脱税もグローバル化の荒波に飲み込まれていった。

便器の中を探る査察官春馬草輔。サキタエンタテイメントの3億5千万の過少申告を追求する。通帳の「逆L字」は隠し資産の隠しパターンだ。

内偵班は「8階」、査察班は「9階」と呼ばれている。内偵班の若手が警察の職務質問されたが、そんなことはかまわずサキタの社長の家に乗り込む。ぬかみそにもハンコがわんさか。そして奥さんの携帯に入っていたUSBに裏帳簿が隠されていた。

そして屋敷内のプールに水が入っているのを見た春馬は、飛び込んでプールの下に隠してあった現金や金の延べ棒を見つけ出す。

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カリブ海のヴァージン諸島。ライトキャスト社長の檜山がバカンスに来ていた。迎えたチェンはここが脱税の島であることを告げる。そこに到着したのが脱税のプロ村雲修二。レバレッジドリースによって脱税シェルターをと檜山に提案。檜山は経団連会長の息子。その相続が発生した場合6000億円の資産は税金にもっていかれる。

村雲は、「脱税は犯罪ではない。」と檜山に、この島はタックスヘブンだと語る。村雲の左手は義手だった。

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春馬の自宅。娘の鈴子にも仕事の内容は言えない。久しぶりに夕食の食卓に付くが、すぐに呼び出しの電話がなる。

川島歌織が、男に肩をかして階段を上がっていくと、そこに村雲がいた。

その男は歌織の夫で、がんを患っていた。村雲と夫は友人だ。村雲と夫は元会社の同僚で、ディラーをやっていた。歌織が再び外から帰ると、夫は何か書類を書いていた。

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村雲はzaiccレンタカー会社ををクライアントにしていた。

春馬はこの会社が「B勘定」という裏帳簿を保有していることをかぎつけていた。

社長の派手な暮らしぶリと、シンガポールなどへの海外進出に目をつけた。

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5ヵ月後、シンガポールの子会社が20億円隠し持っていたことがわかったが、英領ヴァージン諸島で巧妙に脱税していた。

川島歌織は島のコンドミニアムにいた。男から大きなぬいぐるみをもらい部屋に隠した。夫の圭介はハンモックで風に吹かれていた。

20億を送金した口座が判明した。春馬は帰宅すると、妻は同窓会に行って留守だった。鈴子だけがいて、妻が「行ったつもり旅行」をしていると、バラす。急に春馬は「旅行に行かないか!」と誘う。妻は「世界遺産に行きたい。」と驚きながら答える。」

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zaiccレンタカーの社長が村雲を尋ねてきた。「無記名債権」を提案するが、社長は焦っていた。脱税するような会社とは取引できないと取引先から言われたという。

世界遺産の旅行に行こうと旅行会社に向かった春馬に国税局から連絡が入る。

一方川島圭介は体調を崩して苦しんでいた。

国際査察官の岬涼子が加わることになった。

川島圭介はますます具合が悪くなった。そこにチェンが来てぬいぐるみを片っ端から切り裂いていった。中からは現金が出てきた。

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レンタカーの社長を追尾していた春馬に上司が、「20億は、死んだ川島圭介とともに消えた。」と告げる。

納得のいかない春馬は、残業していた。そこに妻と娘が立ち寄る。春馬は「旅行行けそうにないんだ。」と謝る。怒る鈴子。妻は「私一人で行ってくるわ。」と告げる。

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川島圭介の墓所、歌織が花を手向けていたが、そこに村雲がくる。その後、村雲はチャンに、資金の分け前を入れる口座を告げる。香港に川島の口座を開設してありそこに振り込ませる。歌織にそのカネは自由に使えると告げる。歌織は「また私を置いていくの?8年前と同じね。」と村雲に詰め寄る。

村雲は「圭介は君のために、オカネを残していたんだ。」と諭すが、歌織は「こんなものより、私は一緒に死んであげたのに。」と胸のうちを語り、村雲への想いをぶつける。そして歌織は村雲と結ばれる。

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春馬は妻のいない家で鈴子の「私はオトナになっても税金払いたくないわ。」という痛烈なひとことを浴びる。

そして臨時ニュースでカンボジアで飛行機事故があったことを知る。春馬の妻が乗っていた。

そのニュースは村雲も見ていた。

ハルマユキエという名前が搭乗者名簿にあった。茫然自失の鈴子。そして春馬。

別の思いでこのニュースを見ていたのは村雲。村雲が檜山に紹介した航空機だ。この航空機が焼失したことによって違約金が支払われ、合法的に脱税が行なわれたと檜山に告げる。

一方、鈴子は「お母さんを殺したのはお父さんだね。」と春馬に涙を流して詰め寄る。

(つづく)