になってバラムツが釣れた。4月29日のGWに間に合った。深海魚リーダーの金子さんも一安心。

深海魚ハンターたちはまだまだ満足していない。

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江口君、再び子供の質問攻めに合う。八景島シーパラダイスで、どこから魚を運んでくるのか聞いてみる。

すると東南アジアなどから輸入しているという。そういう魚を手配する人も介在しているのだという。

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静岡県三島市。ここに魚を手配する会社がある。主に水族館が顧客だ。アメリカや豪州に6社ほどある手配会社。作ったのは石垣さん47歳。1992年に水産会社に入社し、10年前に独立した。

一番難しいのは捕獲ではなく「輸送」だという。この日は英国の水族館からのオファーでリーフィーシードラゴンを調達する。1匹170万円。調達可能な会社は世界に2社しかない。

輸送には神経を使い、ビニール袋も丸い特殊な形に加工してある。

三島から成田空港に向かい長旅の末にイギリスの水族館に到着し、展示された。シードラゴンは元気に泳いでいた。

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次は中国のチンタオから発注を受けた鰯1万匹。

なんとか集めることには成功。その報告をすると、ジンベザメに変えたいという中国側のドタキャンにあう。

国内の水族館に売り込みに電話をかけるが、追加の予定は無いという。狭い生簀に置くとストレスで弱ってしまう鰯。時間との勝負だ。ようやく能登半島からオファーがきて5000匹が引き取られていくことになった。鰯は全部okか全部ダメかの2者しかない。輸送は神経を使う。スピードを同じ速度にして、道路の継ぎ目にも神経を使う。鰯はパニックになると全てがダメになってしまうからだ。

途中に排泄物を緩和する薬を入れて、調子を見る。

ようやく到着して、総出でバケツリレー、8時間かけて輸送した鰯は群れとなって泳ぐ。子供たちの歓声が響く。そして追加で5000匹のオーダーももらう。

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江口君・・・世界に広がる水族館ブーム。ビジネスとしても広がるかも知れない。・・・