江戸の千葉道場。佐那が稽古に汗を流したところに龍馬が舞い戻る。

-------------------------------

佐那は龍馬をずっと待っていた。しかし龍馬の目的は「勝」に会うことだった。

千葉定吉に口利きを頼み、千葉重太郎に案内を頼んで、幕府の総政治職の松平春獄に目通る。龍馬は必死の思いで頭を下げて、「勝」に会えるようとりはからいを依頼する。

この少し前、三条実美は帝の勅書を持って将軍に目通り、幕府側は受領する。幕府内では徳川慶喜を京に送ることになる。

-------------------------------

勝麟太郎の居宅に行き目通りがかなった龍馬は、軍艦奉行の勝から質問攻めにあう。しどろもどろの龍馬。勝麟太郎に直に「弟子にしてください。」と直裁に頭を下げる龍馬。しかし勝の評価は×ばかり。「お前のようなアンポンタンと付き合っている暇はない。」と一喝。「世界に出たい」という龍馬に、「気安く言うな。」と諭される。

しかし龍馬はくじけない。そして勝に少し失望して後にする。そのとき勝の世話をしている男が饅頭屋長次郎がいた。驚く龍馬。饅頭屋長次郎は近藤長次郎として勝に仕えていた。

長次郎は「岩崎弥太郎に言われて決心して江戸に出てきた。」と語る。

千葉の屋敷に戻った龍馬に、重太郎は「佐那の気持ちを汲んで、道場を二人で継いで欲しい。」と依頼する。しかし龍馬は「脱藩した後、まだ何も成し遂げていない。」とその場を離れる。

-------------------------------

勝のもとに武市半平太が訪ねてきた。平井や岡田を伴っていた。

攘夷派の武市がなにゆえ幕府側の旗本である勝に会いにきたのかいぶかしがる勝。武市は勝に攘夷派の意見を聞いてくれる幕閣のものを探していた。

長次郎は斬られるかもしれないと脅える。

-------------------------------

その数日後、英国大使館が火に包まれる。長州藩の過激な攘夷派の仕業だった。

勝は龍馬を呼び寄せる。勝は「何か聞きたいことがあるだろう」と切り出す。龍馬は「異国と戦うことになったら勝てるとお思いですか?」と聞き出す。勝てぬならどうしたらいいですか?と尋ねる。

勝はとことん龍馬の意見を聞くことにする。龍馬は「日本はどこにも負けない海軍を作る。軍艦をどんどん作って、戦をしなくても攘夷を成し遂げることができる。」と熱っぽく語る。

すると勝は「合格だ。」と龍馬に弟子になって働くことを許可する。

勝は海麟丸に乗船してアメリカに渡ったときのことを語る。「海では藩ではなくみな’日本人’になった。」とそのときの様子を語って聞かせる。そして海麟丸へと龍馬をいざなう。海麟丸は日の丸を掲げた’黒船’だった。

「まっこと’日本人’じゃ」と感嘆の声を上げる龍馬。乗り込んだ龍馬はその大きさに驚く。そして乗組員の中にはジョン万次郎もいた。

(つづく)