品川をたった海王丸は紀伊半島を回り、関西へと近づいていた。

勝麟太郎が率い、龍馬や長次郎が乗り組んでいた。

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大坂の勝塾には全国から勉学と訓練に励む若者が集まっていた。下船してこの塾に立ち寄った龍馬と長次郎はここで勝から優秀な人材をスカウトするよう要請されていた。二人は町に出て「海軍に入ろう!」と行きかう若者たちを誘うがなかなか思うようにいかない。

その中に、同じ土佐藩脱藩仲間の沢村がいた。食べ物にも事欠く様子だった。しかし沢村は幕府に加担するのか!と憤り、刀を振り上げる。

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江戸城では、将軍家茂が京にあがることで、松平春獄や、一橋慶喜が協議していた。方や京の公家、三条実美は攘夷をなすべく対策を練っていた。

その頃龍馬は、塾の先生から落第!といわれていた。

京ではついに家茂が孝明天皇に謁見し、攘夷実行を約束する。

天皇はその時期を名言するよう指示し、家茂は江戸に戻ることを許されなかった。時代は動き出していた。

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土佐藩の藩主山内容堂は、武市半平太を呼ぶ。そこで容堂は勝が海軍を作るという話をする。そして勝の手下に龍馬がいることも伝える。武市はこの話に動揺する。

龍馬と長次郎は大和屋という店にやっかいになっていた。

大和屋の娘「徳」は長次郎に思いをよせていた。

その大和屋に土佐から藩士が到着した。土佐藩士の間では半平太に従うものを、容堂が切り崩しにかかっていた。収二郎はとりこまれようとしていた。

岡田以蔵が勝と龍馬のいる部屋へとあがった。目的は勝を斬ることだった。しかし龍馬に見つかり、勝には世界を教えられる。以蔵は二人に居酒屋に連れていかれる。

そこで勝の海軍構想について聞かされる。

日本各地から集まった若者がわけへだてなく学び、力を合わせて外国に対抗しようというもの。

勝塾では、海外の言葉も学ぼうとしていた。

以蔵は龍馬から「勝先生を頼む」と言い残して大坂へ出ていった。

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土佐藩では容堂が武市に「わしはもう土佐へ帰るぞ。」と伝える。

攘夷の旗頭になることを期待していた武市には衝撃の出来事だった。

気がつくと武市のもとには誰もいなくなっていた。土佐勤王党はこうして解散状態になった。容堂の作戦が見事に武市の力を削いだのだった。

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そして5月10日、攘夷実行が決まった。

勝塾に到着した龍馬は、その中に入る。

(つづく)