浜松市を走るトラック。着いたのは産婦人科の病院。作業員が中に入っていくが患者の姿は無い。手術用のライトを解体し始めた。院長の関さんが77歳で30年間の病院を閉めた。30分もすると医療機器は全て運び出された。後を追跡すると、医療機器の中古をストックしてある倉庫に。

新品の半額ほどで売られる。最近は医療機器が持ち込まれるケースが多く、新品を買うより安いため引き合いも多いという。病院閉鎖に医師不足の日本の現状が見える。

居酒屋チャーンの野望とは?、医療を支えるアルバイトドクターとは?、微笑みコンシェルジェとは?

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江口君、病院の待合で長く待たされる。他の患者も待っているというので、高熱の娘もすぐには診てもらえない。

ある日、居酒屋に飲みに行ったら、そこに診察の受付だった女性がいた。研修の一環だという。

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大阪岸和田市の病院、医療コンシェルジェといわれる女性が、患者に丁寧に応対している。待たされた客には丁寧にお詫びをいう。リハビリ用の器具もタダで使える。こういった患者サービスを手がけたのが、「和民」の渡邊美樹さん。病院では理事長だ。岸和田の病院は引き受け時には赤字だった。患者は減り続けて高齢者しか受け入れられなくなっていた。渡邊さんは事務局長の原田さんを抜擢。和民のエースをこの病院の再建に当たらせた。

2月18日、業務改革会議。原田さんは、看護師などスタッフにコスト意識を徹底させて、自発的な改善策を求めてきた。赤字解消にこぎつけたが、2009年は患者数が2万人近く減り、診療報酬も減ったことにより先行きは決して明るくない。

院長も数字に興味を持つようになり経営の本を読んだりするようになったという。

理事長の渡邊さんが来て経営会議。原田さんに宿題が突きつけられた。

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岸和田エイ進会病院。原田さんは最先端の手術室を1億円かけて新設することにした。さらにコストダウンにも着手し、相見積もりを取って値下げを引き出す算段。

居酒屋に行くと、新人の事務員が研修にきていた。居酒屋で接客の訓練をする。原田さんはこの新人の中山さんを医療コンシェルジェにしようとしている。山中さんは慣れないことに苦戦。なかなか笑顔が出ないでいた。

ワタミグループの経営会議に、原田さんも参加。現状では病院は株式会社制度を取れないが、この参入障壁がなくなれば、ワタミグループとして経営していきたいという。

日本医師会は株式会社制度に反対している。渡邊さんは個人として現在経営している。

日本M&Aセンターという会社がワタミに病院の買収話を持ち込んでくる。具体的な話になって取材はここまで。

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一方地方の医療現場では、北から南まで駆け回るアルバイトドクターがいた。年収で2000万から3000万だという。

江口君、今度は事務長に扮して、医者が辞めていく病院の現状に苦慮。

そこに医者を専門に派遣する会社から電話があった。

青森県の病院に派遣された管藤先生が診察にあたる。山形や沖縄にもスケジュールが入っている。

午後3時に長い長い前日からの勤務を終えて、空港から羽田行きの飛行機に乗る。そして夜9時に埼玉県の上尾市に帰宅。5人の子供たちの歓迎を受ける。

管藤先生は埼玉県の救命救急医師だったが、その職を辞してアルバイトドクターとなって全国を駆け回る。次の日は山形県の酒田市本間病院の当局医になる。患者が危篤状態になり懸命の心臓マッサージで、命を吹き返す。数々の修羅場をこなしてきた管藤先生は、病院側も大歓迎だ。

人口1万人に対して21人しかいない日本。

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医師不足をビジネスとして成功させているのが、東京・赤坂のファズナ。斉藤さん37歳が商社から転進して会社を立ち上げた。転職を希望する医師と、受け入れ希望病院とのマッチングをして、その仲介料を会社の収益にするビジネスだ。

勤務医は年収240万程度。大学の職員と変わらない。ほとんどボランティアだという。

斉藤さん、宮崎に現れた。ここで何をしようというのか?

それは宮崎県を舞台にした病院見学ツアー。観光資源にも恵まれた宮崎で、このイベントに賛同してくれる病院を巡り、趣旨を説明。

しかし病院の先生は、この話に乗り気ではなかった。来てもらう医師次第だという。なんとか参加者は東京・大阪から集まり、迫田病院(民間)を回る、過酷な民間病院の現実を知らされる。次に県立病院へ。耳鼻咽喉科の医師が不足していたが、今回は転職希望側も受け入れ側もマリーできなかった。

それでも斉藤さんはこういった医師転職ビジネスを続けるという。

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岸和田エイ進病院に念願だった最新鋭の手術室が完成した。顕微鏡による手術が可能になる。

居酒屋で研修した山中さんも医療コンシェルジェとして6月から正式に待合室などに立つ。

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江口君・・・安心して診て貰えるのが病院の原点。